米国政府にEVシフトも内燃機関への投資も求める!? 自動車の業界団体:自動車業界の1週間を振り返る(2/2 ページ)
1週間おつかれさまでした。新年度がスタートしましたね。エジプトのスエズ運河で座礁した大型コンテナ船が動き出しましたが、今度は台湾のTSMCの工場で火災が発生したようです。なぜこんなに良くない出来事が重なるのでしょうか……。
半導体とナイロン、安定供給が待ち遠しい
今週MONOistで公開した記事についても紹介します。自動車業界で供給不足が話題になっている2つの分野について、記事を公開しています。
1つは火災が発生したルネサスエレクトロニクスの那珂工場の復旧見通しに関する記事です(関連記事:ルネサス那珂工場は「順調に復旧」、出荷量が火災前に戻るのは6月末か)。焼損した設備の大部分が4月末までにそろえば、5月中旬ごろから出荷を再開し、6月末に火災前の出荷量に戻るとしています。代替生産についてもめどをつけています。
2つ目はナイロンに関する記事です(関連記事:ナイロン不足は長期化の見通し、ヘキサメチレンジアミンを使う他の素材への影響も)。ナイロンは、もともとの特殊な事情に加えて、半導体の供給不足と似た理由によって不足しています。今年は半導体や素材を取り合う1年になりそうですね……。
ドクターカーを燃料電池車にするというトヨタ自動車と熊本赤十字病院の取り組みも個人的には気になりました(関連記事:トヨタと熊本赤十字病院がドクターカーをFCVに、停電時に医療と給電を提供)。以前、MaaS(Mobility-as-a-Service)で医療に何ができるかを検討しているフィリップスに取材したのがきっかけです。
フィリップスはオンライン診療車両の開発を進めています。慢性期疾患(症状が比較的安定しているが長期の治療を必要とする、認知症、高血圧や糖尿病といった生活習慣病、関節リウマチや骨粗しょう症などの病気)の患者さんが経過観察や再診を受けやすくする上でモビリティとオンライン診療の組み合わせが効果的ではないかという考えです。
そうした車両があれば、中山間地域や病院まで遠いエリアに住む人にとって安心して生活する上でも役立ちます。医療×MaaS×電動車というコンセプトは、高齢化が進み、災害などによる停電の不安がついてまわる日本で需要が高まるのではないかと思います。
今週はこんな記事を公開しました
- 材料技術
- 車載半導体
- 電気自動車
- 燃料電池車
- バーチャルTECHNO-FRONTIER
- 車載ソフトウェア
- 工場ニュース
- 編集後記
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