ベクターのAUTOSARベーシックソフトウェアが世界で初めてASIL D 認証を取得AUTOSARとISO26262

Vector InformatikのAUTOSAR 4ベーシックソフトウェアが、ISO 26262の安全要求レベルで最も厳しいASIL Dの認証を受けた。AUTOSARのベーシックソフトウェアがASIL Dの認証を受けるのは「世界初」(2016年9月時点、Vector Informatik調べ)となる。

» 2017年02月22日 10時00分 公開
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Vector InformatikのAUTOSAR ベーシックソフトウェアがexidaからISO 26262の安全要求レベルで最も厳しいASIL Dの認証を受けた Vector InformatikのAUTOSAR ベーシックソフトウェアがexidaからISO 26262の安全要求レベルで最も厳しいASIL Dの認証を受けた 出典:exida

 機能安全規格の認証やコンサルティングを行う会社として知られる exidaは、Vector Informatik(以下、ベクター)のAUTOSAR 4ベーシックソフトウェアがISO 26262のASIL Dレベルまでの要求を満たすことを確認し、その認証を2016年9月8日付で発行した。ベクターは、独立したアセスメントで認証されたソフトウェアを提供する世界初※1の企業となり、これによって開発者は安全関連アプリケーション用にさらに高性能なECUを実装できるようになる。

 通常、安全関連・非安全関連ソフトウェアコンポーネント間の相互干渉を避けるためには、両者のデータをそれぞれ独立したメモリー領域に格納する手法が取られる。ASIL D認証を取得したベクターのベーシックソフトウェアを使用すれば、それらを安全関連アプリケーションソフトウェアと同じパーティション内で実行することが可能となる。このアプローチによって、タスクの切替え、メモリー保護ユニット(MPU) のリプログラミング、追加のコピー操作が不要となるため、パフォーマンスは大幅に向上。さらに、従来はアプリケーションレベルで実装されていた安全要求を、ベーシックソフトウェアに割り当てることもできる。このアセスメントでは、オペレーティングシステムとCAN、LIN、FlexRay通信用のソフトウェアコンポーネントのほか、システム制御とメモリー管理のコンポーネントも評価された。

 ベクターは、ISO 26262に適合する方法を応用して安全関連のベーシックソフトウェアを開発。特に、専用の検証方法を使用してモジュール設定の自由度を高く保ちながら特定のユーザーコンフィギュレーションを完全にカバーすることに注力した。アセスメントでは、すべてのソフトウェアモジュールで干渉がないことが確認され、アセスメントの対象となったコンポーネントについては、設計とトレーサビリティーに関する詳細な準公式の記録も作成された。

 ASIL D認証を取得したベクターのAUTOSARベーシックソフトウェアは、「MICROSAR Safe」の製品名で提供されている。本製品は、自動車業界で一般に使用されているすべてのマイコンに対応可能だ。

 ベクターは、設立当初から長年にわたり、各自動車メーカーの通信仕様に対応した組込ソフトウェアを提供し、性能や品質、サポート面でも高い評価を得てきた。さらに、AUTOSAR共同開発パートナーシップの設立当初から、プレミアムパートナーとしてAUTOSAR仕様の策定に積極的に関与してきたため、各自動車メーカーの通信仕様とAUTOSARの仕様の両方に精通しているという強みがある。

 MICROSARは、既に数多くの国内外の自動車メーカーの量産開発に採用されているAUTOSARベーシックソフトウェア。さらに、ベクターは、MICROSAR以外でも、ソフトウェアコンポーネントの設計ツール「DaVinci Developer」、AUTOSAR BSW とランタイム環境 (RTE) の設定およびコード生成ツール「DaVinci Configurator Pro」などのAUTOSAR開発用ツールチェーンを有しているため、開発者は、ベクターという単一のベンダーからAUTOSAR開発に関するトータルなソリューションを得ることができる。

※1)2016年9月時点、Vector Informatik調べ

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提供:ベクター・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2017年3月27日