この記事は、2019年7月16日発行の「メカ設計 メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
モノづくりの世界で最近、「バーチャル」というキーワードをよく耳にします。実機を用意する前にデジタル世界で仮想的にデザインレビューや検証を行うアプローチとして、VR(仮想現実)に代表されるデジタル技術などの有効性が注目されています。
また、それとは別に歴史的文化遺産をバーチャル技術で復元しようとする動きもあります(むしろこちらの方が先行していた?)。デジタル技術でその当時の情景を再現し、バーチャル空間で思いを巡らせるのも今どきの歴史の楽しみ方なのかもしれません。
しかし、どんなに優れた技術でも実物にはかないません。エンターテインメント的な要素とのミックスであればデジタル技術に軍配が上がるのでしょうが、実物だからこそ感じ取れる、言葉では言い表せない存在感というものは、そう簡単に再現できるものではないと思うのです。
何でこんなことを書いているのかというと、2019年7月9日から東京国立博物館で開催中の「特別展 三国志」に行きたくて仕方がないからです。公式サイトを見てみると、三国志の英雄の1人である関羽(の青銅像)の画像とともに、“いざ、リアル三国志へ参らん”のメッセージが! もはや期待しかありません。
二十数年前、父子で旅した“リアル三国志”の世界
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