検索
連載

品質管理に必須の統計的手法「X-R管理図」「P管理図」の作り方実践! IE:現場視点の品質管理(14)(5/5 ページ)

生産現場の品質管理に使われる「X-R管理図」「P管理図」は、実際にはどうやって作ればいい? サンプルを基に手を動かして覚えよう。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

(5)数値、管理線を描く

 P管理図用紙を準備して、Pの値を時間軸(日付、時刻など)順にプロットし、各点を実線で結びます。また、手順(4)で計算した管理線を、中心線(CL)は実線で、上下の管理限界線(UCLおよびLCL)は破線で横に引きます。


図2 P管理図(事例データ)
図2 P管理図(事例データ)

 P管理図を作成しようとするとき、検査個数が常に一定の場合は、不良率(P)を計算しないで、不良個数(Pn)をそのまま打点していく「Pn管理図」を用いることができます。Pn管理図の管理限界を求める手順は、P管理図の場合とほとんど同様ですが、ここでは割愛します。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

 管理図の中でも、多用される管理図として、今回は「X-R管理図」「P管理図」について説明いたしました。次回は「C管理図」と、管理図による異常の見方や管理図の活用上の注意事項などについて解説したいと思います。

 管理図は、生産条件を正しく保つために、工程能力を管理して製品の品質管理を行うツールです。現在の品質管理では、「100%良品」でなければならないということは今や常識です。つまり、不良が発生してしまってから再発防止策を施すのではなく、不良発生の兆しを捕らえて、不良が発生する前に素早く事前対策を行っていかなければなりません。品質管理図は、異常発生の兆候を把握するツールとしては正しくうってつけです。管理図を使っていれば防止できたと思う異常事象が散見されます。ぜひ、活用していただきたいと思います。

 くれぐれも、管理図は、異常の原因となる特性値のばらつきを発見して、再発防止策を事前に素早く実行するのが目的である、ということを忘れずに!

⇒前回(第13回)はこちら
⇒次回(第15回)はこちら
⇒連載「実践! IE:現場視点の品質管理」バックナンバー
⇒製造マネジメントフォーラム過去連載一覧


筆者紹介

MIC綜合事務所 所長
福田 祐二(ふくた ゆうじ)

日立製作所にて、高効率生産ラインの構築やJIT生産システム構築、新製品立ち上げに従事。退職後、MIC綜合事務所を設立。部品加工、装置組み立て、金属材料メーカーなどの経営管理、生産革新、人材育成、JIT生産システムなどのコンサルティング、および日本IE協会、神奈川県産業技術交流協会、県内外の企業において管理者研修講師、技術者研修講師などで活躍中。日本生産管理学会員。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る