老朽化が進みモダナイゼーションが遅れた基幹システム、サイロ化が進む各種業務システム、散在するデータ、そしてIT人材の不足。製造業のDXを阻むITの課題は尽きない。そうした課題を解決し得るのがノーコードでの業務アプリケーション構築を実現する「AppSQUARE」だ。
不確実性が高まる市場環境の中、製造業において事業全体の抜本的な改革を求めるDX推進の流れが起きて久しい。このDXの第一歩となるのが、アナログデータをデジタル化するデジタライゼーションであるのは言うまでもない。
だがデジタライゼーションは、必ずしも変革をもたらす解決策になるとは限らない。基幹システムを導入しても年月がたてば老朽化し、理想的な業務改革に結び付けるのが難しくなる。業務システムがサイロ化し、変革につなげられないケースも珍しくない。しかしシステムを改修したくても自社だけでは難しい。ITベンダーに依頼することになるが、コストも手間もかさんでしまいがちだ。
データ管理をExcelなどローカルツールに頼っている場合、データの一元化やガバナンスを効かせることも難しい。これではデータ活用を通じた迅速で柔軟なDXの実現は困難だろう。多くの製造業が直面するこうした問題を素早く効果的に解決し得るのが、日立ソリューションズ東日本の「AppSQUARE」だ。
AppSQUAREは「フォーム管理」「業務プロセスの管理」「ファイルのフォルダ管理」という基本機能の組み合わせによって、さまざまな業務アプリケーションを作成できるソリューションだ。最大の特徴は、プログラミングのスキルを必要とせずノーコードでアプリケーションを作成可能な点だ。
現場の業務で必要な、各種データ管理系や申請系、問い合わせ系などの各種業務アプリケーションの画面レイアウトをマウスのドラッグ&ドロップの直観的な操作で簡単に作成できる。そのため、業務アプリケーションを作成する際にプログラミング技術などITに関する知識は全く必要としない。
日立ソリューションズ東日本 ビジネスソリューション本部 Vizソリューション部 主任技師の山口優氏は「画面項目の構成に加えて、タブを用いた情報の区分けや色分け設定なども自由に行えるので見やすいデザインに仕上げられます。画像ファイルなどを添付可能にするといった設定も可能です。ITに不慣れな担当者であっても、自身が携わっている業務で利用している帳票を参考にしながらアプリケーションを作成できます」と説明する。
ログイン後のポータル画面である「マイページ」は、担当者ごとに見たい情報や業務アプリケーションを設定できる。項目単位でユーザーごとの表示/非表示を指定することも可能だ。自分が担当する作業をマイページに集約して、ToDoリストのような形にまとめられる。なお、ポータル画面の脇には質問などを投げ掛けるコミュニケーションスペースがあり、不明点があればメッセージでやりとりする仕掛けなども用意されている。
業務プロセスの管理では、審査や承認などのノード/条件分岐やノードとフォームの関連付けを簡単な操作で行える上、自分が担当する案件の件数や期日などが可視化されるので、自分のタスクを把握しやすい。シンプルなワークフローから複数の分岐や並列などが伴う複雑なワークフローまで対応した設定が可能だ。
AppSQUAREで作成したアプリケーションで扱うデータは、他のシステムと相互にデータ連携できるため、現在利用しているオフィスソフトや基幹システムとのデータ連携も可能だ。さらに、日立ソリューションズが提供するプロジェクト管理プラットフォーム「SynViz S2」と連携すると、業務データや成果物、工程を組み合わせて管理できる。プロジェクト管理のためのさまざまな情報・状況の共有や業務効率化が実現する。
製造業での活用例として、ここでは製造業界からのニーズが特に高いデザインレビュー(DR)管理の事例を紹介したい。
AppSQUAREを活用すれば、製品企画や設計から量産初期段階における初期流動までの製品開発に関する企画書、設計書、仕様書、課題管理表、開発スケジュールなどの全ての情報を蓄積し、一元管理できる。具体的には、文書の事前登録から始まり、関係者への登録通知、事前レビューを依頼する。デザインレビュー対象文書を漏れなく準備、審議した上でDRの結果について承認ワークフローを回し、最終的に承認されたDR文書を自動格納する、といった具合だ。
日立ソリューションズ東日本 マーケティング・コミュニケーション本部 プリセールス・パートナービジネス部 担当部長の佐藤伸展氏は「準備の段階で用意すべき文書の種類が設計者間で統一されておらず、必要なものがそろっていないという事態をよく聞きます。若手の設計者だとそろえるべき文書が分からないということもあります。DR管理オプションを活用することで、社内に散在する情報を抜け漏れなく一元化してDR管理を回せるようになるのです。変更履歴もまとめて管理できます」と説明する。
AppSQUAREのDR管理オプション機能を活用すれば、DR管理業務アプリケーションは簡単に作成できる。業務に合わせて自分たちで細かくレイアウト設定やワークフロー管理などが可能だ。ExcelによるDR管理では細かなカスタマイズが難しいといった課題を解決する。AppSQUAREを活用すれば、製品開発に関する情報、ノウハウを共有することで個人に依存したDR業務から脱却を図れるはずだ。
先述した通り、AppSQUAREはワークフロー管理がしやすい。ノーコード開発が可能という以外にも、この点が他の業務アプリケーション開発ツールと比べた際の大きな強みの1つとなっている。
日立ソリューションズ東日本 営業本部 パッケージソリューション営業部 部長代理の相澤勝也氏は、「AppSQUAREであれば、ワークフローに基づいた入力画面をドラッグ&ドロップで定義する際に入力条件などのプロパティ設定や各種属性に応じたアクセス制限が可能です。工場や技術部門では、単に稟議(りんぎ)書をやりとりするだけではなく自身の見解を細かく入れて文書を回していくということも頻繁に生じます。編集権限を細かくコントロールできるので、こうした業務に合ったアプリケーション作成ができると顧客から高く評価いただいています」と話す。
情報を更新した際は、誰がどのデータをどのように変えたかといった履歴情報が全て残る。管理すべき情報にしっかりとガバナンスを効かせられるため安心だ。各種申請書における承認の日時や担当者名の履歴はタイムスタンプの形で残る。これによって、さまざまな社内承認業務でのはんこ脱却を推進し、承認業務の効率化も実現する。
アプリケーションのテンプレートが豊富な点も強みだ。テンプレートは、これまで日立ソリューションズ東日本が経験してきたAppSQUAREの導入実績に基づいて作成されている。業種を問わず使えるものや製造業に特化したものなど100種類近くのテンプレートがあり、多種多様な業務にすぐに導入できる使い勝手が良いものになっているという。
先述の通り他システムとの連携力が強いということもあり、山口氏は「例えば明細書のデータが必要ならば明細書を管理する他システムからAppSQUAREのアプリケーションにWebAPIを通して情報を取り込むことも可能です」という。
簡単かつ迅速に導入でき、アプリケーション構築経験のない現場担当者でもすぐに利用できるAppSQUAREだが、よりスムーズな利活用を促すべく日立ソリューションズ東日本は各種支援を実施している。
導入に際してはハンズオンセミナーを開催している。ITに不慣れな人でも最初に触れてから半日程度で簡単なアプリケーション開発が可能になる。
「基本的には現場主導で、業務のキーマンを伴う形でアプリケーション開発を行うことができます。ただ、標準機能ではカバーしないアドオン開発などについては、情報システム部門の支援が必要です」(佐藤氏)
導入形態にはオンプレミス型とクラウドサービス型があり、導入コストなどは個別見積もり次第だが、スモールスタートであれば数万円から導入できる場合もある。この場合、工数もわずか1カ月程度に抑えられる。1個目のアプリケーションの立ち上げまで、日立ソリューションズ東日本の支援を受けて進めることもできる。「その際は、個別業務の悩み事に応じたアプリケーションを提案させていただくこともあります。問い合わせの粒度などは気にせず、まずは気軽にお問い合わせください」(相澤氏)
今後も企業における業務の在り方は大きく変わっていく中、そうした変化に対応すべくAppSQUAREはさらなる進化を続けていく。最近リリースされたDXプラットフォーム「appSQUARE DX」は、外部システムとの連携強化に加えて現場作業を委託する業者や取引先など社外の人々とのやりとりにも対応している。製造業においても、組織の枠を超えたコラボレーションが急速に浸透しつつある流れに応えるものだ。社内DXにとどまらず社外DXを実現することで企業のDXを加速する。
DXに取り組む企業は多いが、「そもそも何をやらねばならないか分からない」と悩むケースも多いはずだ。各社がIT人材の確保を積極的に推し進める中、自社にDXのための新しい人材を増やしていくのも難しい。
AppSQUAREには、現場起点で業務課題を迅速かつ簡単に解決できる仕組みがしっかりと整っている。自社内での業務変化に合わせて、必要な時に、必要な分だけ機能を調達できる。「ジャストインタイム」な業務改革を実現できるプラットフォームだといえるだろう。
佐藤氏は「AppSQUAREはさまざまな業務を効率化できます。Webベースの仕組みで操作性と拡張性、連携性にも優れています。AppSQUAREを上手に活用すれば、自社のDX化を強力に推進できるでしょう」と語った。
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提供:株式会社日立ソリューションズ東日本
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2023年3月9日