電気系CADと機械系CADを統合すべき理由とはFusion 360

電気設計者と機械設計者の共同作業に関する課題はいまだに根深く残り、この問題を解決できずにいる設計チームは少なくない。また、そうした現場の多くが電気系CADと機械系CADをそれぞれ別々のツールで運用しており、管理やデータのやりとりにおいてさまざまな課題をもたらしている。こうした状況を打開するのがオートデスクの「Fusion 360」だ。Fusion 360が世界中の設計チームに採用されている理由を詳しく見ていこう。

» 2021年02月24日 10時00分 公開
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 クラウドによる接続環境が確立された今、電気設計者や機械設計者が長年にわたって直面してきたコラボレーション(共同作業)上の課題が、ついに解決された……かと思いきや、実際は電子メールやファイルのやりとりを手動で行う方法がいまだに主流で、複雑な共同作業の課題をなかなか解決できずにいる開発チームが大半のようです。また、設計者の多くが電気系CADと機械系CADでそれぞれに異なる設計ツールを使用していることで、管理に膨大な時間と手間を取られています。データをやりとりするたびに、毎回データを送付し、変換し、検証する必要があるため、全く異なる設計システム間で正確な設計データを交換するためだけに、多くの時間を費やしてしまいます。

 こうした管理タスクに加えて、製品の小型化がますます進む中で、設計自体の難易度も上がっています。小さく高密度な低消費電力デバイスでは、電気系と機械系の設計を統合する必要があり、これが新たな課題となっています。設計者やプロジェクト管理者は常に、より多くの機能を搭載した製品を、より短期間に、より低価格に実現することが求められており、そのプレッシャーは高まっていく一方です。

 「機械系と電気系の統合は、とても困難とされてきました。完全に分離した2つのチームが各分野を担当し、最終的にこれらを統合するのですが、統合時にはさまざまな問題が発生するのです」(LifeFuels エンジニアリング部長/Mark Lyons氏)

Fusion 360で電気系/機械系CAD設計を検証するLifeFuels社のエンジニア 図1 Fusion 360で電気系/機械系CAD設計を検証するLifeFuels社のエンジニア ※出典:オートデスク

 製品開発は進化しています。それとともに電気設計も進化していかなければなりません。つまり、製品開発ワークフローの一部として、3D設計のより広い視野からPCB設計の検討が必要とされます。電気設計者はこの進化に備えて、電気系CADと機械系CADが統合された単一ツールを使用することが必要となるでしょう。その主な3つの理由は次の通りです。

 1.今や業務において部門間の共同作業は欠かせません。設計プロセスは直線的に進行します。設計の進行とともに、コンポーネントの可用性は変化し続け、最後の最後で、基板レイアウトを筐体に合わせて変更する必要も生じます。製品開発による影響がどのように生じるかが分からなければ、PCB設計プロセスは不利になります。

 2.異なるファイル形式の使用は、負担になります。設計のファイル形式を統一するためのファイル変換作業によって、ミスが生じる可能性は高まります。また、設計意図をSTEPファイルに完全に反映させることは困難です。設計意図を補完するためのデータ作成に、貴重な作業時間を何時間も浪費することは、得策ではありません。

 3.今後、異なる分野間の融合が進んでいきます。設計者は、設計から文書作成、電子メールでのコミュニケーション、調達まで、あらゆる業務を行うことが求められます。さらに今ではスマートデバイスのニーズの高まりとともに、機械設計が作業リストに追加されています。Molded Interconnect Devices(MID、成形回路部品)をご覧になったことはありますか? このような基板を2Dのみで設計することはできません。

複数分野が融合した複雑な製品設計(LifeFuels) 図2 複数分野が融合した複雑な製品設計(LifeFuels) ※出典:オートデスク

さまざまな課題を解決するソリューション

 この業界ではいまだに、特定の設計課題に対応するさまざまなツールが、電気系CADと機械系CADで別々に使用されています。これらのツールは互いに連携しない独立したものであるため、電気設計者はそこから生じるさまざまな問題に直面しています。例えば設計作業中に、使い慣れたCAD設計環境とは異なる、不慣れな設定や新しいツールについて学ぶ必要も生じます。このような負荷は削減すべきです。

 電気設計者がすでに直面していて、今後ますます困難になっていくことが予想される数々のこうした課題を解決するために、Fusion 360は開発されました。Fusion 360は、3D CAD、CAM、CAE、PCBが全て1つのツールに統合された、クラウドベースの新たな3D CADプラットフォームです。製品開発に携わる人々にとって、あらゆる問題を解決するソリューションとなります。Fusion 360は次の理由で、世界中の設計チームに使用されています。

  • 電気系/機械系CADの共同設計:クラウドベースの設計環境により、迅速に設計案を各設計間で容易に行き来できます。さまざまなツール機能やファイル形式に、あらゆるデバイスからアクセスできます
  • シミュレーション:適合性や動作をテストしたり、シミュレーションを実行したり、リアルなレンダリング イメージを生成したりと、さまざまな作業を全て同じツールで行えます
  • CAM:製造のためのCNC加工や積層造形向けのツールパスを簡単に作成できます

 「Fusion 360のおかげで、機械設計者と電気設計者が共に協力しながら作業を進め、小さなボトルのスペースに全てを収めることができました」(LifeFuels エンジニアリング プロダクト マネージャー/Elizabeth Hubler氏)

 電気設計者はかつて、3D CADの製品開発プロセスには組み込まれていませんでした。「2Dの電気設計を3Dの世界にどうやって組み込むか?」という問題があったからです。しかし、Fusion 360では、電気系CADと機械系CADの両方を、1つのプラットフォームに統合することができます。関係者全員がこの統合プラットフォームと共通のデータセットを使用することで、電気設計者は、無駄な作業に時間や手間を浪費する必要もなくなり、設計作業が新たな次元へとレベルアップします。

設計の統合

 Fusion 360では、1つの設計管理プラットフォーム上で、電気設計者と機械設計者がそれぞれに電気系CADと機械系CADを使用しながら、ネイティブ形式で作業を進めることができます。この作業環境で、エンジニアやチームは次のものを共有できます。

  • 1つの共通した設計環境
  • 1つの共通した設計管理システム
  • 1つの設計データセット(ファイル交換、書き出し、サードパーティー製品の統合などの作業が一切不要になります)

Fusion 360で、電気系CADと機械系CADの設計を1つのプラットフォームに統合 図3 Fusion 360で、電気系CADと機械系CADの設計を1つのプラットフォームに統合 ※出典:オートデスク

電気系/機械系CADの究極のコラボレーション

 Fusion 360は、製品設計に関与する全ての関係者が製品開発サイクルに携わることができる、真につながった開発環境を実現します。Fusion 360が採用しているクラウドベースのデータ管理システムは、AWSテクノロジーによる安全なストレージ機能と無限のコンピューティング能力を備えており、Fusion 360での設計プロセスに必要不可欠な全関係者間のコラボレーションを実現します。また、履歴管理、形状の更新、コンポーネントの移動、ライブラリの更新など、あらゆる変更情報をシームレスに管理できます。つまり、次のことを実現します。

  • 電気系/機械系CADのリアルタイムなコラボレーション
  • 電気系CADと機械系CADのどちらからでも設計変更を行い、変更内容をスムーズに共有
  • 機械設計と電気設計を1つのソフトウェアで行い、かつ同時進行での設計

Fusion 360でチームメンバーがどこからでも自在にコラボレーション 図4 Fusion 360でチームメンバーがどこからでも自在にコラボレーション ※出典:オートデスク

 「クラウドコラボレーション環境で、チームメンバーによる変更が即座に共有され、機械設計側のワークフローを容易に把握できるようになったことで、さまざまなことが効率化されました」(LifeFuels 組み込みエンジニアリング マネージャー/Abraham Maclean氏)

3D PCB設計の真の実力

 電気系/機械系CADの作業を、Fusion 360の共通環境でデータセットを共有しながら進めることで、基板の材料、コア材料、コンポーネントなどの3D PCBデータを機械系CAD側で解析、検証、認証し、製品設計仕様に確実に適合させることができます。

  • 3D PCB材料データプロパティを指定して設計シミュレーションを実行
  • 干渉チェック
  • 一元的な情報ソースにより、設計チームメンバーが確実に最新のデータセットで作業

 Fusion 360を使用すれば、1つに統合された製品開発プラットフォームから、電気系設計およびPCB設計用の包括的なツールにアクセスできます。電気系CADと機械系CADのワークフローを連携させて電気設計を統合し、エンジニアリング、設計、あらゆるモノづくりを効率化しましょう。

 今すぐお試しください!
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アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2021年3月23日