構造で減音するマスク型デバイス 若年層の声から生まれた「Privacy Talk」:小寺信良が見た革新製品の舞台裏(31)(1/4 ページ)
マスク型の装着型減音デバイス「Privacy Talk」をご存知だろうか。キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)内の企業内起業で発足した「ichikara Lab」がゼロから企画した製品だが、なぜこうしたデバイスが出来上がったのか。開発の経緯や狙いについて、担当者に話を聞いた。
「Privacy Talk(MD-100-GY)」という製品をご存じだろうか。マスク型のデバイスで、キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)の商品サイトでは「オンラインコミュニケーションをサポートする装着型減音デバイス」として紹介されている。2023年の10月にMakuakeで先行販売を開始し、2024年2月から一般発売された。
マスクの中身は口を覆うように装着する、密閉型マイクユニットだ。そこから有線のイヤフォンが伸びている。USB Type-CでPCなどに直結できるほか、Bluetooth接続にも対応している。
製品を企画したのは、キヤノンMJ内の企業内起業として発足した「ichikara Lab」だ。若年層のマーケティング強化と、新たな顧客層へのリーチを目的とした新規商品やサービスの企画/開発を担うチームで、これまでミニフォトプリンタのマーケティングなどを行ってきた。今回のPrivacy Talkはichikara Labが初めてゼロから企画し、商品化した製品だ。販売戦略からアフターサポートまでの全てを担当している。
同じような製品があったのでは……と思った方はなかなか鋭い。口を塞いで外に声が漏れないようにしゃべれる製品としては、岩佐琢磨氏率いるShiftallの「mutalk」があった。こうした製品をなぜ、キヤノンMJも手掛けたのか? と疑問がわいてくるところだ。
そこで今回は「Privacy Talk」を企画/開発した2人にお話しをうかがうことにした。製品の技術的な部分を担当した同社 コンスーマ営業統括本部 コンスーマ新規ビジネス企画部の前田諒氏と、商品企画および販売戦略を担当する岩川舞夢氏だ。
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