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柔らかいクルマに“強さ”を、高耐久性の新素材採用人とくるまのテクノロジー展 2017

超小型電気自動車ベンチャーの「rimOnO(リモノ)」は、「人とくるまのテクノロジー展 2017」で協力企業である三井化学ブース内に出展。“柔らかな外板”に新素材を採用していく考えを明らかにした。

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 超小型電気自動車ベンチャーの「rimOnO(リモノ)」は、「人とくるまのテクノロジー展 2017」(2017年5月24〜26日、パシフィコ横浜)において、協力企業である三井化学ブース内に出展。小さくて軽くて柔らかい新コンセプトの超小型電気自動車(EV)の試作機「リモノ」に新たに高弾性で高耐久性、無黄変などの特性を持つ新素材を採用する方針を明らかにした。

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三井化学ブース内に出展された超小型電気自動車ベンチャーの「リモノ」(クリックで拡大)

外板にウレタンフォームを用い柔らかさを実現

 「リモノ」は元経済産業省の伊藤慎介氏が立ち上げた超小型モビリティーのベンチャー企業である。2014年に設立し2016年5月にコンセプトモデル「リモノ」の製品発表会を実施した。コンセプトモデル「リモノ」は、「小さくて人に優しい」「クルマに興味ない人も含めて、いろいろな人が乗りたいと思う乗り物」を目指して開発。全幅1.0m×全長2.2mという小ささに加え、最大の特徴が「柔らかい」という点である。外板にはウレタンフォームを布でくるんだ素材を利用しており、人に軽く触れても安全で傷つけない作りとしてしている。

 リモノには設立時から素材協力企業の1社として三井化学が参加しており、外板のウレタンフォームやドアパネルの変性ポリアミド、骨格のポリアミド樹脂、シートのクッションや受け材、窓の曇りを抑える親水コート、床材などを提供してきた。今回は新たに外板の素材として「高弾性・高耐熱性」「無黄変」などの機能を持つ「フォルティモ」を採用する方針を明らかにした。

 フォルティモは、既存のイソシアネートでは実現できなかった「高弾性・高耐熱性」と「無黄変性」を両立し、さらに「耐久性」に優れるポリウレタンエラストマーである。「リモノ」は小さく軽く柔らかいという特徴に加え、「着せ替え」なども想定している。

 リモノの取締役でCTOでありドリームデザイン代表取締役の奥村康之氏は「通常のウレタン素材であれば、中身のウレタンが着せ替え時にはボロボロになっているというようなことが起こり得る。それを避けるために耐久性の高い新素材を採用することを考えた」と述べている。

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フォルティモの無黄変機能の実証結果。MDIでは耐光試験で黄色く変色しているのに対し、フォルティモは変色を抑えることができている(クリックで拡大)

 ただ、現状では、フォルティモは金型での製造で品質が確保できないという状況であり、今後は「量産化が近づけば、製造方法なども三井化学と協力して検討していくことになるだろう」と奥村氏は述べている。

量産、発売については未定

 「リモノ」はコンセプトモデル発表時には、「市販は2017年夏頃」と発表していたが、現実的にはこの予定は延びそうだという。奥村氏は「クラウドファンディングなども活用して、資金集めなども進めているが、現状ではまだ目標のところまではきていない。必要な資金が集まれば2年以内に販売することが可能だ」と販売のめどについて述べている。

人とくるまのテクノロジー展2017
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