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高度なデジタルツインを実現し、顧客企業のデジタル変革を加速させるPTCLiveWorx 2019(1/3 ページ)

PTCの年次テクノロジーカンファレンス「LiveWorx 2019」の基調講演に登壇した同社 社長 兼 最高経営責任者(CEO)のジェームズ・E・ヘプルマン氏は、「Digital Transformation:Harnessing New Technology for Industrial Innovation(DX:産業革新のための新技術の活用)」をテーマに、デジタルトランスフォーメーションの重要性や、その実現を支えるPTCの最新の取り組みについて紹介した。

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 PTCは2019年6月10〜13日(現地時間)、米国マサチューセッツ州ボストンにおいて年次テクノロジーカンファレンス「LiveWorx 2019」(会場:Boston Convention&Exhibition Center)を開催。基調講演に同社 社長 兼 最高経営責任者(CEO)のジェームズ・E・ヘプルマン(James E. Heppelmann)氏が登壇し、「Digital Transformation:Harnessing New Technology for Industrial Innovation(DX:産業革新のための新技術の活用)」をテーマに、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の重要性や、その実現を支えるPTCの最新の取り組みについて紹介した。

PTC 社長 兼 最高経営責任者(CEO)のジェームズ・E・ヘプルマン(James E. Heppelmann)氏
PTC 社長 兼 最高経営責任者(CEO)のジェームズ・E・ヘプルマン(James E. Heppelmann)氏

DXを実現するだけではなく、具体的なアクションへとつなげていくPTC

 冒頭、へプルマン氏は「仕事の生産性を考えた場合、その歴史をひもといてみると、初めは作業者(人間)だけだったのが、そのうち機械を活用するようになり、さらにコンピュータの登場で効率化が一気に進んだ。この浮いた時間で人間は人間にしかできない企画や戦略立案のような業務に時間を割けるようになった。DXの時代においては『フィジカル(Physical)』『デジタル(Digital)』に加え、『人(Human)』がキーとなり、それらが交わることでイノベーションが生まれる。それにより製品、人、そしてプロセスまでもがスマート化していく。PTCはDXを実現し、具体的なアクションにつなげていける存在である」と述べる。

DX時代における製品、人、そしてプロセスの関係性
DX時代における製品、人、そしてプロセスの関係性 ※出典:PTC

 また、DXにおいて大きな力を発揮するIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、AR(拡張現実)といった技術を活用するには、設計からサービスまでをつなぐデジタルスレッド、デジタルツインの実現が必要で、そのためには3D CAD、PLMの存在が欠かせないという。「3D CADとPLMというPTCの歴史を象徴するソリューションと、IoT、AI、ARといった新たな技術を組み合わせることで素晴らしい音楽を奏でるかのようにDXを実現できる」(へプルマン氏)。

CAD+PLM+AI+AR+IoT
DX実現に欠かせないCAD+PLM+AI+AR+IoT ※出典:PTC

 基調講演では、エンジニアリングのプロセスからカスタマーサービスに至るまでの間、あるいは企業の意思決定において、DXがどのようなイノベーションを生み出すのかをパートナーとの協業や実際の顧客事例などを交えながら順を追って説明した。

ルネサンス期を迎えた3D CAD、新機能や機能強化に取り組んだ「Creo」

 DXが実現された世界において、設計者が3D CADで製品の形状を作り上げるエンジニアリングプロセスはどのように変わるのか。へプルマン氏は「近年、新たな技術が次々に登場しており、3D CADの世界はいわばルネサンス期にある。PTCとしても新しいアプローチを検討する必要があると考え、ジェネレーティブデザイン、リアルタイムシミュレーション、AR連携、3Dプリンティングなどへの対応を進めてきた」と説明し、Volvo Group(ボルボ・グループ)の取り組みを紹介した。

 ボルボ・グループでは、トラックの燃費向上を目的とした軽量化の一環として、ジェネレーティブデザインを設計に適用(買収したFrustumのAIベースのジェネレーティブデザイン技術を先行的に活用している)。また、ジェネレーティブデザインにより生成された形状を基に、ANSYSとの協業で実現した「Creo Simulation Live」でリアルタイムシミュレーションを実施し、繰り返し設計検討を行い、各種要件を満たす最適な形状を導き出したという。

ジェネレーティブデザインとリアルタイムシミュレーションを活用した設計
ジェネレーティブデザインとリアルタイムシミュレーションを活用した設計 ※出典:PTC

 「これらが全てCreoの中で完結している。従来は設計した3Dモデルを変換して解析専任者に渡し、解析を行ってもらい、(問題があれば)設計内容を見直すといった手間や手戻りが発生していたが、リアルタイムシミュレーションであれば解析結果が瞬時に得られ、それを基にすぐに3Dモデルの変更がかけられる。結果的に製品の市場投入も早められる」(へプルマン氏)。併せて、ANSYSの統合型マルチフィジックスシミュレーション環境「Discovery AIM」の統合(「Creo Simulation AIM」という名称でCreoに組み込む予定)についても触れ、「Creo上での設計と解析の反復作業がより容易に、よりパワフルになり設計者の業務を一層支援する」とへプルマン氏は述べる(関連記事:PTCはなぜ設計プロセスにおけるシミュレーション技術の活用に注力するのか)。

 また、こうして設計された新しいパーツ情報はPLMの「Windchill」で管理され、設計変更が発生した場合は、以前に作成された古い設計などを含め、関連する情報に対して変更を反映し、設計、生産、組み立てなどあらゆるプロセスで整合性が保たれる。「このようにPLMはDXを実現する上で非常に重要な役割(バックボーン)を担っている。IoTやARの実現には3D CADだけではなく、PLMがなくてはならない。PLM担当者は今後より会社に必要とされるはずだ」とへプルマン氏。

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