ニュース
可視光を透過する5Gミリ波対応の液晶メタサーフェス反射板を開発:組み込み開発ニュース
ジャパンディスプレイは、可視光を透過する5Gミリ波対応の液晶メタサーフェス反射板を開発した。5G通信に用いるミリ波帯の電波の反射方向を任意に変更できる。反射板が透明になっており、窓ガラスや広告への適用など設置の自由度が高まった。
ジャパンディスプレイは2023年6月19日、可視光を透過する5Gミリ波対応の液晶メタサーフェス反射板を開発したと発表した。
方向可変型の液晶メタサーフェス反射板で、ミリ波を反射する一方で可視光は通過するため、背景が透けて見える性質を持つ。同試作品の反射特性を評価したところ、設定した特定の方向に28GHz帯のミリ波を反射できた。
5G通信で利用するミリ波は直進性が強いため、ビルや樹木の影などに電波の届きにくいカバレッジホールが発生する。同反射板は、ミリ波の方向を変えてカバレッジホールに届けることができる他、透明という性質を生かした使用方法が期待できる。
例えば、窓ガラスや広告媒体上に同反射板を設置することで、電波環境の変化や通信トラフィックの時間帯ごとの変化に合わせた、柔軟なカバレッジホール対策が可能になる。
同社は今後、量産に向けた技術検討を進めて、同反射板の実用化を目指す。
関連記事
- JDIは「技術立社」へ、ディスプレイ業界のArm目指し世界初と世界一を連打
ジャパンディスプレイ(JDI)が成長戦略「METAGROWTH 2026」に向け開発を進めている新技術について説明。次世代OLED技術「eLEAP」やバックプレーン技術「HMO」、透明ディスプレイ「Raeclear」など「世界初、世界一」となる独自技術の開発を推し進めるとともに、オープンなライセンス展開も行うことで「ディスプレイ業界のArmを目指す」という。 - 液晶パネルで照明の配光を自在に制御、JDIが世界初の新技術
ジャパンディスプレイ(JDI)が、液晶技術を用いて照明の配光特性を制御可能とする「世界初」(同社)の技術「LumiFree」を開発。照明器具を手掛けるトキ・コーポレーションがLumiFreeを採用した可変配光スポットライト「R3-T1」の製品化を進めており2023年4月の量産を計画している。 - 発光領域とピーク輝度2倍、寿命3倍、JDIが有機ELの量産技術を確立
ジャパンディスプレイ(JDI)は、マスクレス蒸着とフォトリソを組み合わせた方式による有機EL「eLEAP」の量産技術を確立した。従来品より発光領域とピーク輝度を2倍、寿命を3倍向上し、低消費電力化が可能になる。 - JDIがJOLEDの技術開発事業を買収、印刷方式有機ELディスプレイの人材と資産を活用
ジャパンディスプレイ(JDI)は、民事再生手続を申請したJOLEDの有機ELディスプレイの技術開発事業を買収すること決議したと発表した。買収金額は約10億円で、同事業に関わるJOLEDの従業員約100人を雇用する。 - JDIがVR-HMD用に1000ppi以上のLCDパネルを量産、市販の“VR Glass”が採用
ジャパンディスプレイ(JDI)は、VR-HMD(仮想現実ヘッドマウントディスプレイ専用となる2.1型で1058ppiのLTPS TFT-LCDの量産と顧客向けの納入を開始したと発表した。搭載製品は“VR Glass”として既に市販されており、今後の事業拡大に向けて提案を強化する方針である。 - JDIがマイクロLEDディスプレイを開発、中小型サイズで車載用途など提案
ジャパンディスプレイ(JDI)は2019年11月28日、次世代ディスプレイとして有力視されているマイクロLEDディスプレイを開発し、1.6インチサイズの試作品を製造したと発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.