スモールスタートで製造業DXの第一歩を踏み出せるデジタル活用の“現実解”設計業務の変革とその先に向けて

製造業にもDXの波が押し寄せている。だが、実際に成果に結び付けられている現場はごく少数だ。一挙に進めようとすると大きな負担を強いられるDXだが、スモールスタートであれば地に足をつけながら段階的に無理なく進められるはずだ。そのようなニーズに応える「VDIクラウド for デジタルツイン」という選択肢を紹介する。

» 2023年02月13日 10時00分 公開
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製造業DXが進まない3つの原因

 不確実性が高まる今、あらゆる産業でデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現に向けた取り組みが進んでいる。もちろん製造業も例外ではない。3D CAD、CAM、CAEなどの3Dアプリケーションで作成したデータ(3Dモデルなど)を製造プロセス全体のバリューチェーンと連携させて活用するインダストリアルオートメーションの推進がグローバルで加速しており、その重要性が増している。

 だが、海外でのこうした動きに比べて国内製造業の動きは鈍い。その原因は3つに大別できる。一つは製造工程における作業のサイロ化だ。長年、個々の現場レベルで“カイゼン”が繰り返されてきた結果、部分最適化は実現したもののプロセスごとのサイロ化が進み、バリューチェーンの分断が生じている。そのため、製造プロセス全体におけるデジタル活用、その先のDXに向けたロードマップが描けずにいるのだ。

 もう一つは、DXに対する認識の不足だ。DXの本質は、デジタル技術を活用して業務プロセスの変革を成し遂げたり製品/サービスに新たな付加価値をもたらしてイノベーション創出につなげたりするなど、企業のさらなる成長を実現することにある。だが、“DX=デジタルへの移行”だと捉えて、デジタルツールの導入だけで満足してしまう企業も多い。特に日本の製造業は2Dの紙図面に代表されるアナログ的な要素が色濃く残っていることから、場当たり的なデジタル化だけで終わってしまうことも珍しくない。

 そして最も深刻な原因として考えられるのが、いきなり壮大なDXの青写真を描き過ぎてしまうことだ。3Dを起点にエンジニアリングから製造、販売、マーケティングのフィードバックまでを一気通貫で連携させるといった“目指すべき姿”があるはずだ。しかしそのためには膨大な初期投資や組織体制の見直し、システム運用やビジネスモデルの再構築など、非常に大きな負担が伴う。体力がある大手企業であれば別かもしれないが、その現実を目の当たりにした大半の企業は「うちではDXなんて無理だ」「どこから始めればよいか分からない」と二の足を踏んでしまう。

 こうしたDX推進の実情に対して、NTTPCコミュニケーションズ サービスクリエーション本部 第二サービスクリエーション部 サービスクリエーション担当 担当部長の柴田喜匡氏は「まずはそれぞれのプロセスをデジタル化し、データ共有の仕組みを確立して作業の効率化や生産性の向上を目指すことから始めるべきだ。バリューチェーンと連携させて会社全体として大きな成果につなげるのはその先の話だ」とくぎを刺す。

 そこで必要となるのが“現実解”として地に足のついたDX推進を支援してくれるプラットホームの存在であり、それこそがNTTPCコミュニケーションズの「VDIクラウド for デジタルツイン」だ。

ワークステーションからの解放 ロケーションフリーで3D CADを活用

NTTPCコミュニケーションズ サービスクリエーション本部 第二サービスクリエーション部 サービスクリエーション担当 担当部長の柴田喜匡氏 NTTPCコミュニケーションズ サービスクリエーション本部 第二サービスクリエーション部 サービスクリエーション担当 担当部長の柴田喜匡氏

 VDIクラウド for デジタルツインは、製造業や建設業で活用されている高精細な3Dモデルをリモート環境から手軽に操作できるクラウドプラットフォームだ。柴田氏は「VDIクラウド for デジタルツインの最大の優位性は、働く場所を選ばないロケーションフリーであることと。簡単にスモールスタートができること。そして、DXの進捗(しんちょく)に合わせてイノベーション創出を可能であることだ」と説明する。

 設計現場でも働き方改革の潮流によって、自宅や取引先、製造現場などから直接3D CADデータにアクセスして設計作業したいというニーズが高まっている。だが、設計者が扱う3D CADデータは大規模/大容量であることが多く、設計業務を行うには高性能ワークステーションが不可欠。出社するか、重たいモバイルワークステーションを持ち運ぶかのいずれかが常識だった。

 VDIクラウド for デジタルツインは、多くの現場が諦めていた設計者のリモートワークを可能にする。Windows 10/11などのOS、3D CADをはじめとする各種3Dアプリケーションの実行環境を低遅延なVDI(仮想デスクトップ インフラストラクチャ)方式で提供するクラウドサービスであり、作業するクライアント端末は必ずしもハイスペックである必要はない。「VDIクラウド for デジタルツインは、3Dアプリケーションの動作に不可欠な高性能なGPU計算環境をクラウドで提供するため、使用する端末はもちろんのこと、使用する場所も問わない。柔軟性もあり、業務内容や規模に応じてCPU、GPU、メモリ、ストレージといったコンピューティングリソースを自由に選択できる」(柴田氏)

「VDIクラウド for デジタルツイン」の全体構成図 図1 「VDIクラウド for デジタルツイン」の全体構成図[クリックで拡大]
NTTPCコミュニケーションズ 法人ビジネス推進本部 ビジネスデザイン部門 AI/IoTビジネスデザイン部の高島綜太氏 NTTPCコミュニケーションズ 法人ビジネス推進本部 ビジネスデザイン部門 AI/IoTビジネスデザイン部の高島綜太氏

 VDIクラウド for デジタルツインであれば、設計した3D CADデータもクラウドで一元管理されるため、セキュリティリスクを低減できる。クライアント端末を紛失したとしても3D CADデータが漏えいする心配はない。クラウド側の接続方式はインターネット回線だけでなく、限られたユーザーのみが利用可能な閉域網も選択可能だ。NTTPCコミュニケーションズ 法人ビジネス推進本部 ビジネスデザイン部門 AI/IoTビジネスデザイン部の高島綜太氏(高ははしごだか)は「3D CADで作成した設計データをはじめとする重要な機密情報もセキュアな通信で安全に保護できる」と語る。

 もちろん、生産性向上や作業効率の観点でも優位性を発揮する。3D CADデータはクラウドで一元管理されているため、従来のようにメールやファイル転送サービス、あるいはUSBメモリなどを介してやりとりする必要がなく、迅速かつセキュアな情報共有、合意形成が可能となる。

現場の身の丈に合った設計業務変革、製造業DXを実現

 柴田氏は「DXはいきなり背伸びをせず、自社や現場の身の丈に合った取り組みから着実に推進することだ。案件/プロジェクト単位、あるいは特定の業務プロセスなど、範囲を限定したスモールスタートで取り組むといいだろう」とアドバイスする。

 VDIクラウド for デジタルツインは、OSやインフラまでをパッケージ化し、かつ高性能GPUを仮想化して利用できるという特長を備え、ユーザーが用意した3Dアプリケーションを利用することで本業に専念することができる。サービスの基本構成として「Smallプラン」「Mediumプラン」「Largeプラン」の3つを用意しており、スモールスタートはもちろんのこと、実現レベルに応じた基本構成を選んで利用したり、CPUやメモリ、ディスクなどのリソースを追加したりすることが可能となっている。

項目 内容
提供機能 ・仮想デスクトップに必要なリソースをクラウド上で提供
 (vGPU/CPU/メモリ/ストレージ/ネットワーク)
・VDIクライアントの提供
・NVIDIA Omniverseライセンスの初期セットアップ(Omniverse利用時)
提供価格 ・初期費用:13万4800円〜(税別)
・月額費用:
 Small:4万6000円/VDI〜(税別)
 Medium:9万5000円/VDI〜(税別)
 Large:13万4800円/VDI〜(税別)
 ネットワーク基本費用:2万7000円/テナント(税別)
提供開始 2022年10月6日
保守・サポート ・故障対応(24時間365日)
・技術サポート(平日日勤帯)
表1 「VDIクラウド for デジタルツイン」のサービス提供内容について

 高島氏は、他のクラウドサービスとVDIクラウド for デジタルツインとの違い、その優位性や利用メリットについて次のように説明する。

 「主要なパブリッククラウドでもGPU環境を提供するプランは用意されている。しかしそれらはインフラのみのパーツ提供であり、必ずしも“3D CADをストレスなく操作できるスペック”だとは限らないし、サービスも十分とは言えない。また、クラウドのインフラ設計、ミドルウェアを構築する技術力が求められる。当社のVDIクラウド for デジタルツインであれば、コンピューティングリソース(インフラ層)から開発ミドルウェア層までを包括的に提供し、使い慣れた3Dアプリケーションの利用に専念できるので、自社に十分な人的リソースがなくてもすぐに導入して活用できる」(高島氏)

 VDIクラウド for デジタルツインの初期構築費用にはテナントとネットワークの構築費用が包含されており、平日日勤帯の技術サポートと24時間365日の故障対応が受けられる。

仮想空間上で3Dコラボレーション デジタルツインで設計をブラッシュアップ

 VDIクラウド for デジタルツインは、3Dアプリケーションや共有仮想空間で3Dソフトウェアを統合/接続し、リアルタイムでのコラボレーションとシミュレーションを可能にする「NVIDIA Omniverse Enterprise」(以下、Omniverse Enterprise)の実行環境としても利用することができる。

 柴田氏は「これまで小ロットで高価な製品はモックアップ(試作品)の設計/製造に数カ月かかり、さらにその検証にも時間を要することが当たり前だった。Omniverse Enterpriseを活用すれば、複数のエンジニアや設計者が同じ仮想空間でリアルタイムにモックアップの設計や検証が行えるため、設計改善などのブラッシュアップ作業が格段に効率化できる」と説明する。

 2022年10月に提供を開始したVDIクラウド for デジタルツインは、既にさまざまな規模の企業から引き合いがあるという。「デジタルツインを活用してプロジェクトメンバーが仮想空間でデザインを修正したり、光の屈折やパストレーシングを測定したりといった作業を行い、その場で改善・検証を反復していると伺っている。VDIクラウド for デジタルツインは『デジタルツインで設計開発を行うのはまだ先の話だ』と考えている企業にとっても、将来デジタルツイン活用のシナリオを念頭に何ができるかを考える第一歩になるのではないだろうか」(高島氏)

 既にAI(人工知能)やロボティクスといった技術が製造現場で活用されつつあるが、グローバルではロボット導入に向けた製造ラインのシミュレーションや工場を丸ごとデジタルツインで再現して作業者の動きや装置などの配置の最適化を図るといった取り組みも始まっている。柴田氏は「日本でこうした施策に取り組んでいる企業はわずかだが、その動向は注視しておく必要がある。まずはPoC(概念実証)で実現性や開発規模を検証し、その後で規模に応じた設備投資を判断するというアプローチにも、VDIクラウド for デジタルツインは最適だと確信している」と訴える。

 NTTPCコミュニケーションズは現在、VDIクラウド for デジタルツインのアドバンテージを体験できるキャンペーンを実施している。デジタルツインを活用したDXやインダストリアルオートメーションの推進を目指す企業はもちろんのこと、DXの第一歩として手軽にデジタル化とデータ共有の仕組みを構築して作業効率化につなげたいと考えている現場担当者は、NTTPCコミュニケーションズに相談するとよいだろう。

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提供:株式会社エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2023年3月22日