この記事は、2019年6月18日発行の「メカ設計 メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
既にレポート記事を数本掲載していますが、米国マサチューセッツ州ボストンで開催されたPTC主催の年次テクノロジーカンファレンス「LiveWorx 2019」(会期:2019年6月10〜13日)を取材してきました。
PTCは前回の「LiveWorx 2018」から、製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現において、これまでメッセージとして強く押し出してきた「フィジカルとデジタルの融合」に加え、「ヒューマン」が交わることでイノベーションが創出されることを訴えてきました。
今回のLiveWorx 2019でも同様に、同社 社長 兼 最高経営責任者(CEO)のジェームズ・E・ヘプルマン(James E. Heppelmann)氏はヒューマン、つまり人間(作業者)の能力を拡張するものとして、AR(拡張現実)が重要な役割を果たすことを何度も強調し、同社のARソリューション「Vuforia」が既に製造現場などで活用されていることを紹介(関連記事:高度なデジタルツインを実現し、顧客企業のデジタル変革を加速させるPTC)。実際に基調講演だけでなく、分科会や展示会場などからもその勢いを感じ取ることができました。
ARというと、筆者は「Pokemon GO」に代表されるスマホゲームやエンターテインメント的なコンテンツの方が盛り上がっている印象を持っており、製造業での活用はまだ様子見、あるいは検証段階程度だろうと思っていました。
実際、出張の隙間時間にこっそりと(!?)見に行ったボストン・レッドソックス対テキサス・レンジャーズ戦でも、試合結果がARで分かるQRコード付きの選手カードが配られていました。正直、その演出に大きな感動はありませんでしたが、こういった利用の方が一般ウケという意味で有効なのだろうなと感じました(少し調べてみましたが、メジャーリーグでは数年前からARを活用したファンサービスなどを実施しているようです)。
人間の能力を拡張するAR、「LiveWorx 2019」で垣間見たその可能性
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