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製造ITのクラウド化が加速、ベンダー各社が製品を積極投入ものづくり支援ソフトウェア製品レポート(2/2 ページ)

エンタープライズITに比べ、クラウド活用があまり進んでいなかった製造現場のITだが、クラウド化が加速してきた。CADなどで設計データを共有するために採用するケースや、海外拠点進出時に早期にシステム提供ができる点などが評価を受けつつある。

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海外拠点ではクラウドの利点は大きい

 製造ERP(統合型業務管理)やSCM(サプライチェーン管理)システムなどをクラウド化する動きも徐々に広がってきている。

 ERPシステムやSCMシステムは、大手企業では海外拠点なども含めて導入されているものの、中小規模の製造業にとって、海外現地法人それぞれでサーバを用意しERPシステムを導入、さらに保守人員を抱える、などの負担は非常に大きい。そのため、ERPやSCMが未導入であったり、本社のシステムと連携ができていないケースもまだ多く存在している状況だ。

 一方、ASEANなどを中心に生産拠点を新設するケースや、主力工場を移転するケースなどがあり、より早期に柔軟なシステムを用意する必要性が高まっている。これらを解決するために、クラウドサービスとしてのERPおよびSCMのニーズが高まってきた。

ベンダー各社がクラウドサービスを拡充

 これらの動きに応える形でベンダー各社はクラウド型のサービス拡充を急いでいる。NECとSAPは、クラウド型ERPサービス「SAP Business ByDesign」におけるビジネスでグローバル協業することを発表した。クラウドサービスとしての提供により、中小規模の海外現地法人への導入を進める狙いだ(関連記事:NECとSAP、海外現地法人への導入を狙い、クラウド型ERPサービスで協業)。

 また、東洋ビジネスエンジニアリング(以下、B-EN-G)は、ERPパッケージ「MCFrame」の海外拠点向け版「MCFrame CS Start-Up Edition」を発売した他、SaaS(Software as a Service)版「MCFrame cloud」を順次提供していく計画を示している(関連記事:B-EN-G、MCFrameの海外版とクラウド版を提供――海外拠点の早期立ち上げを支援)。

 その他、TISはMicrosoftのERPパッケージ「Dynamics AX 2012」をクラウド型で提供する「Microsoft DynamicsAX2012 グローバル導入サービス」を2014年2月から開始すると発表している(関連記事:TIS、中国・ASEANで活動の製造業向けにクラウドERP導入の支援サービスを開始)。

クラウド活用の利点を見極める

 「いつの時代でも、新しい技術が登場した時に『それは必要ない』という人が何割かいる。しかし新しい技術に移行する人は必ずいて、そうした人たちが主流になる時に適応できないというのであれば、話にならない」と米Autodesk社長兼CEOのカール・バス氏は指摘する。

 クラウド活用は確かにセキュリティやネットワークパフォーマンスの面でリスクがあることは事実だ。しかし、クラウドを活用することで容易に実現できることもある。これらのバランスを見極めて、うまく取り込んでいくことが重要ではないだろうか。

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