JINSがサングラスにバイオプラスチック素材を採用、新構造で分解・分別も容易に:サステナブル設計
ジンズは、サングラスブランド「JINS&SUN」において“同社初”となるフレーム部にバイオプラスチック素材を使用した新シリーズ「CLASSIC」の販売を開始した。従来のアセテート素材よりも微生物による生分解度が高いバイオプラスチック「M49」を採用。「木組み」から着想を得た丁番フロント構造によって、単一素材に分解・分別できる。
メガネブランド「JINS」を運営するジンズは2021年5月27日、同年4月から展開するサングラスブランド「JINS&SUN」において、“同社初”となるフレーム部にバイオプラスチック素材を使用した新シリーズ「CLASSIC」の販売開始を発表した。
フレーム形状は「ボストン」「ウエリントン」「サーモント」の3型をラインアップし、それぞれ3種類のサングラスレンズを用意する(3型9種)。販売価格(税込み)は5500円。「環境の日(6月5日)」に先駆け、同年5月27日からJINSの一部店舗およびオンラインショップで販売を開始する。
JINS&SUNは、“EVERYDAY EYE WEAR”をコンセプトに掲げ、サングラスの民主化を目指して立ち上げたサングラスブランドだ。今回新たに投入されたCLASSICは、クラシカルで高感度なデザインに、これからの時代のための新しい素材や技法を付加価値として提案するもので、“今”という時代の価値観を体現できるコレクションとなっている。
環境への配慮と品質を両立、長く愛用できるサングラスの実現へ
CLASSICの最大の特長は、植物を主原料とし、従来のアセテート素材よりも微生物による生分解度が高いバイオプラスチック「M49」を、フレーム部に使用している点だ。
M49は、コットンや木材パルプ繊維といった植物由来の再生可能資源から得られる材料をベースに製造されたセルロースアセテート材料で、イタリアの老舗アイウェア生地メーカーMAZZUCCHELLI(マツケリ)が開発。環境面への配慮だけでなく、美しい光沢と透明感、心地よい手触りと滑らかな表面など、美観性を兼ね備えた高品質素材であり、軽量樹脂素材では難しい奥行きのある色の深みやツヤの経年変化を楽しむことができる。
ジンズにとって、バイオプラスチック素材を使用したサステナブルな商品の販売は初めてであり、環境への配慮と品質を両立させつつ、幅広い世代が手に取りやすい価格に設定したとしている。
CLASSICは、日本の伝統技術である「木組み」から着想を得た丁番フロント構造を新たに採用し、単一素材に分解、分別することが可能。分別リサイクルの実現に加えて、細かく分解できることで、これまでにない細かなメンテナンスを実現し、製品の長期利用に貢献する。
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