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竹を素材に活用した紙容器を開発、バガスを配合し柔軟性を付与材料技術

TAISEIは、「第3回 【国際】サステナブルグッズEXPO」で、竹を素材に用いた紙「TAISEI バンブーペーパー」と化粧品向けの紙製トレー「ペーパープレス」を披露した。

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 TAISEIは、「第18回 ライフスタイルWeek【夏】」(2023年7月19〜21日、東京ビッグサイト)内の「第3回 【国際】サステナブルグッズEXPO」に出展し、竹を素材に用いた紙「TAISEI バンブーペーパー(以下、バンブーペーパー)」と化粧品向けの紙製トレー「ペーパープレス」を参考出品した。

 バンブーペーパーは、糖汁を絞った後のさとうきびの茎や葉などの残渣「バガス」と竹のパルプ(製紙に用いるために分離した植物繊維)で構成される紙素材だ。バガスを組み合わせることで竹素材のみでは得られない柔軟性を紙に付与しているという。さらに、大気中のCO2を吸収する竹を素材に用いているため、ライフサイクル全体で見た場合のCO2排出量の削減にも効果がある。バンブーペーパーでは白と竹の質感を感じられる茶「見晒(ざら)し」の2色を用意している。


「TAISEI バンブーペーパー」のコーナー[クリックで拡大]

「TAISEI バンブーペーパー」を素材に用いた紙袋や紙容器[クリックで拡大]

 TAISEIの説明員は「竹は成長速度が速く、短期間で生成可能な生産性の高い植物だ。しかし、国内では竹が素材として有効活用されていない。竹が身近な素材である中国でも、現在の竹林蓄積量に対する竹の利用量が20%前後で、多くの竹が余っている。そこで、TAISEIでは、製紙会社に竹パルプとバガスを配合したバンブーペーパーを生産してもらい、それを用いて化粧箱や紙管などを生産する体制を構築した」と話す。

 ペーパープレスは、TAISEIと韓国のパッケージメーカーが共同開発した紙製トレーで、2枚の紙生地を重ね、金型でプレス(熱圧着)して形状が作られている。化粧品容器などをのせても形状を保つ強度を持つ他、印刷にも対応し高級感を演出できる。また、大ロット生産と多品種小ロット生産に応じるという。

 TAISEIの説明員は「現在、化粧品容器のトレーは大半がプラスチック製だが、これをペーパープレスに置き換えることで脱プラを推進できる。これによりプラスチックの生産に伴うCO2排出量の削減にもつながる」とコメントした。なお、両製品ともに今回の展示ではニーズの調査を目的としており、需要を踏まえて生産の本格化などを検討するという。


「ペーパープレス」[クリックで拡大]

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