日報による作業管理から脱却せよ、スマホを使った「押すだけ確認」で能率向上製造業のスマートフォン活用

ジェーエムエーシステムズ(JMAS)は、クラウドとモバイルを活用することで製造業の能率向上を可能にするソリューション「WorkReport」と「KAITOセキュアカメラ」を展開している。これらのソリューションは、工場内での利用が制限されがちだったスマートフォンを、スマート化の第一歩を踏み出すための原動力に変えてくれる。

» 2020年01月27日 10時00分 公開
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 日本能率協会は、製造業をはじめとしたさまざまな産業の能率向上を長年支援してきたことで知られる。そのグループ会社として多彩なITサービスをワンストップで提供しているジェーエムエーシステムズ(以下、JMAS)も、モバイルやクラウドを中心とするIT、IoT(モノのインターネット)技術で製造業の能率向上を支援している。

 1971年創立のJMASは、国内におけるソフトウェア産業の黎(れい)明期から50年近くにわたって数多くの情報システムを提供してきた。こうしたシステム開発により培われた経験や技術の蓄積は貴重な資産となり、単に機能面だけでなく高度な安全性や信頼性を付加価値として提供し、組織や業務を改革するJMASの活動を支えている。

日報のスピード感では市場の変化に対応できない

JMASの袖嶋嘉哉氏 JMAS 事業企画部 事業企画グループ アーキテクトの袖嶋嘉哉氏

 そして近年、JMASが特に積極的に取り組んでいるのが、クラウドやモバイル(スマートフォン)を活用したシステムの開発だ。同社 事業企画部 事業企画グループ アーキテクトの袖嶋嘉哉氏は、「企業の能率を向上するという観点から、JMASでは現場オペレーションにITを導入し、その結果をミドルマネジメントや経営層にタイムリーに届けることで改善サイクルを回せるようにすることを一貫して支援してきました。この理念を体現する強力なツールとして注力しているのがクラウドとモバイルです」と強調する。

 具体的にどんなソリューションを提供しているのか、まず注目したいのが「WorkReport」というパッケージ製品である。

JMASの舟橋尚哉氏 JMAS 事業企画部 プロダクト開発グループ 統括マネジャーの舟橋尚哉氏

 JMAS 事業企画部 プロダクト開発グループ 統括マネジャーの舟橋尚哉氏は、「『誰が、いつ、どこで、なにをしたのか』をきちんと記録すれば、現場のムリ、ムラ、ムダが分かり、もう一段上の改善を図ることができます。WorkReportを利用すれば、そうしたデータ化を簡単に実現することができるのです。さらにモバイルを組み合わせれば、今どんな状態にあるのかをリアルタイムに把握することが可能となり、現場で起こっている問題により迅速に対応できます」と、その概要を説明する。特に、製造業や物流倉庫などの現場は、管理者や責任者が離れた場所にいるケースが多く、駆け付けて対処するにも時間がかかるだけに、現場の状況を常時伝えて共有できる仕組みがあれば早期の対応が可能になる。

 また、JMASがWorkReportを開発した背景にあるのが、工場の作業管理で広く用いられている「日報」の存在である。その日にどれくらいの数量を生産したのか、あるいはロスが発生したのか。1日の締めとしてさまざまな実績を記録し、報告する「日報」という文化は国内の製造業で広く定着している。

JMASの菅原正敬氏 JMAS 事業企画部 プロダクト営業グループ アカウントマネジャーの菅原正敬氏

 だが、現在のように状況が激しく変化していく中で、日単位で記録と報告を行う日報のスピード感では対応が難しくなっている。JMAS 事業企画部 プロダクト営業グループ アカウントマネジャーの菅原正敬氏は、「現場の状況を毎時間、毎分、さらには毎秒の単位で把握することができれば、マネジメントのスタイルは劇的に変わっていくと思われます。時々刻々と変化する状況にいかにクイックに対応し、次の計画に反映することができるか――。そうしたシーンにおいて、WorkReportを活用するメリットが発揮されます」と訴求する。

「押すだけ確認」からIoTを利用した作業記録の自動化へ

 もう1つのWorkReportによって能率向上が期待できる代表的な用途が、計画と実績の対比である。先述した日報と同様に、従来の計画と実績の対比は、管理者が朝一番に指示書で示した計画数量に対して、一日の終わりに各現場で実績数量がまとめられ、管理者がそれらをまとめた結果を知るのは翌朝ということが多い。このような状況では、生産計画のサイクルを素早く効率的に回すことが難しいし、需要に合わせて1日の中で計画数量を柔軟に変更していくことはまず無理だ。

 計画が変更されたならば、その指示を即座に現場に伝える。一方、指示に対して現場がどう動いたのかを把握する。計画と実績をリアルタイムに照らし合わせながら生産を進めていくことが求められているのだ。

 こうした課題をWorkReportは具体的にどのように解決するのだろうか。

 まず、現場の担当者が勤務開始時にスマートフォンからログインしてWorkReportの利用を開始すると、画面には部門や自分にひも付いた最新の予定が表示される。そのリストから作業を選択して開始と終了を記録していく。そして勤務終了時には、作業記録と連動する形で集計される実績報告を送信してWorkReportの利用を終了すればよい。

「WorkReport」の利用・活用フロー 「WorkReport」の利用・活用フロー

 一方、管理者がPCで確認するダッシュボード画面には、各担当者が今、どの生産ラインで、どの作業を担当しており、計画に対してどの程度進捗しているのかといった状況がガントチャートなどにリアルタイムに反映される。さらに過去の実績データをダウンロードし、任意の期間における詳細な集計分析を行うことも可能となっている。

 管理者は、WorkReportを活用することで、「要員の稼働状況や投入工数を正しく把握し、要員、工数、原価を適正化する」「稼働率やロス構造をより密に把握して、生産性改善や収益力向上を追求する」「作業進捗をリアルタイムに把握して、適切な作業の見積、指示、調整を行う」といったことが可能となる。

 もっとも、現場の状況を逐一知りたいがために、各作業者に対して頻繁なデータ入力を要求するなど重い負担を強いるのでは、かえって作業の能率が低下してしまうなど本末転倒の状況となりかねない。

 そこでJMASがWorkReportの運用で強く推奨しているのが「押すだけ確認」である。「もちろんWorkReportのスマートフォン画面から、実施した作業の出来高や連絡事項のコメントなど多様なデータを入力することもできますが、それはあくまでも特別な措置です。作業の開始や終了の報告は、ワンタッチで済ませられるようにすることが基本となります。また、製造現場では手袋を付けて作業をしている人もいますので、その場合には音声や物理的なボタンで開始/終了の報告をできるようにするなど、現場ごとの事情を考慮した個別の追加開発にも対応しています」と袖嶋氏は語る。

 さらに近年では、IoTの仕組みとWorkReportを連携させ、各種センサーを活用した自動記録へのニーズも高まっているという。「中でもJMASとして一押ししているのは、ビーコンを利用した自動記録の方法です。ビーコンならどこにでも簡単に設置して位置を正確に把握することができるため、担当者がその場所に近づいた時点で作業を開始し、離れたら作業を終えたとみなすことができます」と菅原氏は語る。

 2018年11月に正式版がリリースされたWorkReportだが、無料トライアルを用意するとともにサブスクリプション(月額定額)で利用できるという手軽さもあって、製造業を中心に50〜60社がPoC(概念実証)を開始しているという。

端末にデータを残さないスマートフォンのカメラアプリ

 クラウドとモバイルを活用した能率向上のためにJMASが提供しているソリューションとして、もう1つ取り上げておきたいのが「KAITOセキュアカメラ」である。

 製造業では生産設備に発生している異常を正確に上長やメーカーに報告するため稼働状況を動画で撮影したい、開発中の製品の実験結果を写真で記録しておきたいといった要件がたびたび発生する。しかし、工場やR&Dの現場はセキュリティルールとして、スマートフォンの持ち込みが禁止されているケースも少なくない。

JMASの出口敦規氏 JMAS 事業企画部 プロダクト営業グループ アカウントマネジャーの出口敦規氏

 KAITOセキュアカメラは、そんな場面において法人向けの高セキュリティを実現するカメラアプリである。JMAS 事業企画部 プロダクト営業グループ アカウントマネジャーの出口敦規氏は、「KAITOセキュアカメラの機能を簡単に言えば、端末にデータを残さないカメラアプリです。写真や動画のデータはサーバに転送後、すぐにスマートフォンから自動的に削除されます。撮影データも分割、圧縮、暗号化されており、通常の画像ファイルとして端末に保存されているわけではないので、サーバにデータを転送する前に万一端末が外に持ち出されたり、紛失したりした場合でも情報漏えいのリスクを防ぐことができます」と説明する。

 このKAITOセキュアカメラを効果的に活用することで、業務の能率向上を実現したのが自動車メーカーのマツダ株式会社である。「マツダ様のR&D技術管理本部では以前から、企画、リサーチ、設計、開発、実験の各段階で行う撮影業務について、機密管理の強化と効率化を実現するための有効な施策を検討していました。従来は、撮影が必要になった際に一時的にデジタルカメラを貸与する方式をとっていたのですが、これではどんなものが撮影されたのか追跡することができず、加えて撮影許可の煩雑な申請プロセスもユーザーの利便性を大きく損ねていたのです。そこでKAITOセキュアカメラを導入した結果、端末にデータを残さない運用が可能になり、誰が、いつ、どこで、何を撮影したかを可視化することに成功しました。ユーザーも面倒な申請の手続きを踏むことなく、撮影業務を手軽に行えるようになりました。また、画像データを共有するために、デジカメで撮影後のデータをPCに取り込み、さらにPCからファイルサーバへ移動することでようやく情報共有ができていたところを、KAITOセキュアカメラで撮影、そのままクラウドへ転送される仕組みになったため『情報共有にかかる時間が大幅に短縮できた』と喜んでくださったお客さまもいらっしゃいます」(出口氏)。

マツダにおける「KAITOセキュアカメラ」の導入効果 マツダにおける「KAITOセキュアカメラ」の導入効果

 また、KAITOセキュアカメラは、WorkReportと同様に無料トライアル(30日間)が用意されており、サブスクリプションによる月額費用も1ユーザー当たり500円から(最低ユーザー数は10)と安価な価格設定になっており、導入を検討しやすい。製造業では、マツダをはじめとする自動車メーカーの他にも、自動車部品メーカーやデバイスメーカーなど幅広い業種で採用されている。

 なおJMASでは、KAITOセキュアカメラの他にも、社外から安全に社内システムにアクセスする「KAITOセキュアブラウザ」、KAITOセキュアカメラのICレコーダー版ともいえる「KAITOセキュアレコーダ」といった「KAITOシリーズ」のソリューションをラインアップしている。これらのKAITOシリーズは、製造業の他に金融機関などを含めて、約620社/18万5000ライセンスを超える導入実績を上げている。

豊富なPaaSサービスを活用して製造業の4Mを支援

 ここまで紹介してきたWorkReportやKAITOセキュアカメラなど、クラウド&モバイルをベースに展開するJMASのソリューションを、インフラの側面からほぼ全面的に支えてきたのがマイクロソフトのクラウド「Microsoft Azure」である。

 「数あるクラウドサービスの中で私たちがMicrosoft Azureに注目したのは、特にPaaSレイヤーにおいてIoTやデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するパーツが豊富にそろっているからです。また、製造業のお客さまとJMASの開発チームの双方で、C#やVisual Basicなどを用いたWindows関連のソフトウェア開発に慣れ親しんでいたことも大きな要因になります。お客さまのニーズや市場の変化に迅速に対応しながら、クラウドやモバイルを活用するための開発や拡張を進める際に、Windows関連のソフトウェア開発技術を活用しやすいMicrosoft Azureをベースにソリューションを設計するのが得策と判断しました」と舟橋氏は語る。

 製造業の品質管理や業務改革では、よく4M(Man:作業者、Machine:機械設備、Material:原材料、Method:作業方法)のキーワードが挙げられる。JMASは、WorkReportとKAITOセキュアカメラによって、このうちの2つのM(Man、Method)に対するソリューション提供を実現してきたわけだが、逆にいえばまだ2つのM(Machine、Material)が残っている。「将来のソリューション拡大に向けて、JMASがやらなければならないのはやはり4つのMを全方位でカバーすることです。今後もMicrosoft Azureを効果的に活用することで、その目標を最短距離で達成することを目指します」と袖嶋氏。最先端のクラウド&モバイルを武器に、製造業のさらなる能率向上へ貢献していく考えだ。

4Mの全方位カバーに向けたソリューション拡大を目指すJMAS 左から、JMASの出口敦規氏、菅原正敬氏、舟橋尚哉氏、袖嶋嘉哉氏。4Mの全方位カバーに向けたソリューション拡大を目指している

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アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2020年2月27日