ホンダは2023年12月8日、低圧燃料ポンプの不具合に関するリコールを国土交通省に届け出た。対象となるのは、2017年6月20日〜2020年9月21日に生産された合計113万8046台だ。過去5回にわたってリコールを届け出ていたが、検証を進めた結果、対象を拡大する必要性が判明したとしている。
該当するのは、軽自動車の「N-BOX」「N-VAN」「N-WGN」「N-ONE」「S660」の他、「フィット」「フリード」「ヴェゼル」「ステップワゴン」「シャトル」「オデッセイ」「グレイス」「ジェイド」「シビック」「アコード」「CR-V」「クラリティ」などの合計25車種だ。市場での不具合件数は394件。なお、同日にホンダオブアメリカも低圧燃料ポンプが原因で「NSX」のリコールを届け出ている。
不具合が起きる低圧燃料ポンプはインペラ(樹脂製羽根車)の成形条件が不適切なため、樹脂密度が低くなり燃料によって膨潤して変形することがある。インペラがポンプカバーと接触して燃料ポンプが作動不良となり、走行中エンストに至る恐れがある。全車両、低圧燃料ポンプを対策品と交換する。
ブレーキオペレーティングシミュレーターの改善対策も
ホンダは同日、ブレーキオペレーティングシミュレーターの改善対策も届け出た。電動サーボブレーキシステムのブレーキオペレーティングシミュレーターの製造工程が不適切なため、製造時に使用する組み付け油が圧力センサー内に浸入することがある。そのため、センサーの抵抗部が腐食して出力値が異常となる。警告灯が点灯するとともに、フェイルセーフが働いてブレーキペダルの操作力が増大する恐れがある。
2018年7月2日〜2022年3月1日に生産された14車種52万5568台が対象となる。タイで生産されている「アコード」(6625台)でも同様の改善対策を届け出ている。これらは改善対策を2023年3月31日に届け出ているが、新たな原因が判明したため改善内容を変更して再度届け出を行った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- アウディとポルシェのEVがリコール、シーラントの塗布量が不足
フォルクスワーゲングループジャパンとポルシェジャパンは国土交通省にリコールを届け出た。対象となるのはアウディの「e-tron GT」とポルシェの「タイカン」で、どちらも電気自動車だ。 - 豊田自動織機が排ガス認証不正の対象フォークリフトをリコール
豊田自動織機は、2023年3月17日に公表したフォークリフト用エンジンにおける排出ガス国内認証に関する法規違反に関して、対象エンジンを搭載したフォークリフト2車種12型式のリコールを発表した。 - スターターのボルトに経年で緩み、「シエンタ」など23万台リコール
トヨタ自動車は始動装置に不具合があるとして国土交通省にリコールを届け出た。 - bZ4X/ソルテラのリコールで恒久対策、ハブボルトが緩む問題で
トヨタ自動車は2022年10月6日、国土交通省へ同年6月にリコールを届け出たEV(電気自動車)「bZ4X」と兄弟車のスバル「ソルテラ」について、恒久対策を届け出た。 - 「ヤリス」など4万5000台リコール、防錆油でインプットダンパーに異常な滑り
トヨタ自動車は2020年12月16日、「ヤリス」「ヤリス クロス」のリコールを国土交通省に届け出た。 - 自動車業界の上期決算発表がスタート/燃料ポンプで大規模リコール
みなさんこんにちは。金曜日です。初めての試みですが、自動車業界の1週間の出来事を振り返れるような記事を載せてみようかと思い、このようなコーナーを始めました。メールマガジンの編集後記のような、ゆるくふわっとしたトーンでやっていきます。週末なので軽い気持ちで「こんな記事も出ていたんだな」と思っていただけるととてもうれしいです。 - 2018年度のリコール件数は過去2番目の多さ、制御プログラムの不具合が影響大
国土交通省は2019年4月12日、2018年度のリコール届け出について、件数と台数の速報値を発表した。届け出件数は、国産車が前年度比26件増の230件、輸入車が同5件増で過去最多の178件となり、合計408件に上った。合計では過去2番目に多い届け出件数となる。