SOLIDWORKSユーザーが設計者CAEをフル活用できるワークステーションは?検証レポート

設計者CAEツールとして定評のある「SOLIDWORKS Simulation」と最新ソリューションの「3DEXPERIENCE Works Simulation」のパフォーマンスを、第12世代インテル(R) CoreTM プロセッサーを搭載したデル・テクノロジーズのワークステーション「Dell Precisionシリーズ」を用いて検証した。

» 2023年04月03日 10時00分 公開
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 設計対象が複雑化、大規模化する製品開発の現場では、従来と同様に品質向上やコスト削減、開発期間の短縮が求められ、設計開発プロセスのさらなる効率化が急務となっている。そうした中、早期に設計品質を高めるフロントローディングに取り組む現場も増え、“電卓代わり”に使える設計者向けCAEツールの活用が拡大している。

 「これまでCAEといえば解析専任者向けの特別なツールという位置付けでしたが、近年では3D CADの進化とともに設計者でも手軽に使えるCAEツールが普及し、積極的に設計者CAEを活用する動きが目立っています」とソリッドワークス・ジャパン 3DEXPERIENCE WORKS 営業技術部 プロダクトテクニカルセールス課 課長の島村知子氏は説明する。

ソリッドワークス・ジャパン 3DEXPERIENCE WORKS 営業技術部 プロダクトテクニカルセールス課 課長の島村知子氏 ソリッドワークス・ジャパン 3DEXPERIENCE WORKS 営業技術部 プロダクトテクニカルセールス課 課長の島村知子氏

 国内外で広く普及する3次元設計開発ソリューション「SOLIDWORKS」は、設計開発を取り巻く環境の変化や設計者の要望に応えながらバージョンアップを重ねてきた。同時に、SOLIDWORKSに統合された設計者CAEツール「SOLIDWORKS Simulation」も操作性の向上や解析機能の強化、パフォーマンスの改善に努め、最新バージョンの「SOLIDWORKS Simulation 2023」では解析時間のさらなる高速化を図り、設計者向けCAEツールとしての完成度を高めている。

 そして、設計者CAEの適用範囲を広げ、より高度な解析を可能にする新たなソリューションが「3DEXPERIENCE Works Simulation」だ。SOLIDWORKSの使い勝手の良さはそのままに、ダッソー・システムズが保有する高度な技術や機能をシームレスに活用できる。例えば、SOLIDWORKSで設計した3Dモデルを用いて、「Abaqus」に代表される「SIMULIA」ブランドのハイエンドCAEソルバーによる高度な解析が行える。

 進化を続けるSOLIDWORKS Simulationや3DEXPERIENCE Works Simulationだが、設計者CAEによるフロントローディングの取り組みをさらに加速させるには、これらをより快適に動かすためのワークステーションの存在が重要となる。

 そこでお薦めしたいのが、デル・テクノロジーズのワークステーション「Dell Precisionシリーズ」だ。モバイル型ワークステーションの「Dell Precision 3570」「Dell Precision 3571」「Dell Precision 5770」「Dell Precision 7670」の他に、デスクトップ型ワークステーションの「Dell Precision 3460 SFF」、タワー型ワークステーションの「Dell Precision 3660 Tower」など豊富なラインアップを取りそろえる。

 これら最新のDell Precisionシリーズは、前世代製品に搭載されていた「インテル Xeon W プロセッサー」からCPUを一新し、第12世代「インテル Core プロセッサー」を搭載。高い演算処理能力を備えたPコアと省電力性能に優れたEコアによるハイブリッドアーキテクチャを採用することで効率的なタスクの割り当てを実現し、システム全体のパフォーマンスを最大限に引き出す。

 最新のDell Precisionシリーズで一体どれほどのパフォーマンスが得られるのだろうか。以下に示す9台のワークステーションを用いて、SOLIDWORKS Simulation 2023および3DEXPERIENCE Works Simulationの動作検証を行った。なお、9台目の「Dell Precision 3640」のみインテル Xeon W プロセッサーを搭載した2世代前の機種となる。

今回の検証で用いた「Dell Precisionシリーズ」 図1 今回の検証で用いた「Dell Precisionシリーズ」[クリックで拡大]
Dell Precision タワー ワークステーション
Dell Precision モバイル ワークステーション

シミュレーションのパフォーマンス検証:血管内のステント展開解析

 まず、血管内のステント展開解析(非線形接触解析)を行った。ステントは狭くなった血管を内側から広げる医療器具で、網目状で筒のような形をしている。ここでは、SOLIDWORKS Simulation 2023と3DEXPERIENCE Works Simulation(Structural Performance Engineer)を用いてワークステーションごとの解析時間を計測した。

 SOLIDWORKS Simulation 2023を用いた検証では、ステントのモデルを二次四面体でメッシュ分割したものを用いた(自由度:約32万2000)。その結果、エントリー向けモバイル型ワークステーションのDell Precision 3570とDell Precision 3571においても2時間弱で解析ができ、上位のモバイルワークステーションやタワー型では1時間程度で良好な結果が得られ、2世代前のDell Precision 3640よりも短時間で解析を完了できた。

 3DEXPERIENCE Works Simulationを用いた検証では、ステントのモデルを一次六面体でメッシュ分割したものを用いた(自由度:約30万6000)。結果は全ての機種で2〜4分台で解析が完了するという驚異的なパフォーマンスを示した。

 「3DEXPERIENCE Works Simulationによる解析はAbaqusソルバーが使えるため数分で解析が完了します。SOLIDWORKS Simulationは接触解析があまり得意ではないにもかかわらず、速いものであれば1時間程度で解析できることが証明されました」(島村氏)

「SOLIDWORKS Simulation 2023」および「3DEXPERIENCE Works Simulation」による解析時間の比較 図2 「SOLIDWORKS Simulation 2023」および「3DEXPERIENCE Works Simulation」による解析時間の比較[クリックで拡大]
Dell Precision タワー ワークステーション
Dell Precision モバイル ワークステーション
ソリッドワークス・ジャパン 技術部 テクニカルサポート課 エンジニアの陳永麒氏 ソリッドワークス・ジャパン 技術部 テクニカルサポート課 エンジニアの陳永麒氏

 さらに3DEXPERIENCE Works Simulationのパフォーマンスを検証すべく、一次六面体要素を使用して自由度を約5倍の152万4000に増やしたより複雑なステントを題材にして解析時間を計測した。使用した機種はDell Precision 3660 Tower(インテル Core i5 プロセッサー搭載)、Dell Precision 3660 Tower(インテル Core i7 プロセッサー搭載)、Dell Precision 3640の3台だ。結果は第12世代インテル Core プロセッサーを搭載する機種に軍配が上がり、インテル Core i7 プロセッサーを搭載したDell Precision 3660 Towerが最も解析時間が短かった。

 「複雑な解析モデルになればなるほど、CPUの世代の差、アーキテクチャの違いが顕著に表れます」とソリッドワークス・ジャパン 技術部 テクニカルサポート課 エンジニアの陳永麒氏は評価する。

CFDシミュレーションのパフォーマンス検証:スピーカーユニットの温度解析

 次に検証したのはスピーカーユニットの温度解析(定常解析)だ。ここでは「SOLIDWORKS Flow Simulation 2023」と3DEXPERIENCE Works Simulation(Fluid Dynamics Engineer)を用いてワークステーションごとの解析時間を計測した。

 SOLIDWORKS Flow Simulation 2023を用いた検証では、メッシュ数が約623万8000セルのモデルを対象に解析を実施した。その結果、特に良好なパフォーマンスを示したのがDell Precision 5770とDell Precision 3460 SFF(インテル Core i7 プロセッサー搭載)の2機種だ。

 3DEXPERIENCE Works Simulationを用いた検証では、メッシュ数が約892万5000セルのモデルを対象に解析を行った。使用したワークステーションは、先の検証で結果の良かったDell Precision 5770とDell Precision 3460 SFF(インテルCore i7 プロセッサー搭載)に、Dell Precision 3640を加えた3台だ。こちらの検証結果も最新世代のCPUを搭載するDell Precision 5770とDell Precision 3460 SFFが良好なパフォーマンスを示した。SOLIDWORKS Flow Simulationの結果と比較すると、3DEXPERIENCE Works Simulationが実力の違いを見せ、3機種とも30%ほどパフォーマンスが向上した。

OSを「Windows 11」にすればさらにパフォーマンスUP

 最後に、Dell Precision 3571を用いて「Windows 10」と「Windows 11」によるパフォーマンスを比較した。その結果、「SOLIDWORKS SimulationとSOLIDWORKS Flow Simulationのいずれの解析時間も、OSをWindows 10からWindows 11に変えるだけで短縮できることが分かりました」と陳氏は説明する。

 これは第12世代インテル Core プロセッサーの特徴でもあるハイブリッドアーキテクチャによるものだ。ハイブリッドアーキテクチャに用いられる「インテル スレッド・ディレクター」はWindows 11環境においてその全機能を活用できる仕様となっており、それが検証結果にも表れている。

「Windows 10」と「Windows 11」でのパフォーマンス比較 図3 「Windows 10」と「Windows 11」でのパフォーマンス比較[クリックで拡大]
Dell Precision タワー ワークステーション
Dell Precision モバイル ワークステーション

 以上の結果から、SOLIDWORKS Simulation 2023および3DEXPERIENCE Works Simulation、Dell Precisionシリーズ、Windows 11といった最新ソリューションを組み合わせることで劇的なパフォーマンス向上が期待できることが分かる。設計者CAEによるフロントローディングの実践に向けて、まずは設計環境を見直すところから始めてみてはいかがだろうか。豊富なラインアップをそろえるDell Precisionシリーズであれば、設計から解析までストレスなく作業できるワークステーションが見つかるだろう。

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アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2023年5月13日

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