産業用ネットワーク「M-4」対応のACサーボドライブとマシンコントローラー:FAニュース
安川電機は、新規格の産業ネットワークM-4対応のACサーボドライブ「Σ-7」シリーズと、マシンコントローラー「MP3000」シリーズの販売を開始した。伝送効率の改善などの機能強化により、データ通信量の増大を図る。
安川電機は2020年1月20日、新規格の産業ネットワーク「MECHATROLINK-4(M-4)」対応のACサーボドライブ「Σ-7」シリーズと、マシンコントローラー「MP3000」シリーズを発売した。Σ-7シリーズは「M-4対応Σ-7サーボパック」、MP3000シリーズは「M-4対応MP3000シリーズ用モーション制御モジュールSVF-01」「M-4対応64点入出力モジュールMFD2310」を用意。価格はオープンとなる。
M-4は、従来の「MECHATROLINK-III(M-III)」より伝送効率が4倍にアップした新規格の産業ネットワーク。M-4対応の3製品は、M-IIIとアプリケーション互換を確保することで、従来の高機能、高性能、高信頼性、使いやすさを維持するとともに、伝送効率の改善などの機能強化により、データ通信量の増大を図っている。
M-IIIと比較して伝送周期を4分の1に短縮し、最小伝送周期は125μsで11局の接続が可能。1伝送周期当たりの取得データサイズを、48バイトから80バイトの1.6倍に向上した。
また、1伝送周期当たりの取得データの項目を2から10項目の5倍に増やすことで、より多くのデータを効率的に取得し、故障予知や予防保全に活用できる。さらに、接続局数を8から21局の2.5倍に増やすことで、より多くの軸のデータを同じ時間軸で取得、装置全体の稼働状態を正確に監視できるようになった。
M-4対応Σ-7サーボパックは、最大適用モーター容量0.05〜15kW対応の15モデルをそろえる。
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