工場の生産性は切削工具から、MOLDINOが目指す工程改善への挑戦トップインタビュー

グローバル競争が過酷化する一方で、人手不足や熟練技術者の引退問題などが押し寄せ製造現場のリソースは逼迫(ひっぱく)している。その中で「切削工具からの工程改善」というユニークな提案を進めているのが、MOLDINOである。新体制となり2年目を迎える中、MOLDINO代表取締役社長の鶴巻二三男氏に話を聞いた。

» 2021年09月27日 10時00分 公開
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 製造業を取り巻く環境は厳しさを増している。人手不足が慢性化している他、熟練技能者が引退により減少し、人の力をベースとした改善に限界が生まれている。これらを背景に、自動化やスマート工場化への期待が高まっているわけだが、その中で「切削工具からの工程改善」を訴えているのが、工具メーカーのMOLDINOである。

 MOLDIONOはもともと1928年に帝国カッター製作所として創業。その後合併などを経て、1987年に日立ツールに社名を変更。2015年には三菱マテリアルの子会社となり三菱日立ツールとなった。さらに2017年にコーポレートブランドとして「MOLDINO」を制定し、2020年4月に社名をMOLDINOに変更した。新体制2年目を迎える中、MOLDINO 代表取締役社長の鶴巻二三男氏に同社の現状と、金型を中心とした独自の取り組みについて話を聞いた。

2年目を迎えたMOLDINO

MONOist 新体制となって2年目を迎えました。あらためて「MOLDINO」の立ち位置と方向性について教えていただけますか。

鶴巻氏 2020年4月に三菱マテリアルの完全子会社となったのを機に、2017年からコーポレートブランドとしていた「MOLDINO」に社名を変更しました。MOLDINOは「Mold&Die(金型)+Innovation(革新)」からの造語で、モノづくりの原点であり、当社にとっての戦略分野ともいえる金型業界に加工イノベーションをもたらす決意を込めています。

photo MOLDINO 代表取締役社長の鶴巻二三男氏

 MOLDINOでは、「顧客の課題に寄り添いながら、イノベーションを実現させる」ということを掲げ、課題に応じた独自製品を開発することによって差別化をすることを目指しています。社名の通り、金型加工用の切削工具を中心に位置付けています。

 製品としては、タングステンカーバイトとコバルトを混合し焼結させた超硬合金のソリッドエンドミルやドリル、カッター、ねじ切り工具などを展開しています。最新のコーティング技術による工具寿命の向上や、難削材に対応する工具刃先形状の最適化などを実現し大手メーカーから町工場までさまざまな業界で採用されています。実際に加工を行うエンドユーザーに直接提案活動を行っており、徹底したユーザー訪問により、顕在するトラブルや中長期の課題解決につながるニーズをピックアップし、それを製品開発に生かしていることが特徴です。

photo MOLDINOの切削工具製品群(クリックで拡大)

工具から工程改善へ、コストやリードタイムに直結する提案

MONOist 切削工具としてはユニークな加工工程全体の改善につなげる提案も進めています。

鶴巻氏 金型加工全体の中で工具にかかる費用は5%程度です。その中で安い工具を採用してコスト削減を図ったとしても加工全体のコスト削減に寄与する割合は非常に小さく、あまり役立てているとは思えませんでした。そこで金属加工工程全体を視野に入れ、その中でどういう製品を開発し、提案を行えば、加工工程全体の生産性改善やコスト改善に貢献できるかという発想に転換しました。こうした中で製品展開の核として位置付けているコンセプトが「PRODUCTION 50(プロダクションフィフティ)」です。

 「PRODUCTION 50」は「加工時間を半分に短縮できれば、製造コストも半減できる」という発想の下、高能率加工が可能な製品や高精度な製品により、加工時間を削減し生産効率の向上を実現する取り組みです。高性能な工具を使用することで機械加工時間や段取り、後工程の削減が狙えます。それによりコストの削減だけでなく、空いた工数の活用でさらに多くのアウトプットにつなげることを目指したものです。使用する工具費だけを切り出してみれば増えるかもしれませんが、トータルコストは削減可能です。そういう価値を提案したいと考えています。

photo 「PRODUCTION 50」のコンセプト(クリックで拡大)提供:MOLDINO

 さらに、このコンセプトを高精度加工にフォーカスしたものが「Hi-Pre2(ハイプレツー)」です。高精度な加工を、最終仕上げ工程だけでなく中仕上げや荒仕上げ工程でも追求することで、精度向上や磨きや調整まで含めたリードタイム削減を行うという提案です。通常、高精度加工は最終仕上げ工程だけで行うケースが多いのですが、その前の工程の精度が粗い場合は、最終仕上げ工程に想定以上に時間がかかったり、より多くの工具を消費したりするケースがあります。こうした状況を避けるために、最終仕上げ前の工程でもある程度の高精度加工を行うというものです。こちらも最終的なトータルコストを考えたものです。

photo 「Hi-Pre2」のコンセプト(クリックで拡大)提供:MOLDINO

 「PRODUCTION 50」「Hi-Pre2」は工具を消耗品として捉えるのではなく、顧客の課題解決に対してどう貢献するのかという発想で生まれまたものです。工程を改善して、生産効率を高める取り組みを顧客と一緒に考えること、それに対応できる製品の開発を進めていくことを目指しています。

市場の変化に応じた加工を提案

MONOist 金型業界では需要の中心となる自動車産業の電動化などの影響で需要が今後減少するのではないかという懸念も生まれています。金型向けを中心とした工具を展開するMOLDINOにとっての今後の動向についてどう見ていますか。

鶴巻氏 変化の方向性を読むことが難しい時代であることは確かですが、作るモノが変わったとしても、新たな変化に即したモノづくりが生まれるのは変わらないと見ています。その中で、必要な需要を満たす製品やソリューションを提供していくことが重要だと考えています。

 例えば、クルマにしてもライトでLED化が進む中で、反射板などの形状が複雑化し、金型にも従来とは異なる精度が求められるようになっています。また、それ以外の分野でも高精度化を求める動きや、高硬度の難加工材をより高速高精度で加工するニーズなどが高まっています。こうした新たな動きをより素早く捉え、ユーザーの課題解決につなげる製品を開発したいと考えます。

photo 「EPDREH-TH3」(クリックで拡大)提供:MOLDINO

 こうした取り組みが形になったものの1つが、高硬度鋼加工用ラジアスエンドミル「EPDREH-TH3」で、発売後非常に好調を続けています。これは、電子部品や半導体製品の製造に欠かせない、精密で高精度な金型加工向けの製品です。精密な金型の材料には成形精度を保つために、50HRC以上の焼き入れ鋼が用いられており、高硬度鋼を長寿命で精度よく加工できる小径エンドミルが求められています。既にさまざまなラインアップを展開していますが、2021年4月には新製品として要望の多かった4枚刃タイプを用意しました。工具中心基準のR精度保証で、加工終了までのワーク寸法変位を抑制し高硬度鋼の高精度加工を実現しています。高精度で安定した加工が行えるために、夜間運転など自動化にも貢献する他、製品によっては磨き工程の削減などにも貢献することができます。市場が変化してもそれに応じた、新たな需要が次々に生まれると考えています。

MONOist 今後の抱負を教えてください。

鶴巻氏 2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を強く受けましたが、既に回復基調に入っており、コロナ禍以前のピークにあと一歩という状況まで来ました。MOLDINOとして新たなスタートを切って1年が過ぎましたが、あらためて「金型加工といえばMOLDINO」というイメージを定着させたいと考えています。国内外両面で、国や地域により違うニーズに対応しながら「プロダクション50」と「Hi-Pre2」を軸に事業展開を進めていきます。特に海外市場については長い歴史があり、各拠点の成功事例をモデルにしながら、取り組みを広げていきたいと考えています。

MONOist ありがとうございました。

メカトロテックジャパンで「PRODUCTION 50」「Hi-Pre2」を紹介

 MOLDINOは2021年10月20〜23日、ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)で開催される「メカトロテックジャパン(MECT)」に出展します(小間番号:2A19)。今回紹介した「PRODUCTION 50」「Hi-Pre2」などのコンセプトを紹介する他、「EPDREH-TH3」を含む最新の製品群なども出展予定です。名古屋オリジナルとなるクランプメーカーと金型を追求した独自アプリケーションなども展示します。ぜひご参加ください。

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Webセミナー「MOLDINO WEB EXPO SEMINAR」も登録受付中

 2021年10月11〜29日に独自のWeb展示会「MOLDINO WEB EXPO 2021」を開催いたします。今Web展示会では、お客さまからご要望の多かったCAD/CAMにテーマを絞った「立壁底面 加工・ねじ切りにおけるCAMプログラムの極意」を開講予定です。こちらもご参加をよろしくお願いいたします。

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提供:株式会社MOLDINO
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2021年10月12日