製造業の未来を支える、止まらない工場「スマートファクトリー」とはスマートファクトリー

労働人口減少が進む中で製造業の現場業務の抜本的な効率化を実現するスマートファクトリー化が加速している。その中で、「Smart10x」をベースにスマートファクトリー化の支援を進める西日本電信電話(NTT西日本)と、中小企業のIT活用を支援し製造現場のサポートも行っているエムアイティエスが、工場業務のリモート化について対談を行った。

» 2023年02月06日 10時00分 公開
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 製造現場の労働力不足が深刻化しており、その対策としてスマートファクトリー化を進める動きが広がっている。スマートファクトリーは、ICTを活用したリモート工場の実現で、遠隔オペレーションを可能にする「止まらない工場」により、労働力不足の解消や生産性向上を目指すものだ。

 このスマートファクトリー化の支援を行っているのが、西日本電信電話(NTT西日本)とエムアイティエス(MITS)だ。NTT西日本では、10の重点分野を通じて地域社会のスマート化を目指すICTソリューション「Smart10x」を展開しているが、その重点分野の1つとしてスマートファクトリーを掲げ、さまざまな課題解決や価値共創に取り組んでいる。一方MITSでは、中小企業のIT活用支援を進める一環で多くのスマートファクトリー化のサポートを行っている。

 本稿では、スマートファクトリー化推進と工場業務のリモート化について、NTT西日本 バリューデザイン部 スマート10x事業統括部の石原圭太郎氏と、MITS 代表社員 水谷哲也氏の対談の内容をお伝えする。

労働人口が減りゆく社会をDXで支える

水谷氏 少子高齢化が進み、労働人口が減少していく日本社会で、業務の効率化をいかに早く進めていけるかが、企業存続の鍵になっていくと感じています。中小企業の経営者の方たちからの昨今のご相談も、どのようにDXを進めるべきなのか、という内容が多いですね。

石原氏 製造業においては日本全体の約6割、半数を超える企業が西日本エリアにおられます。NTT西日本グループとしましても回線を提供するだけにとどまることなく、積極的に製造業のお客さまへのICTに関するご提案を進めてきました。ここ数年は、労働人口の減少という社会課題に加え、コロナ禍の影響によって原材料がなかなか届かない、ようやく到着しても罹患人数の増加で工場を止めなければならない、という非常事態も発生していると伺います。バリューチェーンを再構築し、強靭化を行う必要に迫られたことも、ICT導入に踏み出すきっかけになっておられるようです。

MITS 代表社員 水谷哲也氏。大阪府よろず支援拠点など経営、ITを中心に6000件以上の相談実績を持つ。AllAbout「企業のIT活用」ガイドを担当。 MITS 代表社員 水谷哲也氏。大阪府よろず支援拠点など経営、ITを中心に6000件以上の相談実績を持つ。AllAbout「企業のIT活用」ガイドを担当。

水谷氏 コロナ禍を経験し、世の中は驚くほどスピーディーに変化しました。長年行っている中小企業の経営相談に関しては、コロナ禍前はほぼ対面だったのが今は3分の1がオンラインです。大学の非常勤講師もしていますが、2020年からの2年間は全てオンラインの講義でした。オンラインで学び、社会人になった世代の出張に対する概念は私たちとは異なるものです。よほどの必要性を感じないと、出張する意味を見いださないでしょうね。とある工作機械の製造会社では、遠隔地での故障に対応するため、スマートグラスを採用し始めました。自分たちで現場に行くとなると、時間も交通費もかかってしまう。現場にいる作業員に対して、技術者が遠隔から判断や部品交換の指示ができることに、かなりの利便性を感じておられました。

石原氏 スマートグラスを活用したソリューションは、NTT西日本からもご提案しています。現地作業者が装着したスマートグラスから、目線の映像を遠隔にいる有スキル者に転送し、遠隔から作業支援や指示を行います。音声認識機能があるスマートグラスを用いれば、ハンズフリー操作ができ、作業を止めることなく、安全かつスムーズに作業が進められます。ただ製造業のお客さまはICT導入における費用対効果に関して、特に厳しい考えをお持ちです。スマートグラスを1台導入することで出張回数が減り、どれくらいコストダウンできるのか。導入費用に対する削減効果とあわせて、削減された稼働を何に活用するのか。さらなる成長を生む活用方法をご提案することもまた、私たちの重要な役割です。

いち早く着手して同業他社との差異化を

水谷氏 製造業の中小企業の方たちは、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めてブログやSNSで情報発信するなど、イメージアップのための取り組みをあまりしない印象です。早くDXに取り掛かれば、経営者自身がスマートファクトリーの利便性を実感できますし、「当社ではこんなことができますよ」と、取引先にアピールすることもできます。仕事を探している人だって面白そうな企業に応募しますから、優秀な人材も集まる。DXに躊躇(ちゅうちょ)しておられる経営者には「取りあえず自分で体験して知ること、そしていち早く導入することが他社との差異化になりますよ」とお伝えしています。

NTT西日本 バリューデザイン部 スマート10x事業統括部の石原圭太郎氏 NTT西日本 バリューデザイン部 スマート10x事業統括部の石原圭太郎氏

石原氏 スマートファクトリーという言葉が出始めた時に、同時にデジタルツインという言葉も出始めました。現実の世界から収集したデータを、まるで双子であるかのように、コンピュータ上で再現する技術や概念のことを指します。例えば、製造ラインの一部を組み替えた場合、事前にデジタル上でテストして結果を予測できれば、開発期間やコスト削減が見込める、といった先進的な考えも製造業の世界で浸透しつつありますね。

水谷氏 これまで試作をするには、何度も金型などを作り微調整するコストが必ずかかっていました。それが、ある程度の段階まではシミュレーションで精査して、試作にかかるコストを減らせるようになるのは、経営者にとって朗報だと思います。これまで完成までに10回の試作を行っていたところ、それが3回で済めばかなりのコストダウンにつがなります。

ニーズに寄り添い未来を見据えた提案を

石原氏 スマートグラスによるリモート作業支援のほか、工場内で起きていることを可視化・データ化する設備稼働監視、プロジェクションマッピングとセンサーを使った組み立て工程の支援ソリューション、実作業をされる方自らが簡単に作成できる、約100か国語の翻訳機能をもつ動画マニュアルの作成ソリューション、そして製造業などの産業界への導入が期待されるローカル5Gなど、当社のソリューションはジャンルも豊富です。お客さまの環境やニーズに適したDXのご提案ができると考えております。

 特にローカル5Gについては、山口県にある、ひびき精機様と2年以上前から「スマートファクトリー実現に向けたローカル5Gの活用に関する共同実験」を実施するなど、製造業に向けた展開に力を入れて取り組んでいます。

 また、製造業には人でなければできないことが必ずあるとも考えており、まずは、現場に3回訪問していた作業の2回をリモートで完了できる、10人でやっていた工場の作業を3人でできるといった変化の積み重ねで、スマートファクトリーの実現を目指します。

水谷氏 遠隔支援や動画マニュアルなどを積極的に活用すれば、コスト削減だけでなく、技能の習熟期間が短くなるなど働き方も変わるでしょうね。これまで一人前になるまで10年かかっていたことが、数年で習得できるようになるかもしれません。どんどん新しい技術を学んでステップアップできる環境は、働く人々のやりがいにもつながると思います。製造業の経営者たちの中には、進化したい気持ちは常にあるのだけれど、次の一歩をどう踏み出せばいいか悩んでいる人が多くいます。そういう人たちに、NTT西日本グループさんのソリューション提案は響くと思いますよ。

石原氏 NTT西日本は西日本エリアの30府県に支店があり、地域密着の業務運営を行っております。お客さまの作業現場で何か不具合が起こった際に、駆け付けられる組織体制は、当社の強みでもあります。また、NTT西日本グループとして、これまで培ってきたネットワークに関するノウハウを生かし、お客さまが抱えておられる課題の解決に資するアプリケーションや情報セキュリティ、バックオフィスのアウトソーシングなどトータルな提案によって、その地域の製造業が抱える特有の課題解決を実現する企業を目指しています。

NTT西日本の「スマートファクトリーソリューション」

 ICTを活用した遠隔オペレーションを可能にする「止まらない工場」=スマートファクトリーの実現に向けた、さまざまなソリューションの総称。リモート作業支援、設備稼働監視、動画マニュアル、ローカル5Gなどを必要に応じて組み合わせ、業務効率化・生産性向上をはじめ、技術継承・労働力不足解消を支援し、地場産業の強靭化を目指す。

NTT西日本の「スマートファクトリーソリューション」 NTT西日本の「スマートファクトリーソリューション」提供:NTT西日本

※)本記事はNTT西日本から提供されたコンテンツをMONOist編集部で一部編集し転載したものです。

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アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2023年2月20日