ミリ波センサーによる非接触検知の使用感を試せる評価キット:組み込み開発ニュース
SMKは、同社のミリ波センサー「Milweb」による非接触検知を試せる評価キット「MAK」を開発した。非接触検知を活用したサービスの開発やスムーズなシステム導入を支援する。
SMKは2023年8月22日、同社のミリ波センサー「Milweb」による非接触検知を容易に試せる評価キット「MAK(Milweb Application Kit)」の販売を開始したと発表した。
Milwebは、ミリ波レーダー技術によって距離や速度、角度を検知するセンサーと、収集したデータを処理するための独自のアルゴリズムで構成される。
MAKは、検知したい用途の非接触検知を容易に試せるよう、アルゴリズム別に「MAK24」「MAK60」「MAK79(開発中)」の3種類を用意しており、各アルゴリズムに応じたPC用アプリケーションがセットになっている。
MAK24の周波数帯は24GHz。外形寸法は100.6×80.6×23.5mmで、消費電流は200mA。呼吸数や静止状態を含めた人の検知を対象とし、動物病院やペットホテルでの見守り、在室検知に活用できる。
動体検知向けのMAK60とMAK79は、周波数帯がそれぞれ60GHzと79GHz。外形寸法と消費電流はともに67.6×51.5×26mm、400mAだ。MAK60は、屋内での動体検知を対象とし、施設などでの在室状況やエリア内の密集度を検知できる。開発中のMAK79は、自動車や自転車など屋外の移動体の位置を検知でき、同年10月に発売を予定している。
ミリ波センサーは、高精度で周囲の環境変化に影響を受けにくいため、多様な分野への活用が期待されている。しかし、システムに組み込む際に専門知識が必要で、導入しにくいという課題があった。
同評価キットにより、ミリ波センサーを容易に評価できることから、非接触検知を活用したサービスの開発やシステムの導入がしやすくなる。
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