パナソニック新体制の3Q決算は厳しい船出、前年反動と原材料価格高騰で大幅減益:製造マネジメントニュース
パナソニックが2021年度第3四半期の連結決算を発表。第3四半期単独では、売上高が前年同期比4%増の1兆8898億円、調整後営業利益が同39%減の875億円、営業利益が同44%減の730億円、税引前利益が同42%減の736億円、当期純利益が同48%減の426億円となった。
パナソニックは2022年2月2日、2021年度(2022年3月期)第3四半期(10〜12月期)の連結決算を発表した。第3四半期単独では、売上高が前年同期比4%増の1兆8898億円、調整後営業利益が同39%減の875億円、営業利益が同44%減の730億円、税引前利益が同42%減の736億円、当期純利益が同48%減の426億円となった。
同社は2021年10月1日から、2022年度の持ち株会社制移行に向けた仮想的な組織体制に移行している。今回の第3四半期決算からは、持ち株会社制における7事業会社を軸に、くらし事業、オートモーティブ、コネクト、インダストリー、エナジーなどの新たなセグメントで分けて発表を行った。
第3四半期の売上高は、前年度の国内巣ごもり需要の反動が大きかったくらし事業と、前年同期の自動車生産回復が反動になったオートモーティブが減収となったものの、インダストリーやエナジーの販売増と、2021年9月に買収を完了したブルーヨンダー(Blue Yonder)の新規連結効果もあり前年同期比で増収となった。一方、調整後営業利益については、インダストリーとエナジーの増販益はあるものの、くらし事業を中心に原材料高騰が影響するとともに、ブルーヨンダー買収時の資産・負債の再評価に伴う影響もあり大幅な減益となった。
半導体不足や原材料価格高騰による利益押し下げ影響は、第2四半期時点で約1000億円としていたが、第3四半期にはさらに拡大し約1300億円となっている。パナソニック 取締役 専務執行役員 CFOの梅田博和氏は「インダストリーセクターなどではコスト増に合わせた価格改定を第3四半期〜第4四半期に進めており、1300億円の3分の1程度は価格転嫁できている。くらし事業などでも、適宜価格改定を進めていきたい」と語る。
2021年度の連結業績見通しは、売上高は前回予想と同じ7兆3000億円ではあるものの、調整後営業利益は前回予想比8.7%減の3650億円に下方修正した。ただし、資産売却によってその他損益が350億円の増益となるため、営業利益は前回予想と同じ3700億円で変更はない。
新型電池「4680」の試作ラインを立ち上げ、ブルーヨンダーも好調
エナジー社で開発を進めているテスラ(Tesla)向けの新型電池「4680」については、和歌山工場(和歌山県紀の川市)を改修する形で量産に向けた検証ラインを構築する計画だ。この量産検証ラインに先駆ける形で、2022年度の早い段階で試作ラインの立ち上げを目指す。「性能要求を満たす試作品は出来上がっており、開発のマイルストーンはおおむね予定通り進捗している」(梅田氏)という。
また、買収を完了したブルーヨンダーについては「重要指標としている、売上高に占めるリカーリングサービスの比率であるリカーリング比率が当初想定を少し上回って推移している。2021年度の着地も想定以上になる見込み」(梅田氏)とするなど業績は好調だ。
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