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乗用車メーカーのコロナ禍からの生産回復に陰り、認証不正が影響自動車メーカー生産動向(3/3 ページ)

回復が続いていた日系自動車メーカーの生産だが、ここにきて陰りを見せている。乗用車メーカー8社の2024年2月の世界生産台数は、スズキを除く7社が前年割れとなり、8社合計では13カ月ぶりに減少した。

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三菱自動車

 三菱自の2月のグローバル生産台数は、前年同月比3.4%減の8万7233台と2カ月ぶりのマイナスだった。海外生産が低迷しており、同11.0%減の4万1768台と2カ月ぶりの減少。主要地域の東南アジアは、最大拠点を構えるタイが同1.7%減と伸び悩んだ他、インドネシアが同27.3%減と大幅に減少した。2023年4月から生産を停止した中国のマイナスもあり、アジアトータルでは同12.7%減と2桁パーセントのマイナスだった。

 国内生産は、前年同月比4.9%増の4万5465台と2カ月連続のプラス。新型車「デリカミニ」が高い人気を集めており、国内販売の4割超を占めるなど国内生産全体を押し上げている。ただ、軽自動車EV「eKクロスEV」は大きく台数を落とした他、輸出も同1.6%減と2カ月連続で減少した。

ダイハツ

 認証不正の影響が続いているダイハツは、一部の国内生産が再開されたこともあり、2024年1月より順位を1つ上げて7位だった。2024年2月26日からダイハツ九州大分工場(大分県中津市)で「ミライース」「ハイゼットカーゴ」など10車種の生産を再開したものの、国内生産は前年同月比91.7%減の6692台となり、5カ月連続で前年実績を下回った。

 海外生産は、前年同月比9.6%減の6万5646台で、4カ月連続のマイナスだった。マレーシアは同13.7%増と伸長したものの、インドネシアが需要減退などにより同23.1%減と低迷した。その結果、2月のグローバル生産は、同52.7%減の7万2338台と6カ月連続で減少した。

 なお、ダイハツでは、着々と稼働再開の動きが進んでいる。2024年3月は、18日から滋賀工場(滋賀県竜王町)での「ロッキー」およびOEM(相手先ブランドによる生産)車のトヨタ「ライズ」のガソリンモデルと、スバル「レックス」の生産を再開。さらに同じく滋賀工場では同年4月10日から国内の主力モデルである軽自動車「タント」とOEM車のスバル「シフォン」も再開した。また、「トール」とOEM車のトヨタ「ルーミー」、スバル「ジャスティ」も、同月19日から生産を再開している。軽自動車「タフト」と「コペン」についても、同年5月6日にタフト、5月7日にコペンの生産再開を予定。これにより国内で生産する現行モデル全てが再開されることになる。

スバル

 好調だったスバルだが、工場での事故により稼働停止を余儀なくされた。2024年2月13日に矢島工場(群馬県太田市)で崩れた金型に男性社員が挟まれて死亡する事故が発生した。これにより矢島工場の他、本工場(同)と大泉工場(群馬県大泉町)も稼働を停止した。26日には3拠点全ての稼働を再開したが、2月の国内生産は前年同月比27.4%減の2万3741台と大幅減となり、2カ月ぶりに前年実績を下回った。

 一方、海外生産は好調を維持している。唯一の海外拠点である米国生産は、前年同月比26.4%増の3万6258台と13カ月連続で増加。とはいえ、主力拠点の群馬製作所の減産をカバーするには至らず、2月のグローバル生産台数は、同2.3%減の5万9999台と13カ月ぶりのマイナスとなった。

→「自動車メーカー生産動向」のバックナンバーはこちら

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