三井住友海上が空飛ぶクルマで業務提携、ドイツのボロコプターと:製造マネジメントニュース
三井住友海上火災保険は2020年2月25日、“空飛ぶクルマ”を開発するドイツのVolocopter(ボロコプター)と業務提携に合意したと発表した。日系企業では初めてボロコプターと業務提携を結んだ。
三井住友海上火災保険は2020年2月25日、“空飛ぶクルマ”を開発するドイツのVolocopter(ボロコプター)と業務提携に合意したと発表した。日系企業では初めてボロコプターと業務提携を結んだ。
ボロコプターはシンガポールやドバイなどでデモフライトに成功した他、空飛ぶクルマとして欧州航空安全庁(EASA)の認証(DOA、Design Organisation Approval)を取得、旅客用だけでなく貨物用もそろえるなど機体開発を進めている。また、企業との協業により、輸送サービスの提供や航空管制、離発着場の開発や運営、機体メンテナンスなどエコシステムの構築にも取り組んでいる。フランクフルトやヘルシンキの空港の運営会社と協力し、国際空港の運用での空飛ぶクルマの活用についても検討を進めている。
三井住友海上火災保険は、ASEAN10カ国で元受事業を展開するネットワークを活用し、アジア地域でのボロコプターの提携先として実証実験に参画する。空飛ぶクルマの機体やオペレーションに関するノウハウを収集して商品やサービスを開発し、空飛ぶクルマを活用した社会課題の解決に貢献していくという。
自動車メーカーも参画
米国ではUberが自動車メーカーとの協力を加速させている。2023年に商用サービス開始を目指す空の移動「Uber Elevate」で使用する空飛ぶクルマの開発、生産のパートナーとしてHyundai Motor(現代自動車、ヒュンダイ)が名乗りを上げた。自動車で蓄積した生産ノウハウや信頼性の確保、コスト低減などのノウハウを空飛ぶクルマに応用する。また、Uber向けに電動垂直離着陸機(eVTOL)を開発するJoby Aviationには、トヨタ自動車が出資している。
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