ロボットの“腕”と“足”を強化、ASPINAがロボット向け薄型モーターを発売:産業用ロボット
ASPINA(シナノケンシ)は2021年11月9日、ロボティクス領域での製品展開拡充に向け、ロボット向けの薄型モーター2種類を開発し、同年11月中旬から販売受付を開始すると発表した。
ASPINA(シナノケンシ)は2021年11月9日、ロボティクス領域での製品展開拡充に向け、ロボット向けの薄型モーター2種類を開発し、同年11月中旬から販売受付を開始すると発表した。
ASPINAでは、独自の高精度モーター技術などを生かし2019年から協働ロボットのハンド市場に参入。また、2021年6月には同様に自律走行搬送ロボット(AMR)に参入する発表も行っており、協働ロボットを中心としたロボティクス領域の強化に積極的に取り組んでいる。
今回はその中で、ロボットの“腕”と“足”の強化につながる、薄型モーターを新たに開発した。開発したのは、「車輪駆動用薄型インホイールモータ」および「関節用薄型中空ブラシレスモータ」である。
「車輪駆動用薄型インホイールモータ」は、高効率で耐久性の高いブラシレスDCモーターを採用した電動ホイール(車輪)と専用ドライバを組み合わせ、ロボットや電動アシスト台車のバッテリー駆動に最適な車輪駆動ユニットである。φ150ダイレクトドライブとφ200減速機+電磁ブレーキ一体型の2タイプを準備している。
φ200タイプでは幅128.5mm、φ150タイプでは幅73mmと、通常の台車の車輪と同程度の幅で、車輪の中にブラシレスモーターを内蔵した薄型構造を実現した。これは、コア技術でもある高密度巻線技術と最適な磁気回路設計によって高効率、高トルク化を行い、体積そのものを低減できたことが要因の1つとなる。もう1つが、機械設計やメカの擦り合わせ技術によって、車輪駆動部の薄型化を実現している。
耐久性も確保し、φ200タイプでは1モーター当たり250kg、φ150タイプでは1モーター当たり180kgの耐荷重を可能としている。また、防塵防滴仕様IP44により屋内外(建築現場などの半屋外)で利用可能としている。さらにφ200タイプは、歯車機構と電磁ブレーキを内蔵しているため、電源喪失時でも車輪側でブレーキが作動するフェールセーフ機能を備えている。用途としては、AGVやAMRに加え、軽労化を推進する運搬アシスト台車などでの使用を想定しているという。
「関節用薄型中空ブラシレスモータ」は、同社従来製品比50%の薄さと、関節部をスリム化できる大きな中空構造が特徴だ。産業ロボットから協働ロボットまで幅広い製品の小型化に活用できる。中空構造を生かしてケーブル配線やエアチューブを通すことができるため、完成品としてのロボットの設計自由度が高められる。モーター長(厚み)は50Wタイプでは27.6mm、100Wタイプでは33.9mm、150Wタイプでは40.2mmとなっている。
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