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空調換気や車載電池など脱炭素を加速、パナソニックが「GREEN IMPACT」推進脱炭素

パナソニックは2022年1月6日、サステナビリティ経営に関する同社グループ全体の取り組みと、今後の方針に関する説明会を開催した。本稿では、いわゆるESG(環境、社会、ガバナンス)の観点の内、脱炭素など環境に関する同社の取り組みを抜粋して紹介する。

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 パナソニックは2022年1月6日、サステナビリティ経営に関する同社グループ全体の取り組みと、今後の方針に関する説明会を開催した。本稿では、いわゆるESG(環境、社会、ガバナンス)の観点の内、脱炭素など環境に関する同社の取り組みを抜粋して紹介する。

2050年までにスコープ1、2の排出量はゼロ化

 パナソニックグループのバリューチェーン全体でのCO2排出量は、2020年にはグローバルで約1.1億トンに達した。これは世界の電力消費由来のCO2排出量(2018年時点)の約1%に相当するという。同社グループは今後、くらしや街、モビリティ、サプライチェーン分野の活動や製品を通じたCO2排出量削減を目指す、環境コンセプト「Panasonic GREEN IMPACT」を推進し、削減に向けた具体的なアクションを展開していく予定だ。GHGプロトコルにおけるスコープ1、2のカテゴリーでは、2050年までに実質ゼロ化を目指し、グループ全体の排出量の約86%を占めるスコープ3においても削減を進める。


「Panasonic GREEN IMPACT」を推進[クリックして拡大] 出所:パナソニック

 パナソニック 代表取締役 社長執行役員の楠見雄規氏は「パナソニックグループの事業領域全体で脱炭素を加速して、エネルギー使用量を徹底して削減する。サーキュラーエコノミ―の考え方も積極的に取り入れ、商品ライフサイクル全体を通じたCO2排出量削減を加速する」と語った。

廃棄樹脂のリサイクルも加速

 説明会では同社の展開する事業内容に沿って、各分野でどのような取り組みを推進するかも紹介した。照明分野では同社の研究によって、空間の「明るさ感」を指標化し、光制御技術などを活用することで、部屋内の快適性を損なうことなく消費電力を最大で30%程度削減する仕組みづくりを進める。

 空調/換気機器分野では、技術革新や機器同士の連携を最適化することで、2030年までに約40%の消費エネルギー量削減を目指す。換気時の熱ロス低減や、機器連携で使うエネルギー消費量の最小化に取り組む。


照明分野、空調/換気機器分野の省エネ化[クリックして拡大] 出所:パナソニック

 自動車分野では、EV(電気自動車)向けの車載電池について、容量/コスト/供給力の面で競争力を強化するとした。テスラ(Tesla)向けに開発を進める新型電池セル「4680」についても品質と安全性を高めつつ、「生産力向上によって業界をリードするコスト力を実現していく」(楠見氏)としている。競争力強化によってEVなど環境対応車の普及拡大に貢献するとともに、電池のリサイクルなども含めた環境負荷低減に本格的に取り組む。

 水素による再生エネルギー活用拡大を目指すソリューション展開にも取り組む。2022年の春ごろから、燃料電池などを生産する滋賀県の草津工場で、純水素型燃料電池、太陽光発電システム、リチウムイオン蓄電池を組み合わせたRE100ソリューションの実証実験を開始する予定だ。


車載電池、水素による再生可能エネルギー活用拡大ソリューションも展開[クリックして拡大] 出所:パナソニック

 また、サーキュラーエコノミー実現に向けた取り組みの1つとして、廃棄樹脂の再利用化も進める。樹脂はパナソニックが生産する家電製品にも多く使われている。こうした製品の廃棄時に、同社の独自技術で純度99%以上の樹脂を選別する。その上で、添加剤の付加や素材調合によって、新製品に活用できる再生樹脂として、機能と寿命の回復を行う。同社では取り組みを通じて、2014年から2020年までの7年間で、約11万トンの再生樹脂を新製品に活用してきたという。

 2022年度以降の脱炭素など環境領域での展開について、楠見氏は「当社は2022年度から、サステナビリティ経営を基軸とした新しい中長期戦略に移行する。事業会社によっては10年先の社会課題や環境課題の解決を目標にする。目標達成に向けた戦略仮説と、それを具現化する施策について議論を重ねて、実行可能なものからスピード感を持って展開していく」と語った。

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