どこにでも組み込める印刷型感圧シートセンサー、棚卸しや健康用途に期待:ET2018
NECは、「Embedded Technology 2018/IoT Technology 2018(ET2018)」において印刷技術を用いてシート型で曲げることも可能な「超解像度感圧センサー技術」を出展した。
NECは、「Embedded Technology 2018/IoT Technology 2018(ET2018)」(2018年11月14〜16日、パシフィコ横浜)において印刷技術を用いてシート型で曲げることも可能な「超解像度感圧センサー技術」を出展した。同技術は「ET/IoT Technology Award 2018」において「Embedded Technology 優秀賞」を受賞している。
印刷式の超解像度感圧シートセンサー
NECが出展した「超解像度感圧センサー技術」は、印刷技術により、薄くて軽く、曲面への設置を可能とした感圧シートセンサー技術である。フィルム上に形成された薄膜トランジスタ上の圧力に応じて抵抗が変化する感圧導電ゴムを積層した構造となっており、各センサー素子は2次元状に配置している。個々のセンサー素子に加えられた圧力に応じて変化する電流値を薄膜トランジスタで検知することで、シート全体に加えられた圧力の分布をセンシングするという仕組みである。
プラスチックフィルム上に印刷で製作しているために曲面への設置も可能としている。開発技術のシートサイズは288×172.8mmで、シート内センサーのセル数は3万4560個となっている。センサーセルの大きさは1.2mm。動作電圧は5V、動作速度は10〜100Hzとしている。
用途としては、商品や物品の自動検知などに活用し、店舗や倉庫などの棚卸業務の効率化などへの活用が有望視されている他、医療や介護、ヘルスケア用途などへの活用も検討しているという。
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