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あら不思議、被せるだけで音が静かに PxDTが音響メタマテリアル通気遮音材を提案ものづくり ワールド[東京]2024

ピクシーダストテクノロジーズ(PxDT)は「第29回 機械要素技術展」に出展し、音響メタマテリアル技術を応用した同社独自の遮音技術、吸音技術について訴求していた。

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 ピクシーダストテクノロジーズ(以下、PxDT)は「第36回 ものづくり ワールド[東京]」(会期:2024年6月19〜21日/会場:東京ビッグサイト)の構成展の1つである「第29回 機械要素技術展」に出展し、音響メタマテリアル技術を応用したPxDT独自の遮音技術、吸音技術について訴求していた。

 PxDTは音や光を自在に操る波動制御をコア技術に、課題解決型の製品開発を展開するスタートアップで、筑波大学 准教授でメディアアーティストの落合陽一氏が代表取締役会長CEO(最高経営責任者)を務めている。

第29回 機械要素技術展に出展したPxDTの展示ブースの様子
第29回 機械要素技術展に出展したPxDTの展示ブースの様子[クリックで拡大]

 遮音技術の展示では、入射音に対して共鳴構造で逆位相音波を発生させてノイズキャンセリングを行い、通気性と遮音性を両立できるダクト型の音響メタマテリアル通気遮音材を紹介。内部にBluetoothスピーカーを配置した透明の筒状の容器を空調ダクトや産業用ファンなどに見立て、スピーカーから発せられる音(騒音を想定)を、ダクト型の音響メタマテリアル通気遮音材で打ち消すことができる様子をデモンストレーションしていた。

 「内側にあるスリットの内部に空洞があり、この大きさに応じて特定の周波数で共鳴するようになっており、逆位相の波形が生じて音を打ち消してくれる。まだ研究開発の段階だが、空調ダクトや産業用ファンの騒音対策など、フタをしてふさぐことができないような、通気性が求められる領域への応用が期待できる」(説明員)

ダクト型の音響メタマテリアル通気遮音材(1)ダクト型の音響メタマテリアル通気遮音材(2) ダクトやファンへの実装を想定した展示デモ。ダクト型の音響メタマテリアル通気遮音材(画像左の赤色○部)により、6500Hzの音を最大15dB低減できるという[クリックで拡大]
こちらはドライヤーへの実装をイメージしたもの。ダクト型の音響メタマテリアル通気遮音材により、15000Hzの騒音を10dB低減できるという
こちらはドライヤー(赤色矢印部)への実装をイメージしたもの。ダクト型の音響メタマテリアル通気遮音材により、1万5000Hzの騒音を10dB低減できるという[クリックで拡大]

 吸音技術については、音響メタマテリアル技術にPxDT独自の吸音設計技術を応用して開発された吸音材「iwasemi(イワセミ)シリーズ」を訴求。人の声に多く含まれる500〜1000Hzの周波数帯に特化した吸音構造設計が施されており、会議室などの壁面に張り付けることで音の反響を抑えてくれる。「一般的な既存の吸音パネルは柔らかいフェルトやウレタン素材のものが多いが、われわれは樹脂などの硬質素材に吸音構造を付加できる。透明なものも作れるため、ガラスの壁/パーティションに張り付けても透明性を保ったまま違和感なく利用できる」(説明員)という。

iwasemi RC-αiwasemi HX-α (左)「iwasemi RC-α」。バイオプラスチックを採用し高い透明度を実現。内部に大きさの異なる空間が設けられており、それぞれが特定の周波数帯を担い、音を吸収するという/(右)「iwasemi HX-α」。こちらはPxDTとイトーキとの共同開発品となる

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