今こそエッジ顔認証 工場/オフィスDXをたった1台でスタートするエッジコンピューティング

さまざまな場面で採用が広がる顔認証だが、工場などではクラウドとの接続を前提としない「エッジ顔認証」のニーズが高まっている。イノテックは自社ブランドの国産ハードウェアと国産AI/ソフトウェアを一体にしたエッジ顔認証「EdgeFACE」を開発した。

» 2024年03月26日 10時00分 公開
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 AI(人工知能)技術の向上によって生体認証の市場が拡大している。生体認証とは、人間が備える身体的/行動的な特徴によって個人を認証する技術だ。認証に利用できる身体的な特徴としては指紋や静脈のパターンなどがあるが、昨今は顔の特徴を使った「顔認証」に注目が集まっている。

 かつては暗証番号や指紋でロックを解除していたスマートフォンも、今では顔認証によるロック解除が一般化している。顔認証は海外渡航時の出入国手続きやマイナンバーカードの本人確認などにも利用されている。これまでIDカードを使っていたオフィスの入退室管理に顔認証を使うケースも増えており、受付端末の手続きをよりスマート化する用途にも適用が広がっている。

顔認証システムの導入で浮き彫りになる2つの課題

 顔認証システムは、瞳の間隔、口や鼻の位置、顔全体の凹凸や骨格といった複数の特徴を数値化し、それらを登録済みのデータと照合することで認証を行う。人の顔は毎日微妙に変化しており、過去のデータと完全に一致することはまずない。にもかかわらず顔認証が多くの企業に導入されて高い精度で運用されている背景には、急激に進化しているAIを高速に処理するハードウェアの進歩がある。

イノテック インテリジェントシステムソリューション本部 ISS営業部 営業グループ 課長補の清水琢磨氏 イノテック インテリジェントシステムソリューション本部 ISS営業部 営業グループ 課長補の清水琢磨氏

 先述した通り、オフィスの入退室管理や受付端末のスマートログインなどへの活用が広がっている顔認証だが、製造業でも工場に設置した装置の運転者確認や設備の管理などに利用する事例が出ている。イノテック インテリジェントシステムソリューション本部 ISS営業部 営業グループ 課長補の清水琢磨氏は「モノづくりの現場では、巻き込み防止の観点から首にIDカードを下げた状態で作業をすることは許されません。工場への入退室や装置/設備の認証時にIDカードを取り出す手間も作業効率的に無視できません。顔認証はこれらの問題を一気に解決します」と語る。

 しかし、製造業への顔認証システム導入には解決すべき課題もある。ほとんどの顔認証ソリューションは大規模ユーザーを前提としており、費用面のハードルが高い。また、顔認証を使って製造や管理を効率化する独自システムを構築したいという思いはあるが、導入のハードルが高いと関連システムの開発や実証実験がしにくくなる。

 ほとんどの顔認証ソリューションがクラウドベースであることも製造業では懸案事項となる。一般的に、通信を介すると認証のレスポンスは落ちる。回線やサーバの状況などによっては認証できないという危険性もある。日本の製造業では、セキュリティ面から工場とクラウドをつなげることに対する抵抗感も根強い。

1台からのスモールスタートが可能なエッジ顔認証ソリューション

 イノテックが2024年4月にリリースする予定の「EdgeFACE(エッジフェイス)」は、製造業における顔認証システム導入の課題を解決する。その名が示す通り、EdgeFACEはエッジ環境で稼働する。開発から運用までオンプレミスのPCを用い、クラウドは一切使わない。

「EdgeFACE」の特徴 「EdgeFACE」の特徴[クリックで拡大] 提供:イノテック

 顔認証システムの開発を素早く、そしてスモールスタートさせられることも大きな特徴だ。EdgeFACEは、開発と運用に必要なオンプレミスのPCとSDK(ソフトウェア開発キット)、一部開発環境などがパッケージで提供される。カメラさえ用意すればPCの電源を立ち上げるだけですぐに開発が始められるという手軽さだ。機能は豊富だがシンプルなAPIなので、簡単にアプリ開発ができてしまう。忙しい開発担当者の味方になるだろう。しかもMOQ(発注可能な最小数)は1台だ。さらにSDKは無償提供であり月額のサブスクリプションや従量課金などの追加費用は発生しない。清水氏は「顔認証システムの開発と実証実験を効率的に行いたい製造業にとって、開発から実運用まで顔認証に用いるハードウェアとソフトウェアをワンストップで提供できるメリットは大きいと考えています」と説明する。このワンストップ提供の体制によって、先行実証での運用段階から導入規模を拡大するための増設や量産にも移行しやすいことも大きな特徴になっている。

 また、EdgeFACEで提供される顔認証システムは、クラウドベースでの運用実績をエッジ環境向けに独自で最適化し、通常ではトレードオフとなる十分な精度と高い処理性能の両立を実現させた。「必要最低限のハードウェアスペックで、認証精度と処理速度を両取りできる仕組みに仕上げています。そのため寿命や供給性に懸念があるGPUボードは不要です」(清水氏)

エッジ顔認証の優位性

 クラウドサービスの利用が避けられる傾向にある製造現場では、エッジであることの優位性は明白だ。

エッジ顔認証とクラウド顔認証の比較 エッジ顔認証とクラウド顔認証の比較[クリックで拡大] 提供:イノテック

 製造業においてクラウドサービスが避けられる大きな理由は、セキュリティとレスポンスに集約される。これだけセキュリティ技術が発達しても、相変わらずサイバー攻撃の被害は後を絶たない。

 この点、ネットワークに接続しない環境で稼働するエッジ顔認証の安心感は絶大だ。先にも触れたが、ネットワークや外部サーバを使わないのでそれらの影響を受けず、常に快適なレスポンスが得られる。

 クラウドベース顔認証とエッジ顔認証を比較すると、システムの常時アップデートや情報の共有など、クラウドが優位な項目も存在する。しかし、これらはエッジ環境でもある程度の対応は可能だ。そして、エッジ顔認証にはそれらよりも重要な多くのメリットがある。特に製造業では、高いセキュリティや快適なレスポンス、通信やサーバの障害と無縁なこと、ランニングコストが不要という項目ではエッジ顔認証が強みを発揮する。

 EdgeFACEは、標準でAPI/機能が多数用意されている。これらのAPIを使えば単なる顔認証システムを超えたDX(デジタルトランスフォーメーション)に役立つアプリケーションの開発も可能だ。

 紙に印刷された顔写真やモバイルデバイスの画面に表示された画像での認証を防ぐ「偽造物検知」などは、認証の精度向上に役立つだろう。「まばたき検知」を利用すれば、まばたきの回数に合わせて異なる処理をするアプリケーションも開発できる。認証した人物の操作ログや入退ログをトレースする機能もAPIで利用可能だ。幅広い用途に対応できる安心感のある製品と言える。清水氏は「EdgeFACEは、オフィスや工場の入退管理、製造業の現場、スマートログイン機能の搭載が求められる機器の開発などに最適で、エッジ顔認証によるDX推進を実現するソリューションになると考えています」と強調する。

「EdgeFACE」の活用例 「EdgeFACE」の活用例[クリックで拡大] 提供:イノテック

「Raptor Lake-P」搭載の最新産業用PCをハードウェアに採用

 EdgeFACEの安心感という意味では、ハードウェア/ソフトウェアともに長期の技術サポートと修理などのサービスが約束されていることも大きなメリットだ。

イノテック インテリジェントシステムソリューション本部 ISS営業部 営業グループの宗像佑美氏 イノテック インテリジェントシステムソリューション本部 ISS営業部 営業グループの宗像佑美氏

 EdgeFACEのハードウェアに採用されているのは、イノテックの産業用PCの最新モデル「EMBOX TypeRE1283」だ。自社設計/国内製造の純国産で長期安定稼働/長期供給が製品の特徴だ。EMBOX TypeRE1283は、インテルの第13世代CPU「Raptor Lake-P」を搭載している。Raptor Lake-Pは2023年に発売されたモバイルデバイス向けCPUシリーズで、高性能な処理を受け持つPコアと高効率な処理を受け持つEコアを最大で合計10個搭載する。性格が異なるPコアとEコアにより、処理の高速化と低電力を両立させている。内蔵GPUを用いたAIアクセラレーション機能もある。

 通常、AI処理を高速で行うにはCPUとは別にGPUボードを追加することが多い。しかしEMBOX TypeRE1283はGPUボードを搭載していない。イノテック インテリジェントシステムソリューション本部 ISS営業部 営業グループの宗像佑美氏は「GPUボードを搭載するとハードウェアが大型化することに加えて、モデルチェンジのペースが非常に速い上にパーツ寿命も長いとは言い難いので、長期の製品供給やサポートを考慮すると最適とは言えません」と話す。

イノテックの産業用PCの最新モデル「EMBOX TypeRE1283」 イノテックの産業用PCの最新モデル「EMBOX TypeRE1283」[クリックで拡大] 提供:イノテック

 Raptor Lake-PのCPU処理能力は高く、内蔵GPUのAIアクセラレーションをイノテックの独自チューニングによって最大限に生かすことで高い処理能力を実現している。EdgeFACE以外のアプリケーションを処理する余力も十分にあるので、他のAI処理を行ったり顔認証に関連する別プログラムを実行したりできる。EdgeFACEによる顔認証を中核としたシステムを1台のEMBOX TypeRE1283で完結させることも可能だ。このコンパクトさは、製造装置の傍らや内部に設置されることもあるエッジPCとしては非常に大きなアドバンテージになる。

「Japan IT Week【春】」で「EdgeFACE」を披露

 イノテックは、2024年4月24〜26日に東京ビッグサイトで開催される「第33回 Japan IT Week【春】」内の「第13回 IoTソリューション展」に出展する。展示ブースではEdgeFACEとEMBOX TypeRE1283をはじめ、さまざまな組み込みシステムソリューションを披露する予定だ。

 EdgeFACEについては、登録済みの同社スタッフの顔写真を用いた顔認証の擦り抜けを防止する偽造物検知機能や、EMBOX TypeRE1283に4台のUSBカメラを接続して同時に4人の認証をするデモなどを行う。「4台のUSBカメラを接続しても顔認証にかかる時間は100ms(0.1秒)ほどです。このレスポンスの良さを実感していただきたいと思います」(宗像氏)

 また、組み込み機器向けのインテル第11世代「Xeon」プロセッサである「Tiger Lake」を搭載する産業用PC「EMBOX TypeRE1070」を用いて、モデルベース開発環境「MATLAB」「Simulink」を展開するMathWorks社の協力でロボットアームを制御するデモや、最新のAtomプロセッサとして知られる「Elkhart Lake」搭載の産業用PC「EMBOX TypeAE1010」による約60℃の温度環境でも安定して稼働する高温環境動作デモも披露する。

 清水氏は「イノテックのブースではこれらの展示やデモの他、顔認証をはじめDXに関する困り事や導入相談などにも対応します。ブースでお待ちしております」と述べている。

イノテックの清水琢磨氏(左)と宗像佑美氏(右) イノテックの清水琢磨氏(左)と宗像佑美氏(右)[クリックで拡大]

※「EdgeFACE」は商標登録出願中です。

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提供:イノテック株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2024年4月15日