ドローン3機体を1人の操縦者が同時運航、防災用品や食品を配送:物流のスマート化
KDDIおよび日本航空は、遠隔操縦者1人がドローン3機を同時に運航させ、防災用品や食品を配送する実証実験を実施した。約2.5kmの2ルートでレベル3.5飛行を用いている。
KDDIおよび日本航空(JAL)は2024年6月28日、遠隔操縦者1人がドローン3機を同時に運航させ、防災用品や食品を配送する実証実験を実施したと発表した。
同実証は、埼玉県秩父市吉田地区にて2024年5月15日に実施した。秩父市吉田総合支所から阿熊地区(ルートA)および道の駅 龍勢会館から阿熊地区(ルートB)の2ルートにてドローン3機体が飛行している。距離はいずれのルートも約2.5kmとなった。
今回はドローンのレベル3.5飛行を用いた。レベル3.5飛行とは、ドローンに備えたカメラにより歩行者を確認するなど、一定の条件を満たせば立ち入り管理措置や地上の補助者が不要となるものだ。2023年12月の航空法改正により新たに許可された。
PRODRONE製の「PD6B-Type3」を使用した。同機体は、全長2181×2398mmで、高さ676mm、飛行時の最高時速が60km、最大航続時間が約35分。最大ペイロードが30kgで、推奨ベイロードは20kgまでとなっている。
同実証では、KDDIとKDDIスマートドローンが共同開発した運航管理システムに、JALが有する安全運航に関する知見に基づいた機能を追加。また、イレギュラー時にも対応可能なオペレーションプロシージャを設けている。
これらにより、1人の操縦者が遠隔自動操縦にてドローン3機体を同時に運航させ、防災用品や食品を配送した。
KDDIおよびJALは、今後も運行管理システムの開発や実証を継続する他、運航要件の検討を進め、ビジネスモデルの確立を目指す。また、今回の実証で得た知見を用いて、1対多運航に関するルール構築を進める。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 佐川やセイノーが自動運転トラックを使った幹線輸送の実証、車両はT2
T2と佐川急便、セイノーホールディングスは自動運転トラックを使った幹線輸送の実証実験を行う。 - 4社と「災害時等における無人航空機の運用に関する協定」を締結
首都高速道路は、4社と「災害時等における無人航空機の運用に関する協定」を締結した。災害時のドローン活用に向けて体制を強化している。 - サントリーとダイキン、2台分の荷物を運べる「ダブル連結トラック」で往復輸送を開始
鴻池運輸など4社は、ダブル連結トラックを活用した異業種製品の往復輸送の取り組みを開始した。10tトラック2台分の荷物を1人のドライバーで輸送でき、CO2排出量削減や労働環境の改善にもつながる。 - 広がる「新幹線物流」の可能性 潜在需要と拡大に向けた課題とは
野村総合研究所は新幹線を活用した速達輸送「新幹線物流」に関する調査結果をまとめ、それを基にしたメディア向け報告会を開催した。 - モノタロウが配送日時の指定サービスを開始 置き配や翌日配送も拡大へ
MonotaROは、ヤマト運輸との連携を強化し、配送日時指定サービスを開始した。さらに、既に実施している置き配サービスや翌日配送エリアの拡大、土日配送の広域展開にも取り組み、サービスの充実を図る。 - 自動倉庫や配膳型ロボットで工場内搬送を自動化、ソフトバンクロボティクスが提案
ソフトバンクロボティクスは「第7回 工場設備・備品展」に出展し、高密度自動倉庫システムである「AutoStore」や、配膳ロボットなどにより工場内の倉庫/搬送業務の自動化を実現する各種ソリューションをアピールした。