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» 2021年12月13日 10時00分 公開

学習データの作成からデプロイまで、ノーコードで完結。画像認識AI開発の“内製化”によるベネフィットとは?製造現場向けAI技術

製造業がAI導入を進める上で最も注目しているのが、検品・検査工程における精度向上や自動化/省人化だ。その際に必要になる、画像認識技術の導入やAIモデルの開発を“自社で内製化”できるのが、今回紹介する『AI・画像認識ワークステーション「タクミノメ」』である。国内屈指のデータサイエンスカンパニーであるALBERTとAIプラットフォームの構築で国内有数の実績を持つNTTPCコミュニケーションズの共同企画製品として、2021年11月25日にリリースされたばかりだ。クラウドと異なり、ランニングコストの負担から解放される上に、セキュリティの観点からもデータを社外に出す心配がなくなる。また、AI開発の外部委託が不要になるメリットはかなり大きい。製造業にとってAIはいよいよ身近なものになろうとしている。

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 国内製造業の多くがAI(人工知能)の導入を積極的に進めようとしている。特に目立っているのが、製造工程における検品・検査の精度向上や自動化/省人化に対するニーズの高まりだ。

 ただし、まだ課題も多い。情報処理推進機構(IPA)が2021年10月11日に公開した「DX白書2021」によれば、「AI白書2019」の調査で国内企業の多くがAI導入課題として挙げていた「自社内にAIについての理解が不足している」「導入効果が得られるか不安である」「手軽に利用できるAIのサービスや製品がない」は減少傾向にあるものの引き続き高い比率にとどまっており、さらに「AI人材が不足している」と答えた企業が急増している。

 この調査結果にある通り、AIへの理解が徐々に進む一方で、自社にAIを導入するための技術的なスキルやノウハウの不足がはっきりと認識されてきたという現状が見えてくる。特に製造業の場合、自社の技術者がAIの専門家ではなく、新たにAI人材を育成している余裕も多くはないこともあり、AI関連の開発を外部委託する例も少なくない。しかし、外部委託では、高いコストや構築したAIアルゴリズムのブラックボックス化、プロジェクトの長期化、何よりAIに関するノウハウを社内に蓄積できないといった課題がある。

 このような製造業のAIに関する課題を解決するのが、ALBERTが開発したAI・画像認識ツール「タクミノメ」である。

AI・画像認識技術による検品・検査工程の自動化ニーズに応える

 ALBERTは「データ分析で顧客の課題を解決する」ことを主事業として手掛けてきた企業だ。創業から15周年を迎えた2020年には新たなミッションを定め、各産業と横断的に関わることにより、主要産業におけるAIアルゴリズムとデータの触媒機能(CATALYST)となり、産業間のAIとデータのシェアリングを促進する「CATALYST戦略」を掲げている。

ALBERT ビジネス推進本部サービス推進部 セクションマネージャーの中野和俊氏 ALBERT ビジネス推進本部サービス推進部 セクションマネージャーの中野和俊氏

 このCATALYST戦略の下で、検品・検査工程を自動化したい製造業など向けにAI・画像認識技術を汎用的に活用できるツールとして開発されたのがタクミノメなのだ。ALBERT ビジネス推進本部サービス推進部 セクションマネージャーの中野和俊氏は、タクミノメ開発の背景について「周知の通り、製造業の検品・検査は機械による代替がきかず、多くの工場で人手に依存してきた工程です。しかし、このスキルを保有する熟練者は高齢化が進んで退職していき、新しい人材の採用や定着も思うように進まず、深刻な人手不足やスキル継承の課題を抱えています。そうした中で高まってきた目視検査の工数削減、判別基準の標準化といったニーズに応えたいと考えました」と語る。

 実際、人の目に代わるAI・画像認識技術は急速な勢いで需要を拡大している。ミック経済研究所が2021年に発表した調査結果によれば、AI活用の画像認識ソリューションの国内市場規模は2021〜2025年度にかけて年平均成長率60.8%で成長を続け、2025年度には2,300億円まで拡大すると見込まれている。そして同ソリューションに分類されるさまざまな製品分野のうちで、2020年度の市場規模として最も多くの割合を占めているのが、不良品検知(製造工場における外観検査・青果の選果)なのだ。

アノテーションから学習、検証、デプロイまでを一気通貫で完結

 AI・画像認識の需要が拡大しているということは、当然そこには多数のベンダーが参入してくる。国内市場でも90社以上の競合製品がしのぎを削っている状況だ。そうした中でタクミノメはどんな強みを備えているのだろうか。製造業に向けてALBERTが訴求しているのが次の3点だ。

 1つ目は、プログラミング知識が不要であることだ。「これまでAIを扱うためにはPythonなどのプログラミング言語が必須とされましたが、タクミノメはそういった専門的な知識がなくてもGUI上で直感的にAI・画像認識モデルを構築することができます。また、良品と不良品を見分ける境目を調整するしきい値の変更も同様にGUI上で簡単に行うことができます」(中野氏)。

「タクミノメ」の特長 「タクミノメ」の特長。GUI上で直感的にAI・画像認識モデルを構築できる[クリックで拡大]

 2つ目は、アノテーションを含めた作業を管理する仕組みを整えていることだ。アノテーションとは、AIが正しい判断を行うための学習に必要となる教師データを作成する作業である。検品・検査では、判定対象とする製品や仕掛品のサンプル画像を投入するとともに、それぞれの画像に対してそれが良品であるのか、あるいは不良品であるのかを人間が指示(タグ付け)し、繰り返し学習させることで判定精度を高めていく。

 中野氏は「一般的な画像認識AIの開発は、アノテーションとAIモデル構築で別々にツールを用意しなければならないのですが、タクミノメはこの2つのツールを統合しており、アノテーションから学習、学習結果(精度)の比較、AI・画像認識モデルの実装まで、全ての開発作業を一気通貫で実行することができます。また、多数の教師データを作成しなければならないアノテーション作業は複数人で行いますが、タクミノメはこれらの作業の進捗状況を確認できる管理機能も備えており、AI開発を実務として効率的に行うための工夫もこらしています」と説明する。

アノテーションから実装までAIモデル開発プロジェクトを一気通貫で実行できる アノテーションから実装までAIモデル開発プロジェクトを一気通貫で実行できる[クリックで拡大]

 そして3つ目は、ALBERTが培ってきたさまざまなAI技術が組み込まれていることだ。同社はトヨタ自動車やKDDIといった各産業のリーディングカンパニーをはじめ、画像認識を含めた数百件以上のAI・分析プロジェクトに携わってきたことで知られている。「タクミノメは当社のAIに関する知見やノウハウが生かされています」(中野氏)という。

電子部品の外観検査に加え、設計図面の判定などでも採用

ALBERT ビジネス推進本部営業部 パートナー営業担当の大神健二氏 ALBERT ビジネス推進本部営業部 パートナー営業担当の大神健二氏

 これらの特徴により、タクミノメは、これまで製造業がなかなか取り組めなかったAI・画像認識の導入や活用の内製化を後押しするのである。専門業者に委託せざるを得なかった作業が自社内で対応できるようになることで、外注コストの削減やAI導入・改修の迅速化といったメリットを得られる他、社内でのAI人材育成につなげることも可能となる。

 ALBERT ビジネス推進本部営業部 パートナー営業担当の大神健二氏は、「ツールの使い方はもちろん、モデル構築のポイントについても経験豊富なALBERTのデータサイエンティスがサポートしますので、AIの専門技術者のいないお客さまも安心して内製化に踏み出すことができます」と強調する。

 実際に、ある電子部品メーカーは、新たな不良モードが発見された際にも外観検査の不良判定の検出精度が下がらないようにするため、自社内で都度アノテーションおよび再学習を行うことを目指してタクミノメを導入した。これによってこの電子部品メーカーは、コスト削減と時間短縮を図りつつ高い判定精度を維持し続けている。

電子部品メーカーにおける「タクミノメ」の採用事例 電子部品メーカーにおける「タクミノメ」の採用事例[クリックで拡大]

製造業のベネフィットを考慮して、AI・画像認識ワークステーション「タクミノメ」を企画・リリース

 このタクミノメを製造業にとってより使いやすい形で提供するために、開発元であるALBERTと、GPUサーバやデータセンターを中心としたAIプラットフォームの構築で国内有数の実績を持つNTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)が共同企画した製品が『AI・画像認識ワークステーション「タクミノメ」』である。

NTTPCコミュニケーションズ Innovation LAB プロジェクトリーダーの庄司洋一郎氏 NTTPCコミュニケーションズ Innovation LAB プロジェクトリーダーの庄司洋一郎氏

 NTTPCは、先進的なAI技術を通して社会や産業にイノベーションを起こそうとしている企業や団体がパートナーシップを形成することで新たな価値を“共創”することを目的としたAIコラボレーションプログラム「Innovation LAB」を運営している。プロジェクトリーダーの庄司洋一郎氏は「ALBERT社には、Innovation LABの立上げ初期から参画していただき、共同プロモーションの実施や技術開発の一部をご支援してきました。今回、両社の強みとする領域を組み合わせることで、製造業を中心に画像認識AIを必要とするさまざまな産業に向けたソリューションが開発できるのではないか、という考えでALBERT社と意気投合し、共同企画製品を一緒に作っていくことになりました」と述べる。

 これまでタクミノメは、主にクラウドを用いた月額課金のSaaSアプリケーションとして提供されてきた。この場合、AIプロジェクトの数カ月程度の短期PoC(概念実証)などでは使い勝手がいいものの、より長期的な開発・検証プロジェクトや検品・検査工程への実装を考えると予算化が難しくなるという課題があった。さらに、撮像データは製造業にとって機微な情報であり、クラウド上で扱いたくないという要望も強い。

 AI・画像認識ワークステーション「タクミノメ」であれば、タクミノメをインストールしたGPUワークステーションを購入すればよいので予算化もしやすく、このGPUワークステーション上で検品・検査のAI開発からデプロイまでを完結できるので、製造業にとってハードルになっていた問題を取り払えるというわけだ。

 AI・画像認識ワークステーション「タクミノメ」では、日本HPのワークステーションにNVIDIAのハイエンドグラフィックス向けGPU「RTX A4000」を搭載し、ALBERTのAI関連の知見やノウハウを集積したAI・画像認識ツールであるタクミノメとOS、ドライバなど全てのキッティングとサポートなども含めてNTTPCがパッケージで提供する。これにより、GPUワークステーションが手元に届いたら、顧客はセットアップや環境構築など不要ですぐにAI・画像認識モデルの構築に取り組めるようになるというわけだ。

今後はエッジAIカメラとのパッケージ化も

 ここまで紹介してきたように、数多くの利点をもつAI・画像認識ワークステーション「タクミノメ」を活用することによって得られるユーザーベネフィットをまとめると次のようになる。

  • AI開発の内製化によるベネフィット
    • 外部委託コストの抑制
    • AIアルゴリズムの透明化と社内へのナレッジ・ノウハウ蓄積
    • 開発プロジェクトの短期化
  • ワークステーションタイプによるベネフィット
    • クラウドの従量/月額コスト負担からの解放
    • 撮像データを社外に送信する必要がなく安心
    • セットアップ不要、かつ通常オフィス環境ですぐにAI・画像認識モデルの構築に取り組める
AI・画像認識ワークステーション「タクミノメ」の利用の流れ AI・画像認識ワークステーション「タクミノメ」の利用の流れ[クリックで拡大]
NTTPCコミュニケーションズ サービスクリエーション本部 第二サービスクリエーション部 主査の石原剛志氏 NTTPCコミュニケーションズ サービスクリエーション本部 第二サービスクリエーション部 主査の石原剛志氏

 そして今後に向けて検討を進めているのが、AI・画像認識ワークステーション「タクミノメ」のラインアップ拡充である。NTTPCコミュニケーションズ サービスクリエーション本部 第二サービスクリエーション部 主査の石原剛志氏は「検品・検査ラインへの実装では、やはり撮像するためのカメラが必要になってきます。そこで、タクミノメのステップアップ版として、エッジAIカメラとのパッケージ化を実現できればなお良しと考えています。また、NTTPCでは現在、エッジ・マネジメントに関する新サービスを2022年を目標に開発中ですので、うまく組み合わせられるのではと考えています」と語る。

 加えて石原氏が見据えているのが、Innovation LABでも掲げている地方創生というテーマである。現在、大分県の地場産業における人手不足対策やスキル継承をテーマにGPU活用を進めており、ここでもAIアプリケーション開発にタクミノメを活用していきたい考えだ。「全国各地の地場産業に対して、AI活用の啓蒙やトライアルを支援していきたいですね」(同氏)と語っており、タクミノメの活用をさらに広げていきたい考えだ。

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提供:株式会社エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ、株式会社ALBERT
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2021年12月28日