MES導入のコストと期間を大幅に圧縮 製造業DXのさらなる推進が可能に製造業DX

ERPとともに製造業DXの両輪ともいわれるMES(製造実行システム)。しかし、コストと期間が高いハードルとなって国内製造業の多くが導入をためらっている現実がある。日立は「MES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)by ComiComiCloud」によって、MES導入のコストと期間を大幅に圧縮することで課題解決に貢献したい考えだ。

» 2026年01月09日 10時00分 公開
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 国内製造業が生き残りをかけて「2025年の崖」でも指摘されたDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を加速させている。この流れを受け、ERP※1の更新は進んでいるものの、一方で、工場の現場に目を向けると、製造を支えている業務の多くが依然として紙や帳票データなどで管理されている状況にある。これらの製造業務をデジタル化し、より効率的でスマートな製造への変革を推進するうえで鍵を握るのがMES※2である。

※1 ERP:Enterprise Resource Planning ※2 MES:Manufacturing Execution System

 ERPのデータを分析し、その結果を受けた経営判断に基づいて策定された生産計画を、工場の現場で確実に実行するために用いられるのがMESだ。ERPとMESは製造業のDXを推進する両輪であると言っても過言ではない。そうした重要なシステムであるにもかかわらず、大手の自動車メーカーや医薬品メーカーなど一部企業を除き、国内製造業においてMESの導入はほとんど進んでこなかった。既にMESを用いた製造業務の管理を“当たり前”としている海外の製造業との格差は広がっていく一方だ。

日立製作所 インダストリアルAIビジネスユニット エンタープライズソリューション事業部 産業システム本部 第二システム部 主任技師の小田切麻絵氏 日立製作所 インダストリアルAIビジネスユニット エンタープライズソリューション事業部 産業システム本部 第二システム部 主任技師の小田切麻絵氏

 日立製作所(以下、日立) インダストリアルAIビジネスユニット エンタープライズソリューション事業部 産業システム本部 第二システム部 主任技師の小田切麻絵氏は「終身雇用が前提となってきた国内製造業の現場は総じて技術力が高く、熟練者の経験に裏付けられた調整力もあって高い生産性や品質が保たれており、着実な製造実行をMESで担保する必要がありませんでした。経営者も『現状で問題なく生産できているのなら、新しいシステムを導入する投資意欲が高まらない』と感じています」と語る。

 ただし、その間にもタイムリミットは確実に迫っている。

 日立製作所 インダストリアルAIビジネスユニット エンタープライズソリューション事業部 ライフインダストリ・プラットフォームソリューション本部 本部長の伊藤誠氏は「近年は国内製造業でも人材不足が深刻な課題となっており、熟練者が引退した後にそのノウハウを引き継げない状況も生まれています。特に、組み立て製造業においてその状況が顕著でありMESの導入は待ったなしです」と警鐘を鳴らす。

自社工場へのMES導入で培ったノウハウをテンプレート化

日立製作所 インダストリアルAIビジネスユニット エンタープライズソリューション事業部 ライフインダストリ・プラットフォームソリューション本部 本部長の伊藤誠氏 日立製作所 インダストリアルAIビジネスユニット エンタープライズソリューション事業部 ライフインダストリ・プラットフォームソリューション本部 本部長の伊藤誠氏

 実は、両氏が所属する日立は、自らの工場へのMES導入にいち早く動いた国内製造業の一つだ。同社の全グループを挙げたコスト削減プロジェクト「Hitachi Smart Transformation Project」の一環として、推進してきたMES導入に端を発する。

 日本にマザー工場を持ち、海外工場で最終組み立て出荷を行う体制を敷いている。このグローバルでの製造業務を支える管理基盤としてMES導入が求められたのである。「日立は自社開発のMESを外販していますが、このプロジェクトではグローバル拠点でのMES共通化を目的に同時導入することが前提になっており多言語対応が必須でした。そこで採用したのが、ダッソー・システムズの『DELMIA Apriso』です。2014年からは本格稼働を開始しています」(伊藤氏)。

 そして、工場DXに対する業界全体の機運の高まりに伴って生産管理システムやMESに対する引き合いが増える中で、日立は2022年から、より裾野の広い国内製造業のMES導入を後押ししていくことをめざしたソリューション展開に注力している。そこで大きな役割を果たしているのが、同社工場が先行して実践してきたDELMIA Aprisoの導入実績とそのノウハウを基に開発した「MES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)」である。

 伊藤氏は「MESを提案する中で、特に先進的なお客さまから寄せられたのがDELMIA Aprisoを指定したソリューション提案の依頼でした。『DELMIA Aprisoは自由度が高くグローバル展開に適している』というのが理由です。この要求に応えるべく、当社工場における製造オペレーションのノウハウをベストプラクティスとしてテンプレート化し、日立としての独自性を打ち出したMESの価値提供を強化する方針を固めました」と述べる。

 続けて小田切氏は「DELMIA Aprisoは標準機能を用いて柔軟にカスタマイズが可能で、多様な製造形態へ柔軟に対応できることが最大の特長です。近年の基幹システム更新においてERPを“Fit to Standard”で導入したお客さまは、MESも同様のアプローチで導入したいと考えています。このニーズにマッチしたソリューションのあるべき姿として行き着いたのがテンプレートの提供です。まずは要件定義のプロセスでテンプレートを用いたFit&Gapを行い、お客さまの業務で必要な部分のみ追加開発を行うことで効率的なMES導入を実現できます」と強調する。

「MES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)」を用いたMES導入のイメージ 「MES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)」を用いたMES導入のイメージ[クリックで拡大] 提供:日立製作所

「MES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)」の特長

 ここからはMES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)の特長を見ていこう。ベースとなっているDELMIA Aprisoは、MESの構築を効率的に実行するためのツール、データベース、基盤を備えたモジュール型アプリケーションであり、パッケージ型と比べて企業ごとの要件に柔軟に対応できるのがメリットだ。

 ただし「標準機能を用いて柔軟にカスタマイズが可能」という先の小田切氏の言葉にもあるとおり、自由度が高いため、要件定義やシステム構築に多大な工数と期間を費やすケースも少なくない。このギャップを埋める役割を担うのが、MES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)だ。主に中品種中量生産の組み立て製造業を対象とし、「業務フロー」「業務シナリオ」「業務スクリプト」「画面・帳票」「共通インターフェース」といったコンテンツで構成されたこのテンプレートを、要件定義から構築までの各工程で活用することで、高効率で安定した品質のシステムインテグレーションを実現する。

 そもそも自社開発のMES製品を展開し、医薬系を中心とした国内MES市場でトップクラスのシェアを誇る日立である。その実績に基づくノウハウをDELMIA Aprisoでも容易に導入・活用できるテンプレートのメリットは非常に大きい。

  実際に、ある国内製造業は、従来は熟練者の手作業に依存していたトレーサビリティー情報の収集・管理に関する業務を、MES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)を活用して自動化・省人化した。「すべての工場に共通するインターフェース機能や進捗管理機能を作成し、最初の展開先となる国内第1工場への実装を完了しました。現在は、海外も含む第2工場以降への展開に着手しています」(小田切氏)。

マネージドサービス付きクラウドからの新サービスを提供開始

 そして、新たな一手として注目したいのが「MES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)by ComiComiCloud」のリリースだ。MES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)を、同社のマネージドサービス付きクラウドサービス「ComiComiCloud/マルチテナントサービス」上に展開し、サブスクリプション型のライセンスで提供するものである。

 国内製造業からのニーズが高まっているMESだが、その導入に向けて高いハードルとなっているのが高いコストと導入期間の長さだ。伊藤氏は「MESへの投資対効果は企業や工場ごとに異なり、あらかじめ明確に見積もることは困難であるため、多くのお客さまが導入判断をちゅうちょしています。特に、オンプレミス環境でMES導入を検討するとなれば、ハードウェアを含めた大規模な投資の決断は容易ではありません。MES導入による業務改善の具体的な効果を見極める段階で、検証プロセスが長期化する場合もあります」と説明する。

「MES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)by ComiComiCloud」の特長 「MES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)by ComiComiCloud」の特長[クリックで拡大] 提供:日立製作所

 この課題を解決するのが、MES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)by ComiComiCloudだ。「MESの導入効果を定量的に判断できない状況下では、サブスクリプション型のサービスとして試験的に導入し、実際の運用を通じて検証をいただくアプローチが有効です。そして確かな効果が認められた段階で、本格的なMES導入へ移行することをおすすめします。もちろんMES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)by ComiComiCloudをそのまま継続利用し、運用フェーズへのステップアップも可能です」(小田切氏)。

 MES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)by ComiComiCloudを活用すれば、オンプレミス環境に必要なリソースを調達してMESを導入するケースと比べ、初年度のコストとシステム構築期間を2分の1から3分の1に短縮できるという。特に、MESによる製品トレーサビリティーのPoC(概念実証)など、複雑な業務課題に対する効果を検証・確認するうえでは有力な選択肢になると言えそうだ。

製品トレーサビリティーのPoCに最適 製品トレーサビリティーのPoCに最適[クリックで拡大] 提供:日立製作所

 なお、現場設備とクラウド間でのリアルタイムのデータ連携が難しい場合など、日立では現場データを集積するエッジシステムや、IoT(モノのインターネット)ソリューションなどを組み合わせたオプション提案も行っているという。

国内製造業のDXを大きく前進させる原動力に

 日立は今後、MES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)のラインアップを拡大していく方針である。

 伊藤氏は「これまでは中品種中量産の組み立て製造業向けを中心に事業を展開してきましたが、MES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)by ComiComiCloudの提供開始に伴い、今後はより幅広い国内製造業へのMESの提案活動を加速させていきます。また、テンプレートの内容についても、多品種少量生産や少品種大量生産、プロセス製造業など、バリエーションを拡大していきます」と意気込む。

 MES(製造実行システム)導入テンプレート(for DELMIA Apriso)をはじめ、日立が適材適所で提供する多彩なMESソリューションが国内製造業のDXを大きく前進させる原動力になりそうだ。

日立の小田切麻絵氏(左)と伊藤誠氏(右) 日立の小田切麻絵氏(左)と伊藤誠氏(右)。国内製造業のMES導入を支えていく[クリックで拡大]

*3DEXPERIENCE、3DSロゴ、Compassアイコン、IFWE、3DEXCITE、3DVIA、BIOVIA、CATIA、CENTRIC PLM、DELMIA、ENOVIA、GEOVIA、MEDIDATA、NETVIBES、 OUTSCALE、SIMULIAおよびSOLIDWORKSは、フランスの法律に基づいて設立された欧州会社(Societas Europaea)であり、 ヴェルサイユの商業裁判所書記課に登記番号322 306 440で登録されているダッソー・システムズ、またはアメリカ合衆国やその他の国におけるダッソー・システムズの子会社の商標もしくは登録商標です。

*「ComiComiCloud」は株式会社日立製作所の日本における登録商標です。

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提供:株式会社日立製作所
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2026年1月30日