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カシオが「PRO TREK」のベゼル部に植物由来のバイオエンプラを採用:材料技術
三菱ケミカルグループは、カシオ計算機が2022年8月5日に販売開始したアウトドア用腕時計「PRO TREK PRG-340」のベゼル部に、同グループのバイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO」が採用されたことを発表した。
三菱ケミカルグループは2022年8月1日、カシオ計算機が同年8月5日に販売開始したアウトドア用腕時計「PRO TREK PRG-340」のベゼル部に、三菱ケミカルグループのバイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO(デュラビオ)」が採用されたことを発表した。「DURABIOが時計部品に採用されたのはこれが初めて」(プレスリリースより)だという。
DURABIOは、再生可能な植物由来原料の「イソソルバイド(イソソルビド)」を用いて作られるバイオエンジニアリングプラスチックである。枯渇資源である石油の消費量を削減できる上に、原料となる植物が成長過程で二酸化炭素(CO2)を吸収するため、温室効果ガスの低減にも貢献するとしている。
従来の一般的なエンジニアリングプラスチックと比較して、DURABIOは耐衝撃性、耐候性、耐熱性などの点で優れた性能を有する他、深みのある黒を表現できる漆黒性や細部の加工を実現する成形性など、意匠性の高さも特長となっている。これらの特性がカシオ計算機の「PRO TREKシリーズ」のブランドコンセプトと合致し、採用に至った。
腕時計のベゼル部に三菱ケミカルグループのバイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO」が採用されている。DURABIOが時計部品に採用されたのはこれが初めてだという[クリックで拡大] 出所:三菱ケミカルグループ/カシオ計算機
DURABIOは、自動車の内装/外装部品、ヘルメットなどにも採用が広がっており、三菱ケミカルグループは今後もさらなる用途拡大に向けて注力していくという。
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