施設の消費電力を再生可能エネルギー由来と証明するサービス、日立が運用開始:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
日立製作所は2021年1月22日、サービスや施設で利用する電力が実質的に100%再生可能エネルギー由来だと証明する新サービス「Powered by Renewable Energy」の運用を開始したと発表。サービスや施設内のセクターごとに電力消費量を算出できるなど、細かな粒度で再生可能エネルギーを測定できる点が強み。
研究開発拠点「協創の森」に適用
Powered by REは既に、日立製作所の研究開発拠点「協創の森」(東京都国分寺市)で導入されている。協創の森には最先端技術を開発する「小平記念館」、協業先などとコラボレーション開発を行う「協創棟」、試作品開発を担う「迅創棟」の3つがある。この内、実際に再生可能エネルギーの電力消費量をモニタリングするのは協創棟のみである。現状では協創の森全体の消費電力の内、約2割相当が再生可能エネルギー由来の電力だが、この供給量を協創棟の電力消費量が上回らない限りにおいて、協創棟の再生可能エネルギー利用率が100%であることが証明される、という理屈だ。
なお、同時例ではPowered by REをクラウドベースのシステムとして運用している。協創棟や迅創棟に設置した太陽高パネルの発電量(施設の「環境価値」)を管理するデータベースと、実際に電力消費量を算出するデータベースの2つを設置した。
世界中で進む脱炭素化の動き
現在、世界中でCO2排出量の実質ゼロ化を目指す、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みが活発に行われている。イギリスやEUでは2050年までに、温室効果ガス排出の実質ゼロ化を掲げており、中国も同じ目標を2060年までに達成すると発表した。米国では新政権のバイデン大統領がパリ協定の復帰を指示する大統領令に署名し、カーボンニュートラルを実現する意欲を見せた。国内では、2050年までのカーボンニュートラルの実現と、2030年半ばまでに新車販売を全て電気自動車(EV)などの環境対応車にする方針を菅政権が打ち出している。
こうした国内外の動向を背景に、日立製作所は2020年5月に発表した中間計画の中で「2030年度カーボンニュートラル宣言」を掲げ、日立グループの工場やオフィスを含めた脱炭素化に向けた取り組みを進めている。具体的には製品設計や製造プロセスの見直し、製造設備の省エネルギー化などに取り組んでいる。
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