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施設の消費電力を再生可能エネルギー由来と証明するサービス、日立が運用開始製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

日立製作所は2021年1月22日、サービスや施設で利用する電力が実質的に100%再生可能エネルギー由来だと証明する新サービス「Powered by Renewable Energy」の運用を開始したと発表。サービスや施設内のセクターごとに電力消費量を算出できるなど、細かな粒度で再生可能エネルギーを測定できる点が強み。

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 日立製作所は2021年1月22日、サービスや施設で利用する電力が実質的に100%再生可能エネルギー由来だと証明する新サービス「Powered by Renewable Energy(以下、Powered by RE)」の運用を開始したと発表した。サービスや施設内のセクターごとに電力消費量を算出できるなど、細かな粒度で再生可能エネルギーを測定できる点などが強みだ。

再生可能エネルギー由来の電力を100%使用していると証明

 Powered by REは、導入企業が提供する設備やサービスが、再生可能エネルギー由来の電力を利用したものだと証明するサービスである。

 例えば、EVを運用するタクシーサービスがあると仮定する。タクシーの動力源となる電力が再生可能エネルギー由来のものか、火力由来の電力であるかを、消費者である乗客が見分けることは困難だ。一方で、Powered by REを利用することで、タクシーが再生可能エネルギー由来の電力を100%動力源にしていることがデジタル的に証明できるようになる。

 証明された場合は、日立製作所が専用のマークを付与する。これによって、自社のサービスや設備が再生可能エネルギーを利用していることを、視覚的に訴求できるようになる。


カーボンニュートラルに向けた世界中の動向*出典:日立製作所[クリックして拡大]

 また、消費者はマークに記載されているQRコードをスマートフォンで読み取ることで、消費電力に関するより詳細な情報を取得できる。消費電力全体に対して再生可能エネルギー由来の電力が占める割合や、電力利用によるCO2の排出量などを調べることが可能だ。


QRコードから消費電力に関する情報を確認可能*出典:日立製作所[クリックして拡大]

日立製作所の青木雅博氏

 Powered by REが証明するのは、「受電点で受け取った再生可能エネルギーの総量が、サービスや施設で使用する消費電力を上回っている」という事実である。仮に、工場にPowered by REを導入すると、施設内の設備や生産ライン、各種サービスの消費電力量をPowered by REのシステムが個別にモニタリングして、その総和と施設に供給された再生可能エネルギー由来の電力量と比較する。供給量が消費量を上回っていれば、日立製作所からマークが付与されるということになる。日立製作所 未来投資本部 デジタルグリッドプロジェクトリーダ 青木雅博氏は、マークを付与することで「製品やサービスに対して消費者が環境的な価値が高いと気付きやすくなる。エンドユーザー視点で付加価値を付けられるのがメリットだ」と指摘する。

 また、「Powered by REはサービスや施設全体だけでなく、個別のセクターなどミクロレベルで再生可能エネルギーの利用状況を集計できる点が特徴だ。細かい粒度で可視化することで、例えばある材料が部品に加工され、装置に組み込まれ、システムとして製品化されるまでのバリューチェーン全体(スコープ3)でのCO2消費量を追跡して算出する上でも役立つ」と説明した。


施設内の各セクターで消費した電力量をモニタリング*出典:日立製作所[クリックして拡大]

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