スマート工場のボトルネック解消へ、「スマートな形状品質検査」をどう実現するかIVR 2017特別企画 クレアフォーム・ブースレポート

インダストリー4.0など、ICTを活用するスマートファクトリー実現への動きに注目が集まるが、ボトルネックとなりそうなのが製品の品質を確保する「検査」のスマート化である。米国AMETEKグループのCreaformは検査工程の作業負担軽減と品質向上を実現する3次元測定技術の価値を紹介した。

» 2017年07月26日 10時00分 公開
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 スマートファクトリーの課題を埋める最後のピースは何か――。米国AMETEKグループのCreaformは、3次元データやバーチャルリアリティー(VR)の専門技術展である「第26回 3D&バーチャルリアリティ展(IVR2017)」(2017年6月21〜23日、東京ビッグサイト)に出展し、検査工程の作業負担軽減と品質向上を実現する3次元測定機(3Dスキャナー)の価値を訴えた。

3次元測定技術を製造現場に引き付けて使う意味

 3次元測定技術は、研究部門や設計部門などで活用され、リバースエンジニアリングや設計工程の効率化などで貢献してきた。しかし現在、製造現場で3次元測定技術を使おうという動きが急速に広がりを見せている。製造現場でも既に多くの検査装置が導入されているが、形状品質検査は作業負担が大きいため、改善の余地が残された領域であるからだ。負担が大きいため、生産能力のボトルネックとなっているケースや、生産スピードに合わせるために、ロット内での抜き取り検査で対応するケースなどが生まれており、品質向上や工程トレーサビリティー(追跡可能性)確保の面から課題となってきていた。

 こうした課題を解決するために、製造工程での3次元測定の価値を積極的に発信しているのがCreaformである。Creaformは2002年にカナダのケベック州で創業した3次元測定技術の専門企業である。2005年に初めてオリジナルブランドで携帯型3Dスキャナー製品の展開を開始して以降、ラインアップの拡大を推進。Creaformの3Dスキャナーの特徴がメトトロジー・グレード(寸法検査レベル)である点だ。モバイル型である一方で、高精度の3次元測定を可能としているため、測定物の寸法を正確に測ることが可能である。そのため、製造工程での形状品質検査などにも使用できるというわけである。IVR2017でも新製品を含むこれらの製品群によって、製造現場の検査の流れを想定した3次元測定ソリューションを披露した。

photo IVR 2017のCreaformブース(クリックで拡大)

航空機や自動車本体など大型部品の正確測定が可能

 「メトトロジーグレード(寸法検査レベル)」である強みを生かした新製品が「MaxSHOT Next」である。写真測量(フォトグラメトリー)技術を活用し、画像を撮影することで製品の寸法や形状などを測定する。容積精度は0.015mm/mで、測定機の重量は0.79kgと軽量で使いやすさを実現している。撮影範囲に測定点が入っているかどうかを示す「ライブ GO/NO-GOフィードバック」機能やCADデータを使って事前に位置合わせを行う機能など、測定を失敗しないさまざまな機能も充実させている。

 アメテック クレアフォーム事業部長の織田源太氏は「航空機部品や自動車の本体など大型の部品の測定などで活用できる。『MetraSCAN 3D』や『HandySCAN 3D』などと組み合わせることでより高精度な3次元測定が実現可能となる」と製品の価値について述べている。

photo 「MaxSHOT Next」の使用イメージ(クリックで拡大)

 「MetraSCAN 3D」と「HandySCAN 3D」は、デュアルカメラセンサー「C-Track」と組み合わせて使用。「C-Track」は2つのカメラと照明を備えた機器で、測定エリアを規定。「C-Track」の視認エリアで、座標測定マシン「HandyPROBE Next」や3次元レーザースキャナー「MetraSCAN 3D」などの位置や向きなどの情報を認識させる。そして「C-Track」のエリア内で、「HandyPROBE Next」で取った座標位置やMetraSCAN 3Dで取った形状データなど取得することで、配置を正しく認識してデータ化するという仕組みである。データ化したい対象物にスキャン光を当てるだけで簡単にデータ化が可能で、従来の3Dスキャナーが苦手な“光モノ”や黒いモノなどについても問題なく取得可能だという特徴がある。

製造現場でのスマートな形状品質検査

 会場では「MaxSHOT Next」を利用し、画像を通じてターゲットモデルの座標点などを抽出した後「HandySCAN 3D」を活用して3Dスキャンを実施するというデモを行った。スキャン完了後は、検査ソフトウェアである「VXinspect」によりCADデータとの位置合わせを行い、形状の品質検査を行うというものである。

photophoto 「MetraSCAN 3D」(左)と「HandySCAN 3D」のデモの様子。光モノでも正確にスキャンできる点が特徴だ(クリックで拡大)
photophoto 光モノを正確にスキャンした様子(左)と、CADデータとの比較で違いを示したデモ(右)(クリックで拡大)

 織田氏は「製造現場に近い位置で検査を行いたいというニーズは非常に高くなっており、3次元測定技術を活用した形状品質検査のスマート化への関心は非常に高い。千葉県成田市に2016年に開設した成田テクニカルサポートセンターも既にフル稼働の状況だ」と手応えについて語る。

 同社では既に「MetraSCAN 3D」と産業用ロボットを組み合わせた「MetraSCAN 3D R-Series」なども準備し、製造現場での形状検査の自動化などへのソリューションも用意。製造現場での形状品質ソリューションを積極的に展開する。

 今後については「製造現場での活用を広げていくためには、測定のスピードを上げていくことが求められている。今後はインラインでも使えるように開発を推進していく」(織田氏)とし、製造ラインにおける検査の自動化を推進する方針だ。

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提供:CREAFORM(AMETEK グループ)
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2017年8月25日

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