スマートファクトリー対応を強化するMECHATROLINK協会、地域や領域の拡大強化:FAニュース
MECHATROLINK協会は2018年6月8日、2018年度総会を開催。インダストリー4.0やスマートファクトリーなどの動きが高まる中、新規格でスマートファクトリー対応機能を強化。さらに中国製造2025などの動きに合わせ中国を含むアジアでの加盟企業拡大に積極的に取り組む方針を示した。
MECHATROLINK協会は2018年6月8日、東京都内で2018年度総会を開催。インダストリー4.0やスマートファクトリーなどの動きが高まる中、新規格でスマートファクトリー対応機能を強化。さらに中国製造2025などの動きに合わせ中国を含むアジアでの加盟企業拡大に積極的に取り組む方針を示した。
15周年を迎えたMECHATROLINK
MECHATROLINKは、コントローラーと各種コンポーネントを接続する産業用オープンフィールドネットワークである。高速な通信と同期性の保証に特徴を持ち、特にモーション領域で強みを発揮する※)。2018年1月には規格公開から15周年を迎えている。MECHATROLINK協会はこのMECHATROLINKの推進団体で、アジアを中心に加盟企業を拡大。2018年3月末には加盟企業3140社となっている。
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総会では2017年度の活動の成果を紹介。MECHATROLINK通信ASICの総出荷ノードが2017年度末で約678万ノードとなり、年間で120万ノードが増加するなど、ネットワーク化の流れが大きく拡大している状況を示した。また、対応製品は、2017年度に35製品増え、累計で503製品となったという。
MECHATROLINK協会 幹事長で安川電機 執行役員 モーションコントロール事業部長の熊谷彰氏は「スマートファクトリー化に向けたニーズが高まる中、フィールドネットワークの重要性も高まっている。ネットワークの高度化とともにセンサー領域のデータを取る必要性なども出てきた。MECHATROLINK協会でも新たな規格でこれらのニーズに対応する」と方向性について述べる。
また、海外展開については「2017年度はFA機器がグローバルで好調だった。特に大きな市場である中国が成長しているが、中国製造2025などにより、今後も自動化やIT活用の動きが進む。半導体製造の国産化やロボット活用の拡大なども国策として進んでおり、さらなる成長が期待できる。MECHATROLINKも日本と中国を核にアジアで拡大を進めていきたい」と熊谷氏は考えを述べた。
スマートファクトリー化のニーズに応える新たな規格としては2017年に「MECHATROLINK-4」と「Σ-LINK II」を発表した※)。
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「MECHATROLINK-4」は従来の「モーションに強いフィールドネットワーク」という立ち位置に加え、「接続ノード数の拡大」と「複数伝送周期への対応」「マルチマスターの採用」という3つの機能を強化した。一方の「Σ-LINK II」は、サーボアンプとサーボモーター間のエンコーダー用通信を発展させ、センサーなどのI/O機器の情報を取得可能としたもの。センサー情報を直接サーボアンプに取り込むことでセンサーデータとモーションデータの一元管理が可能となる。
熊谷氏は「スマートファクトリー化を促進するとともに、新たにセンサー領域との連携を強化する。センサーデバイスメーカーも開拓し、センサーも含めた新たな価値の実現に取り組んでいく」と語っている。
2018年度の活動方針としては、「MECHATROLINKの普及・促進」「システム提案力の強化」「MECHATROLINK-4、Σ-LINK IIの公開」の3つのポイントで進めていく。特に仕様公開後、製品開発が進む「MECHATROLINK-4」「Σ-LINK II」については、採用製品の投入を後押しするためにプロモーション活動を強化していく。メンバーの拡大に向けては、ASEANと中国のローカルメンバーの拡大を加速させる方針を示している。
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