「アンマンドファクトリ」の進化を図る安川電機、スマート工場の新コンセプト訴求:スマートファクトリー
安川電機は、同社が展開するスマート工場の新コンセプトとして「アイキューブ メカトロニクス」を新たに発表した。
安川電機は2017年10月5日、2025年ビジョンで掲げる「新たな産業自動化革命の実現」に向けて、これを推進する新コンセプトとして「i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」を始動したと発表した。
安川電機では完全自動化への志向が高まった1970年代に、人間の介入を疎外する「ノーマン」化に対して、人と協調しつつも人手に依存する作業から脱する人間中心の自動化工場を示す「アンマンドファクトリ」を訴え、さまざまな自動化ソリューションを展開してきた。この方針のもと、サーボやインバーター、そしてロボットなどメカトロニクスを生かした製品を展開。現場の自動化やデジタル化などで多くのソリューションを提供してきた。
安川電機では今回、この「アンマンドファクトリ」のコンセプトをさらに進化。IoT(モノのインターネット)の進展などで加速する第4次産業革命の動きに合わせ、デジタルデータのマネジメントなどの要素を加えた「i3-Mechatronics」を新コンセプトとして訴求する。
「i3-Mechatronics」における「デジタルデータのマネジメント」は、以前から展開するコンポーネントを中心としたソリューションだけではなく、データ活用を中心とした新たなソリューション提供にもつなげることを想定している。機械や設備を実際に稼働させた後のデータ活用により生産性の向上や品質の確保・維持、止まらない製造ラインの実現など、製造ノウハウを組み込んだソフトウェアの提供などで新たな価値を提供していく方針である。
生産性の向上としては、生産状況のリアルタイムな可視化や装置間の連携、搬送、ビッグデータの活用によるタクトタイムの短縮などを目指す。品質面では、データの分析と解析による検査の均一化や周囲環境変化への追従による精度向上などを実現する。さらに、止まらないライン実現に向けては、AI(人工知能)を活用した機械や設備の故障予知や寿命の最適予測、AR(拡張現実)を活用したメンテナンス、VR(仮想現実)によるロボットへのティーチングなどを目指す。これらを通じて、コンポーネントのパフォーマンスを最大化させ、工場ラインの生産自動化やデジタル化のさらなる拡大を推進するとしている。
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