高度化するモノづくりを強力に支援する3D CAD向けワークステーションの最適解設計現場が求める理想の環境とは

現代のモノづくりに欠かせない3D CADをはじめとするデジタルツールの活用。その価値を最大限に発揮し、設計業務を着実に遂行するためには、性能だけでなく、システムとしての安定性も兼ね備えた信頼性の高いワークステーション環境が不可欠だ。今、設計現場が選ぶべき最新世代のワークステーションを紹介する。

» 2023年02月06日 10時00分 公開
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 製造業におけるICT活用の拡大はとどまるところを知らない。例えば、製品開発の現場に目を向けて見ても、設計部門では3D CADやCAEツールなどを積極的に導入し、作業効率化のみならず、生産性や品質の向上、リードタイム短縮につなげている。特に、近年の3D CADやCAEツールの進化は目覚ましく、高機能化/多機能化が進み、できることが格段に増え、より高度なモノづくりの実現を可能としている。

 その一方で忘れてはならないのがハードウェア環境だ。どれだけツールが進化したとしても、それを実際に動かすハードウェア環境が貧弱であれば、ツール本来の価値を最大限に発揮することはできない。市場競争が厳しくなる中、製品開発における上流工程でのフロントローディングの実現は不可欠であり、設計者の業務を支える設計環境の重要性は今後さらに増していくことが予想される。

 では、これからのモノづくりに向けて、設計部門はどのようなハードウェア環境を選択すべきなのだろうか――。

設計部門が求めるワークステーション環境とは

 この問い掛けに対し、「3D CADなどを扱う設計現場では特にパフォーマンスが重視されるため、ハイスペックなマシンが求められるのは当然だが、とにかく処理能力が高ければよいというものではない。対象業務を行う上で十分なパフォーマンスを発揮するとともに、安定した信頼性の高い動作環境を提供できるワークステーションが理想といえるだろう」と語るのは、日本HP パーソナルシステムズ事業本部の大橋秀樹氏だ。

日本HP パーソナルシステムズ事業本部の大橋秀樹氏 日本HP パーソナルシステムズ事業本部の大橋秀樹氏

 処理能力だけを追求したハードウェア環境の場合、消費電力が増え、筐体内部における発熱の増加にもつながり、システムの安定性が損なわれてしまう可能性がある。製品開発における重要資産ともいえる設計データを守り、業務の継続性を維持するためにも設計業務に最適なワークステーションを選択する必要があるのだ。

 一方、3D CADによる設計/モデリング作業に求められる要件に目を向けてみると、シングルスレッドで処理されるツールがほとんどであるため、シングルコアのクロック周波数を重視した環境を求める傾向が強い。だが、ツールの進化に伴い、ここ数年で設計者の役割や業務範囲もより広がりをみせており、「『大規模なアセンブリを扱いつつ、さまざまな解析も実施したい』『高解像度のレンダリングに挑戦したい』といった要望が多く聞かれるようになり、優れたマルチスレッド性能やグラフィックス性能を備えたワークステーション環境に対するニーズが増している」と大橋氏は近年の変化について指摘する。

 こうした時代に即したニーズに応え続けているのがHPだ。同社は、製造業をはじめとするあらゆる産業、ビジネスの現場に対し、30年以上にもわたりワークステーション製品を開発、提供し続けている。「日々進化する最新世代のCPUやGPUなどを用いながら、あらゆる業務要件に適したパフォーマンスと安定性を発揮する信頼性の高いハードウェア環境を提供できるかが、われわれの腕の見せ所だ。HP Workstationは14年連続国内シェアNo.1(※1)を誇り、あらゆるビジネスシーンを支え続けている」(大橋氏)。

※1:2008〜2021年、出典:IDC’s Worldwide Quarterly Workstation Tracker Share by Company, 2022 Q2

性能と安定性を両立し、設計現場の要求に応える「HP Z2 G9」シリーズ

 このようなニーズに応える設計現場向けのワークステーションとして、近年導入が増えているのが、CPUに最大16コア、24スレッドでの処理が可能な第12世代インテル Core プロセッサーを採用するデスクトップ型ワークステーションの「HP Z2 G9」シリーズだ。同シリーズでは、タワー型の「HP Z2 Tower G9 Workstation」、タワー型と比べて約50%の省スペース化を図ったスリム型の「HP Z2 SFF G9 Workstation」、ミニ筐体を採用するコンパクト型の「HP Z2 Mini G9 Workstation」の3機種を用意している。

高い処理能力と省スペースを両立するスリム型ワークステーション「HP Z2 SFF G9 Workstation」 高い処理能力と省スペースを両立するスリム型ワークステーション「HP Z2 SFF G9 Workstation」[クリックで拡大]

 従来シリーズでは、CPUにエントリー向けのインテルXeon-W プロセッサーを搭載していたが、最新のHP Z2 G9シリーズでは第12世代インテル Core プロセッサーに置き換わり、性能、信頼性、品質がさらに増し、エントリーレベルのワークステーションとして設計業務での利用に適している。「“Alder Lake”こと第12世代インテル Core プロセッサーは、高い演算処理能力を備えたPコア(Performance Core)と省電力性能に優れたEコア(Efficient Core)による『ハイブリッドアーキテクチャ』(※2)を採用することで、シングルスレッドでの高速処理をPコアで、マルチスレッドでのバックグラウンド処理をEコアでといったような効率的なタスクの割り当てが可能になり、システム全体のパフォーマンスを最大限に引き出すことができる」と大橋氏は太鼓判を押す。

※2:ハイブリッドアーキテクチャによるPコア/Eコアの効率的なタスクの割り当てには「Intel Thread Director」が用いられている。Windows 10およびWindows 11環境で利用可能だが、全機能をフルに活用するためにはWindows 11環境が必須となる。

HP Z2 Mini G9 Workstationと前々世代のG4モデルによる3D CADの作図性能比較(HP調べ) HP Z2 Mini G9 Workstationと前々世代のG4モデルによる3D CADの作図性能比較(HP調べ)[クリックで拡大]
HP Z2 Mini G9 Workstationと前々世代のG4モデルによる3D CADの起動/ファイルオープン/保存性能比較(HP調べ) HP Z2 Mini G9 Workstationと前々世代のG4モデルによる3D CADの起動/ファイルオープン/保存性能比較(HP調べ)[クリックで拡大]

 さらに、第12世代インテル Core プロセッサーから新たに「ECC(Error Checking and Correcting)メモリ」の利用が可能となった。大規模アセンブリや大容量の設計データを3D CADで扱うような場合、データを一時的に格納するメモリ上でのエラーを原因とするシステム停止やデータ破損は避けたいところだ。内部データ破損の検出と修正を行うECCメモリは、これまでXeon プロセッサーでの搭載が可能だったが、第12世代インテル Core プロセッサーでも利用できるようになり、安定稼働が要求される設計業務に適したワークステーション環境の実現に寄与している。

 その他、ハードウェアレベルでのセキュリティ機能などを提供するインテル vPro プラットフォームと、OSを中心とした3層構造でマシンを守るエンドポイントセキュリティ「HP WOLF SECURITY」との組み合わせによるゼロトラストセキュリティを実現できる点、そして主要な3D CADやCAEツールなどが正しく動作することが保証されたISV認定を受けた環境であることも付け加えておきたい。

第12世代インテル Core プロセッサーを搭載する「HP Z2 G9」シリーズ 第12世代インテル Core プロセッサーを搭載する「HP Z2 G9」シリーズ[クリックで拡大]

3D CAD利用に適した「HP Z2 SFF G9 Workstation」

 このように、設計部門にとって理想的なワークステーション環境を提供するHP Z2 G9シリーズだが、「その中でも、特に3D CAD利用を中心とする設計現場向けワークステーションとしてお薦めしたいのが、HP Z2 SFF G9 Workstationだ」と大橋氏は述べる。

 HP Z2 SFF G9 Workstationは、第12世代インテル Core プロセッサーとECCメモリの搭載により、パフォーマンスと信頼性を兼ね備えたエントリークラスのワークステーションとして位置付けられており、3D CADを用いた設計/モデリング作業はもちろんのこと、設計者がCAEやレンダリング処理などを行う際にも十分に力を発揮する。メモリは最大128GBまで搭載可能で、グラフィックスは省スペースな筐体でありながら「NVIDIA RTX A2000(12GB)」まで搭載することが可能である。「従来、小型筐体のワークステーションの場合は性能の高いグラフィックスカードを選択できなかったが、HP Z2 SFF G9 Workstationやコンパクト型のHP Z2 Mini G9 Workstationでは、そうした制約に縛られることなく、十分なグラフィックス性能を備えた環境で設計業務を遂行できる」(大橋氏)。

スリム型の「HP Z2 SFF G9 Workstation」はタワー型の「HP Z2 Tower G9 Workstation」と比べて約50%の省スペース化を実現している スリム型の「HP Z2 SFF G9 Workstation」はタワー型の「HP Z2 Tower G9 Workstation」と比べて約50%の省スペース化を実現している[クリックで拡大]

 もちろん、流体解析などのより高度なシミュレーションや高精細で大規模なレンダリング、VR(仮想現実)を用いたデザインレビューなどを要求するような場合には「NVIDIA RTX A4500」を搭載できるHP Z2 Tower G9 Workstationを推奨するが、3D CADを中心とした設計業務利用という意味では、HP Z2 SFF G9 Workstationがバランスのとれた構成といえるだろう。

 一方、省スペースで十分なパフォーマンスが発揮できるとなると、筐体内部の熱の問題が気掛かりだ。熱が筐体内部にとどまり高温状態になると、熱暴走を引き起こしてシステムの安定稼働の妨げになるばかりか、故障につながりハードウェアの寿命を縮めてしまう恐れもある。そうした事態に陥らないためのHPの解が「相変化型クーリング」である。

ヒートパイプと放熱フィンを組み合わせた相変化型クーリングを採用した ヒートパイプと放熱フィンを組み合わせた相変化型クーリングを採用した[クリックで拡大]

 「相変化型クーリングは、デスクトップ型ワークステーションとしてHP Z2 G9シリーズで初めて採用した最新の冷却ソリューションで、もともとはノートPCなどのモバイル製品で活用されてきた技術を応用したものだ」(大橋氏)。CPUなどの発熱源から熱を集めるヒートジャケット、そこから熱を一方向に誘導するヒートパイプ、そして、ヒートパイプで伝わってきた熱をファンの風を使って外部に放熱するフィンで構成され、ヒートパイプ内部に封入された液体(冷却液)が温められて蒸気となる際の気化熱を利用して冷却効果を生み出す仕組みだ。これにより、筐体内部の熱伝達を最適化して、従来の冷却機構よりも優れた性能と信頼性を実現しているという。こうした地道な熱対策一つ取ってみても、HPの高い技術力と安定稼働の実現に向けた強い姿勢がうかがえる。

 そうした思いはサポートサービスにも反映されており、日本HPでは専任技術者による専用窓口を東京都内に設けており、平日はもちろんのこと、土日祝日でも電話対応可能な体制を構築している(年末年始を除く)。また、万一の障害発生時には休日修理やオンサイトでの翌日サポートも受けられる。こちらは標準で3年間となっているが、オプションを利用すれば最大5年まで延長できる他、緊急時の当日対応も利用可能だ。こうした手厚いサポートを受けられる点もぜひ押さえておきたい。

「Windows 11」対応に向けた段階的なステップアップにも

 現状、設計現場で使用されている3D CADやCAEツール、あるいはそれらのアドオンや周辺システムなどは、Windows 10での利用を前提にしたものがまだ大半を占めているだろう。そのため、HP Z2 SFF G9 WorkstationをはじめとするHP Z2 G9シリーズでは「Windows 11 Pro」からダウングレードした「Windows 10 Pro」をOSとして選択できるようになっている。

 これは、既存ツールやシステムの利用を継続しつつ、段階的にWindows 11対応を進めていきたいと考えている設計現場にとってありがたい選択肢といえる。アップグレードしてWindows 11 Proへの移行が完了すれば、第12世代インテル Core プロセッサーの特徴であるハイブリッドアーキテクチャの能力を最大限活用することも可能だ。将来に向けたステップアップという意味からも、3D CAD業務のメイン環境として、HP Z2 SFF G9 Workstationの導入を前向きに検討してみてはいかがだろうか。

 現在、日本HPではスリム型のHP Z2 SFF G9 Workstationとタワー型のHP Z2 Tower G9 Workstationを安価に導入できるキャンペーンを展開中だ。興味のある方は、ぜひキャンペーンページをご覧いただきたい。

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提供:株式会社日本HP
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2023年2月25日