パナソニックとアサヒビールが共同開発するタンブラーがより環境に優しく:材料技術
パナソニックとアサヒビールは、高濃度セルロースファイバー成形材料を原材料とする飲料容器「森のタンブラー」をリニューアルし、成形材料に含まれるセルロースファイバー(CeF)の使用比率を従来の55%から70%に引き上げ、プラスチック使用量を削減すると発表した。
パナソニックとアサヒビールは2021年3月8日、パナソニックが開発する「高濃度セルロースファイバー成形材料」を原材料とする飲料容器「森のタンブラー」をリニューアルし、成形材料に含まれるセルロースファイバー(CeF:Cellulose Fiber)の使用比率を従来の55%から70%に引き上げ、プラスチック使用量を削減すると発表した。
森のタンブラーは“使い捨てしない”飲料容器として、両社が2019年から開発しているエコカップだ。原材料には、パナソニック マニュファクチャリングイノベーション本部が開発する、間伐材などの木材から精製したパルプ成分を含有するCeFと樹脂を複合化した、高濃度セルロースファイバー成形材料を使用している。
プラスチック使用量を削減し、環境負荷のさらなる低減に貢献
今回、パナソニックが高濃度セルロースファイバー成形材料におけるCeFの使用比率を従来の55%から70%に引き上げ、高濃度添加することに成功したことを受け、同技術を森のタンブラーに適用した。これにより、森のタンブラー1個当たりのプラスチック使用量が5.44g削減し、樹脂の使用比率が従来の45%から30%へと引き下がることで、環境負荷のさらなる低減に貢献する。
また、セルロースファイバーの70%高濃度添加が実現したことで、森のタンブラーの手触りや外観の質なども向上し、木材のようなマットで自然な風合いがこれまで以上に感じられるという。
リニューアルした森のタンブラーは、2021年夏ごろからオンラインショップなどで販売を開始する予定だ。これに先駆け、同年3月8日から天王洲の複合施設「TENNOZ Rim」内の飲食店KITEN TOKYOで、新しい森のタンブラーを用いたドリンクメニューの一部提供を開始し、耐久性などを検証するとしている。その他、千葉大学構内のカフェでのテスト展開や、日吉台幼稚園・保育園(千葉県)での採用も計画されている。
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