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先行き不透明でも手を打つ、バッテリー工場新設に希望退職、NSX生産終了自動車業界の1週間を振り返る(2/2 ページ)

さて、今週で日系乗用車メーカーの2022年3月期(2021年度)第1四半期(4〜6月)の決算が出そろいました。各社とも、前年同期の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響から回復しており、増収増益です。

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 また、ホンダはスポーツカー「NSX」の生産を2022年末で終了すると発表しました。これに合わせて、最終モデルとなる「Type S」が海外320台、日本国内30台の限定で販売されます。電動化などにリソースを集中させるためだと報じられています。

 NSXは1990年に初代がデビューし、2016年に2代目である現行モデルが登場しました。現行モデルは、3モーターのハイブリッドシステムを搭載した電動車でした。「レジェンド」にも3モーターのシステムを搭載していましたが、大幅に異なる構成です。

関連記事:新型「NSX」の3モーターハイブリッドシステムは「レジェンド」とどう違うのか

 取材をして記憶に残っているのは、骨格部品に「アブレーション鋳造」という自動車では初めて使われる技術を取り入れたという点です。アブレーション鋳造は、従来の手法よりもアルミニウムの組織が緻密になり、延性や機械特性が高くなるというメリットがあります。ただ、砂型を水で流す作業が必要で、NSXだからこそ使うことができたといえます。このほかにも、ピラーを極限まで細くするため、3次元熱間曲げ焼き入れで加工した超高張力鋼管を採用しました。車体骨格での採用は、当時「世界初」(ホンダ)でした。

関連記事:新型「NSX」は短いオーバーハングでどのように衝突安全性能を確保するか

 ホンダの早期退職募集を「世代交代」と表現した記事も見かけましたが、受け継がれるべき経験は社内にきちんと残っていってほしいですね。

夏休みにぜひ、やわらかめな記事いろいろ

 さて、夏休みモードで仕事に関する話題からは離れたいという方も多いかもしれません。ここまで読んでくださった方に、時期に合ったやわらかめの記事を幾つか紹介して、今週の振り返りをしめくくります。

 まずは、カーエアコンの仕組みをおさらいしましょう。コロナ禍でも、行き先を工夫すればソーシャルディスタンスを保ったまま、人との接触を最小限(あるいはゼロ)にしてお出かけすることができますので、クルマで移動するという方もいらっしゃるでしょう。この猛暑ではカーエアコンが不可欠ですので、ぜひ、冷たい風が出てくる仕組みに思いをはせながら運転してみてください。

 スポーツが注目を集める昨今だからこそ、競技でうまく体を動かすための流体解析について考えてみるのも面白いかもしれません。また、熱い体を効率的に冷やす方法を考えるのもよいでしょう。MONOistには、流体解析をやわらかく取り上げた記事がたくさんあるのです。

 不自由なことや、気を付けなければならないことが多い夏休みになってしまいましたが、そんな中でも、楽しく、リフレッシュできる時間をお過ごしください。

→過去の「自動車業界の1週間を振り返る」はこちら

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