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パナソニックは減収減益も低収益事業からの脱却にめど、津賀体制の有終は手堅く製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

パナソニックは2021年5月10日、2020年度(2021年3月期)連結業績を発表した。売上高は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で減収となったものの、2020年度第3四半期決算時に発表した修正公表値を上回る着地となり調整後営業利益では増益を達成。同年6月に代表取締役社長を退任する予定の津賀一宏氏による体制では最後の決算発表となるが掲げてきた「低収益事業からの脱却」に一定のめどが立った形となる。

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 パナソニックは2021年5月10日、2020年度(2021年3月期)連結業績を発表した。売上高は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で減収となったものの、2020年度第3四半期決算時に発表した修正公表値を上回り調整後営業利益では増益を達成。同年6月に代表取締役社長を退任する予定の津賀一宏氏による体制では最後の決算発表となるが、掲げてきた「低収益事業からの脱却」に一定のめどを付けた形となる。

調整後営業利益以外は減収減益も見込み値は達成

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パナソニック 取締役 専務執行役員 CFOの梅田博和氏

 パナソニックの2020年度連結業績は、売上高が前年度比11%減の6兆6988億円、調整後営業利益が同7%増の3072億円、営業利益が同12%減の2587億円、税引き前利益が同10%減の2608億円、当期純利益が同27%減の1651億円となった。COVID-19の影響により、調整後営業利益を除いて全ての経営指標でマイナスとなったが、2021年2月に発表した予測値(売上高6兆6000億円、調整後営業利益3000億円、営業利益2300億円、税引き前利益2300億円、当期純利益1500億円)に対しては、全項目で上回っており、回復傾向が鮮明であることを示した。

 2020年度におけるCOVID-19におけるマイナス影響は、売上高で5600億円、営業損益で1350億円あったという。2020年度連結業績について、パナソニック 取締役 専務執行役員 CFOの梅田博和氏は「2021年2月の前回予想が保守的だったという見方もあるが、2020年度はオフィスの在り方なども含め、働く環境が大きく変化する中、こうした事態に対応する手を打ちながらさまざまな施策を進めた。その中で経営面での数値を達成するという点においては、必ずしも保守的だったわけではない」と語っている。

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パナソニックの2020年度連結業績(クリックで拡大)出典:パナソニック

 セグメント別では、事業ごとの明暗が分かれる結果となっている。家電などを中心としたアプライアンス(AP)セグメントでは、巣ごもり需要で白物家電製品が堅調だった一方、テレビやデジタルカメラなどのスマートライフネットワーク製品は販売が振るわず減収となっている。ただ、白物家電の好調と、その他事業の原価低減により損益面では増益となっている。テレビ事業については、通年で黒字化は達成したものの継続的に構造改革を推進。生産拠点については、メキシコ、国内の宇都宮、インド、ベトナムの工場でのテレビ生産を終息させ、マレーシア、チェコ、台湾、ブラジルの4拠点に絞り込んだ。また、包括的な他社協業についての交渉を進めているという。

 車載機器や車載電池を扱うオートモーティブ(AM)セグメントは、コロナ禍で第1四半期の自動車減産の影響から減収となったが、車載機器の固定費削減や車載電池の材料合理化で増益となった。同セグメントは、第2四半期以降は黒字化しており年間でも黒字化を達成したという。懸念のテスラ向け車載電池についても「2020年度通年で黒字化を達成した」(梅田氏)。電子部品を扱うインダストリアルソリューション(IS)セグメントは、半導体事業譲渡や米中貿易摩擦の影響により減収となったが、コンデンサーや蓄電システム、産業用モーターなどの好調や半導体事業の構造改革効果で増益となった。

 一方で、空調事業などを展開するライフソリューションズ(LS)セグメントや、アビオニクス事業の落ち込みが大きいコネクティッドソリューションズ(CNS)セグメントは減収減益となり、厳しい結果となっている。

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パナソニックの2020年度のセグメント別業績(クリックで拡大)出典:パナソニック

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