ニュース
フジクラが60GHz帯ミリ波無線通信モジュール高感度版を開発、長距離伝送に対応:組み込み開発ニュース
フジクラは、km級の長距離到達性能を持つ60GHz帯ミリ波無線通信モジュール高感度版を開発した。周波数を61〜71GHzに限定して酸素吸収による減衰を抑え、アンテナを最適設計することにより、到達性能の長距離化を図っている。
フジクラは2023年2月6日、km級の長距離到達性能を持つ60GHz帯ミリ波無線通信モジュール高感度版を開発したと発表した。同社は実験試験局免許を取得し、実フィールドで各種通信実験を始めている。
同モジュールは、アンテナ素子数を従来の2倍に大型化しており、アンテナ利得が向上した。周波数を61〜71GHzに限定して酸素吸収による減衰を抑え、アンテナを最適設計して到達性能も長距離化している。また、通信信号帯域幅を2分の1や4分の1に狭め、単位周波数当たりの送信電力密度を高めることで、より長距離伝送が行える。
サイズは78×128×14.4mmで、重さは205g。電源電圧はDC12Vだ。チャンネル帯域幅は0.55、1.1、2.2GHzを用意し、インタフェースはPCIeを2レーン備えている。使用可能な無線周波数は61〜71GHzだが、国内向けには61〜66GHzまで対応する。
同社は、同モジュールの対応周波数帯を免許不要で利用できる欧米での拡販に注力する考えだ。バックホール用途や、移動体通信などの長距離伝送が必要なアプリケーション向けの用途を見込む。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Bluetooth 5.2対応、屋内で方向探知可能な無線通信モジュール
太陽誘電は、Bluetoothの最新コア仕様バージョン5.2に対応した無線通信モジュール「EYSNCNZWW」「EYSNSNZWW」を発表した。両製品は方向探知機能に対応しており、屋内施設で位置情報を把握できるため、医療や物流のデバイス用途に適している。 - 10km以上の長距離通信に対応、LoRa変調方式採用の920MHz無線通信モジュール
コンテックは、LoRa変調方式採用の920MHz無線通信モジュール「CPS-COM-1QL」を発売した。IoTコントローラー機器に対応し、無線の変調方式にLoRa変調を用いることで、10km以上の長距離通信が行える。 - 「UNISONet」の無線通信モジュールが「Open Blocks IoT」や「SPRESENSE」に対応へ
ソナスは、「ワイヤレスジャパン2021」において、同社独自のIoT向け無線規格「UNISONet」を用いたIoT機器開発向けの無線通信モジュールと、IoTゲートウェイやIoT機器開発プラットフォームへの同モジュールの実装例を披露した。 - IoT向けマルチホップ無線通信モジュールのサンプル提供を開始
ソナスは、独自開発したIoT向けマルチホップ無線規格「UNISONet」の無線モジュールのサンプル提供を開始した。土木、建築分野や製造業などさまざまな分野において、UNISONet搭載製品の開発を支援する。 - オムロンのIoTゲートウェイ、モジュールコンセプトで通信を自由自在に
オムロンは、「第11回 IoT&5Gソリューション展 春」において、モジュールコンセプトによってデバイスやセンサーとクラウドをつなげるための通信機能を自由自在に選べるIoTゲートウェイを披露した。 - M2M向け携帯電話通信モジュール大手のテリット、自動車分野にも展開を拡大
イタリアに本拠を置くTelit Wireless Solutions(テリット)は、M2M/IoT市場向けの携帯電話通信モジュールで世界シェア31%という大手企業だ。NXP SemiconductorsからeCall向けの製品ATOPを買収するなど、自動車分野への事業展開も拡大中である。