モーションからセンサーまでを統合コントロール、MECHATROLINKに新技術:産業用ネットワーク
MECHATROLINK協会は同協会が推進するMECHATROLINKの新バージョンである「MECHATROLINK-4」を発表した。併せて、センサーやI/O機器の管理を行える「Σ-LINK II」のリリースも行っている。
MECHATROLINK協会は2017年10月17日、同協会が推進する産業用オープンネットワーク技術であるMECHATROLINKの新バージョン「MECHATROLINK-4」を発表した。合わせて、センサー情報などを制御情報と組み合わせて管理可能とする「Σ-LINK II」もリリースする。安川電機が開発したもので、MECHATROLINK協会が運営を実施する。
伝送効率を4倍にしたMECHATROLINK-4
日本発のオープンモーションネットワークである「MECHATROLINK」を推進しているMECHATROLINK協会は、2007年から展開してきた「MECHATROLINK-III」を刷新し、新世代の産業用オープンネットワークとして「MECHATROLINK-4」を新たに展開する。
MECHATROLINK-4は、従来のMECHATROLINK-IIIの持つ高機能、高性能、高信頼性と使いやすさを維持(アプリケーション互換の確保)しつつ、伝送効率(同一条件で約4倍の性能向上)の改善とマルチマスター機能による分散システム対応などを実現。さらなるシステムの高機能・高性能化を提供するだけでなく、開発・維持管理の簡単化などをもたらすという。
具体的には、同一接続環境で約4倍の接続が可能となる他、スレーブごとに伝送周期の設定が可能になり、システム設計の自由度向上と最適化が可能となった。さらに、同一ネットワーク内に複数のマスターを設置可能としたことで、各マスター間の処理を並立同時実行することができる。これにより伝送周期を伸ばすことなく、全ての機器の同期が可能となり、分散システムの構築が容易となる。また、同様に同一ネットワーク内で「セーフティシステム」の構築が可能となる。将来のさらなる性能向上に向けて1000Base-Tを物理層に採用できるようにもしている。
性能向上の一方で互換性も確保。MECHATROLINK-IIIとのアプリケーション互換を確保する他、マルチプロトコル通信ASICにより、MECHATROLINK-IIIとMECHATROLINK-4だけでなく、他ネットワークとのハードウェアの共通化を可能とした。MECHATROLINK-4/MECHATROLINK-IIIゲートウェイによりMECHATROLINK-IIIシステムとの接続も可能としており、これらにより、MECHATROLINK-IIIシステムからMECHATROLINK-4システムへの移行を簡単に実現できる。
エンコーダーとセンサー信号の共通化で省配線化を実現するΣ-LINK II
「Σ-LINK II」は、従来のエンコーダー用通信(Σ-LINK)としての高機能・高信頼性通信を維持しつつMECHATROLINKのようなカスケード接続を可能とすることでモータエンコーダーとセンサー信号の共通化ができ、省配線化などを実現できる技術だ。センサー信号を高速に取り込むことで高機能化にもつながる他、MECHATROLINKとの連携によりセンサーデータとモーションデータの同期が可能となる。
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