この記事は、2022年11月8日発行の「製造マネジメント メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
先日、ヤマチクという熊本県の竹箸メーカーを取材しました。同社の竹箸は、竹材特有の軽さやしなやかさなど素材のメリットを生かしつつ、独自の構造的工夫を加えた製品となっています。実は、筆者も同社の箸製品を使っていまして、食材のつまみやすさなど箸自体がとても扱いやすいところが気に入っています。
取材のきっかけになったのは、ヤマチクが新たに掲げた目標についてのリリースでした。同社は2027年までに、竹1本当たりの仕入れ価格を現在の800円から1200円まで引き上げるとしています。多くの企業は基本的に、原材料の仕入れ価格はできるだけ抑えたいはずですが、なぜ自らコストを上げるようなことをするのでしょうか。
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