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» 2022年01月11日 10時00分 公開

日立が実践する、日本のモノづくりを飛躍に導く設計業務革新「EngineeringDX」とは設計業務DX

製造業のDX推進を成功に導くには、設計業務において「フィジカル空間」の情報を「デジタル空間」へフィードバックする「EngineeringDX」が必要になる。このEngineeringDXに積極的に取り組む日立製作所が、同社の成果を広く活用できるようにクラウドサービスとして構築したのが「日立クラウド型設計業務支援サービス」だ。「従量課金型プライベートクラウドサービス」と組み合わせれば、さらに活用のレベルを向上できる。

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 企業と消費者それぞれを取り巻く環境が急速にデジタル化される中にあって、ビジネスで競争優位を発揮するためにデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが急務となっている。それは日本の中心的な産業である製造業においても例外ではない。とりわけ製造業におけるDXでは、まずは設計業務を中心とする上流工程に重きを置き、製品やモノづくりの価値向上につなげる「EngineeringDX」こそが、大きなカギを握ることになる。

 EngineeringDXでポイントとなるのが、いかにフィジカル空間の情報をデジタル空間へフィードバックして、品質向上のサイクルを構築するかである。そしてそれには、従来の部署や拠点ごとに分散されてバラバラだったシステムをシームレスにつないで、統合的なデジタルワークプレースプラットフォームをクラウド上に実現することが求められることになる。

日立の知見とノウハウを盛り込んだ「EngineeringDX」を実現するソリューション

 現在、このEngineeringDXに積極的に取り組んでいるのが、日本を代表する製造業の1社である日立製作所および同社を中心とした日立グループである。そして、そんな日立グループにおけるEngineeringDXの取り組みの成果を、どの企業でも活用できるようにクラウドサービスとして構築したのが「日立クラウド型設計業務支援サービス(Hitachi Digital Supply Chain/Design Service:DSC/DS)」だ。

日立製作所 DXクラウドソリューション部 主任技師の田中良憲氏 日立製作所 産業・流通ビジネスユニット デジタルソリューション事業統括本部 エンタープライズソリューション事業部 産業システム本部 DXクラウドソリューション部 主任技師の田中良憲氏

 2016年に外販を開始した日立クラウド型設計業務支援サービスは、大まかに「3次元仮想デスクトップサービス」「設計業務ナビゲーション」「気付き支援CADシステム」に分けられる。さらに、これらを日立独自の「従量課金型プライベートクラウドサービス」上で展開することによってEngineeringDXのレベルをさらに高めることが可能になる。

 日立製作所 産業・流通ビジネスユニット デジタルソリューション事業統括本部 エンタープライズソリューション事業部 産業システム本部 DXクラウドソリューション部 主任技師の田中良憲氏は「かつて多くの製造業と同じ課題を抱え、それを解決することに成功した当社グループにおける知見をふんだんに盛り込むことで、製造業におけるEngineeringDXを強力に支援するサービス・ソリューション群に仕上がっていると自負しています」と語る。

「EngineeringDX」が製造業のDXを推進する 「EngineeringDX」が製造業のDXを推進する[クリックで拡大]

設計現場のリモートワーク推進にも大きく貢献

 日立クラウド型設計業務支援サービスのうち、3D CADやCAEといった高い処理性能を求められる設計開発用のITツールをクラウド経由で快適に利用できるようにするのが「3次元仮想デスクトップサービス」である。同サービスは、いわゆるDesktop as a Service(DaaS)の形態となっており、後述する設計業務ナビゲーションと連携することで、3Dデータや製品仕様書、プロジェクト進捗といった設計業務に関連するデータを、クラウド上で集約、一元管理し、画面上に表示することが可能となる。これにより、設計業務に必要な機能を網羅的にクラウド上で実現するのである。

日立製作所 DXクラウドソリューション部 技師の高島洋介氏 日立製作所 DXクラウドソリューション部 技師の高島洋介氏

 日立製作所 DXクラウドソリューション部 技師の高島洋介氏は「これまでの設計業務はローカルのワークステーション上で行い、成果物である設計データは別途の方法でやりとりするのが一般的でした。3次元仮想デスクトップサービスにより、設計データなどの機密管理やデータ交換から、設計プロセス管理、CAE自動化などに至るまで、統一された環境の下で、いつでも、どこでも、シームレスに設計作業を推進できるようになります」と説明する。

 また、3次元仮想デスクトップサービスを利用することで、運用費用の削減や、情報漏えいリスク低減、いつでもどこからでもアクセスして3D CADツールの利用が可能、さらに各種設計開発用ITツールのライセンスを共有する場合には、作業端末の台数や設計環境を最適化できるなど、さまざまなメリットを享受できる。

3次元仮想デスクトップサービスのメリット 3次元仮想デスクトップサービスのメリット[クリックで拡大]

 日立グループは、コロナ禍以前から業務のリモート化に注力しており、3次元仮想デスクトップサービスも複数の部門で先行的に利用が進められている。例えば、日立でサーバやストレージ製品の設計開発を担っているITプロダクツ統括本部では、設計業務のために専用の部屋に設置して利用していた高性能ワークステーションを3次元仮想デスクトップサービスに置き換えることで、マシン稼働率を40%程度から70%以上に引き上げることができた。さらに、設計者や設計量の増減に応じてマシンリソースを調整するなどして、マシン利用コストを従来比で30〜40%低減することに成功したという。「3次元仮想デスクトップサービスの利用により、コロナ禍においてもリモートワークへと移行しやすいことから需要が増加しており、当社グループ内でもユーザー数は従来比で3倍にまで伸びています」(高島氏)。

作業の手戻りや設計不良の防止、熟練者の技術伝承にも貢献

 一方、設計業務ナビゲーションと気付き支援CADシステムは、3次元仮想デスクトップサービスによって一新した設計環境において、情報管理や設計ノウハウの共有などに役立つツールとなっている。

 まず、設計業務ナビゲーションは、組織と企業横断で、共通のプロセスに基づいた設計情報の管理を可能とするサービスである。共有したドキュメントを活用することで、チームとしてのノウハウの共有を容易にし、協調作業を促進する。

 ポータル画面には、作業プロセス、設計情報・ノウハウを表示し、蓄積された情報を活用しやすくなっており、スムーズに作業を推進する。過去の類似設計プロジェクトを呼び出しての流用や、過去の作成資料を検索しての活用なども可能となっている。また作成した資料の共有や、作業時に創造された新しいノウハウの共有など、設計業務の全社的なレベルアップにも貢献する。このように設計業務ナビゲーションには、設計業務に関するノウハウの共有を促すさまざまな仕組みが用意されているのだ。

 中でも特筆に値するのが設計文書活用促進ソリューションだろう。同ソリューションは、設計データや過去事例など蓄積した過去のナレッジを人工知能(AI)が分析・学習し、設計者が文書を検索しやすい形で提示する。過去に起きた不具合事象やその原因、対処方法などとの関連性を観点マップに可視化し、自分の観点に抜け漏れがないかを確認することが可能だ。また、観点マップに基づいて、関連性の高い資料を抽出・提示するため、個人の経験やスキルに依存せず、必要な情報に素早くたどりつけるのである。

日立製作所 DXクラウドソリューション部 技師の新谷政樹氏 日立製作所 DXクラウドソリューション部 技師の新谷政樹氏

 例えば、電子機器の回路が集約されるプリント基板の設計業務では、使用する基板材料を基点にして、頻繁に発生する問題事象や一緒に使われる材料などとの関連性について設計文書活用促進ソリューションが観点マップによる可視化を行う。これによって、新たな観点の気づきを得られ、自身の観点に抜けや漏れがないかを確認できるという。

 日立製作所 DXクラウドソリューション部 技師の新谷政樹氏は「設計業務ナビゲーションにより、設計業務にまつわる各種データをクラウド上に集約し、一元管理することで、迅速なデータ共有が可能となるのに加え、設計プロジェクトの関係者全員が同じ設計プロセスに基づいて業務を進められるので、作業の手戻りや設計不良を防止できるようになります。また、熟練設計者の知識や技術をメモとして残すことも可能であり、技能伝承などにも活用できます」と述べる。

不良を作らない、不良を流さない

 多くの設計現場では、各種の設計ノウハウが設計ルールとして蓄積しているものの、経験の浅い設計者が全ての設計ルールを把握することが困難であったり、設計ルールチェックに時間を要したりといった課題が存在する。これらの課題を解決するソリューションとなるのが気付き支援CADシステムである。同システムは、設計要件(設計ルール、加工しやすさ)に基づいて3D CADモデルを自動でチェックし、違反箇所と違反理由を設計者に提示することで、不良の削減とともに設計者の育成を図れるのだ。

 気付き支援CADシステムの最大の特長となるのが、あらゆる設計要件のチェックに対応可能な標準ライブラリ機能を有していることだろう。これら標準ライブラリの組み合わせによって、設計要件のチェックに求められる検知ロジック・パラメータを実現できるのだ。そして、同システムの自動チェック機能の活用によって、熟練者と同品質のチェックを全ての設計者が行えるようになるとともに、その知見やノウハウをデジタルに管理して伝承できるようになり、経験の浅い設計者のスキルアップにもつなげられる。

 なお、気付き支援CADシステムに対応する3D CADツールは「SOLIDWORKS」と「CATIA V5」となっており、2021年度中には「Creo」にも対応する予定。他の3D CADツールについても対応を進めていきたい考えだ。「設計業務ナビゲーションと気付き支援CADシステムを組み合わせることで、不良を作らない、不良を流さない仕組みを構築することができるのです」(新谷氏)。

設計業務ナビゲーションと気付き支援CADシステムを組み合わせた設計業務改革のイメージ 設計業務ナビゲーションと気付き支援CADシステムを組み合わせた設計業務改革のイメージ[クリックで拡大]

運用サービス付きの完全クローズドな従量課金型IaaS

日立製作所 DXクラウドソリューション部の技師の永島由貴氏 日立製作所 DXクラウドソリューション部の技師の永島由貴氏

 そして、日立クラウド型設計業務支援サービスの価値を最大限に発揮するのに大きく寄与するのが、従量課金型プライベートクラウドサービスである。同サービスが一般的なパブリッククラウドのIaaSと大きく異なるのが、顧客が指定したデータセンターにその顧客の占有環境を構築して提供することで、完全にクローズドでセキュアな環境を利用できることにある。つまり、顧客企業の事業所内などにプライベートクラウドを構築できるというわけだ。これに加えて、顧客の占有環境は、日立運用センターによってリモート運用されるので、自社でデータセンターを構築して運用するプライベートクラウドと比べて運用管理による負荷を大幅に軽減できるようになるという利点もある。

 日立製作所 DXクラウドソリューション部の技師の永島由貴氏は「製造業の設計業務では機微な情報を扱うこともありパブリッククラウドの利用が制限されますが、オンプレミスでは運用負荷が大きいという課題があります。パブリッククラウドを使う場合でも、運用管理のための人もスキルも維持する必要があり、人的負荷はオンプレミスとそれほど変わりません。これらに対して、当社のプライベートクラウドサービスはお客さまの求める場所に構築できるとともにマネージドサービスとなっており、初期の導入に必要な作業も含めて標準サービスに含まれているので、お客さま側の人的負荷は生じません。自社だけで使えるプライベートクラウドを、すでに完成した状態からすぐに使い始めることが可能となっています」と強調する。

「従量課金型プライベートクラウド」のサービス提供イメージ 「従量課金型プライベートクラウド」のサービス提供イメージ[クリックで拡大]

 また同サービスでは、割り当て分のサービス料金のみが発生する月単位の完全単価型の従量課金方式を採用している。このため初期費用をかけることなく、1ゲストOSごと(基本サーバセット+追加CPU+追加メモリー+追加ディスク)に柔軟にリソースを増減しながらのインフラ利用を実現するのである。「おおむねゲストOS数十台を超えたあたりから、パブリッククラウドよりもコストメリットが上回るようになります。利用する台数が増えれば増えるほどコストメリットが拡大していくのも、本サービスの大きなメリットの1つといえるでしょう」(永島氏)。

1ゲストOSごとに柔軟にリソースを増減しながらのインフラ利用を実現する 1ゲストOSごとに柔軟にリソースを増減しながらのインフラ利用を実現する[クリックで拡大]

蓄積された設計の知見やノウハウとデジタルの力をうまく掛け合わせる

 日立クラウド型設計業務支援サービスは、すでに主要な製造業各社で採用されており、提供サイト数も22に及んでいる。従量課金型プライベートクラウドサービスについては、製造業に限らず、流通業や地方自治体といった幅広い業種業界から引き合いがあるという。

 田中氏は「これまで日本のモノづくりの世界は“すり合わせ”の文化が美談として語られ続けてきました。しかしEngineeringDXを実現するためには、いったんあえてそこを崩してから、新たな文化と融合を図っていくことが欠かせないでしょう。そこを当社のサービスを通じて一緒になってお手伝いできればと願っています。これまで蓄積された設計の知見やノウハウと、デジタルの力をうまく掛け合わせることができるよう、日本のモノづくりを支援していきます」と述べている。

左から、日立製作所 産業・流通ビジネスユニット DXクラウドソリューション部の田中良憲氏、新谷政樹氏、高島洋介氏、永島由貴氏 左から、日立製作所 産業・流通ビジネスユニット DXクラウドソリューション部の田中良憲氏、新谷政樹氏、高島洋介氏、永島由貴氏。「EngineeringDX」で日本のモノづくりを支援する

 なお、日立製作所は、オートメーションと計測の先端総合技術展「IIFES 2022」(2022年1月26〜28日、東京ビッグサイト)に出展する。日立クラウド型設計業務支援サービスや従量課金型プライベートクラウドサービスを体験できる展示が用意されるので、この機会にぜひ検討してみてはいかがだろうか。

※製品の改良により予告なく記載されている仕様が変更になることがあります。

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提供:株式会社 日立製作所
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2022年2月6日