17の都道県にまたがる東日本電信電話(NTT東日本)のネットワークサービス。3000超の局舎に据え付けたネットワーク機器を日々管理しなければならない。エプソンの業務用スマートグラス「MOVERIO Pro」(BT-2000)を保全業務に適用することで、どのような効果が得られるのか。機器を選定し、導入を検討している高度化推進部運用推進部門ネットワークインテグレーション担当課長 門野貴明氏にお話を伺った。
東日本電信電話株式会社のネットワーク事業推進本部高度化推進部では、研究開発から運用・導入に向けた検討までを幅広く担っている。門野貴明氏が所属する運用推進部門は、同社のキャリアネットワーク全般の保全業務を革新しようとしている。17都道県に位置する3000超の局舎(建物)に収めた膨大な通信機器を効率よく、コストを掛けずに運用し、安心、安全なサービスを提供しなければならないからだ。
「当社グループには高度なスキルを持った現地技術者がおり、機器を維持管理し続けていますが、更に効率化するために、ハンズフリーで作業可能なウェアラブル機器を用いた保全業務が効果的ではないかと考え、検討しています」(門野氏)。
保全作業では、計画的な改良工事の他、突発的な機器の不具合にも対応している。保全作業は年間で万単位の件数があり、過疎地にも局舎がある。こうした中、どのような効率化が可能なのだろうか。
局舎内では現地技術者が二人一組を基本として動く。保全業務の内容を記した指示書を携えているものの、数百数千の機器、ケーブルから対象を探し出すには時間がかかる。「全ての機器やケーブルに番号を振っていますが、数が多いために特定に時間を要するケースもあります。ネットワークサービスの維持を重要視し、複数人を基本として作業しています」(門野氏)。
現地技術者が音声で遠隔オペレーターと連携しながら作業を進めているが、局舎内は空調などが発する騒音のために、コミュニケーションがとりにくいこともあり、現状のままでは効率化や改善は難しい。
MOVERIO Proに期待していることは、現地技術者と遠隔オペレーターの二人一組での作業で品質を維持し、作業効率を高めること。「PCなどの作業端末では両手が自由にならないため、効率が落ちてしまいます。MOVERIO Proならハンズフリーで作業可能なため効率は落ちません。双方向の音声通信ができるため、従来と同様に機器を確認できます。さらに、現地技術者の視野内にある機器を遠隔オペレーターでも確認できるため、信頼性が高くなると期待しています」。
MOVERIO Proを使用することで、局庁内での作業がどのように変わるのだろうか。遠隔オペレーターの目の前にある監視端末には、現場のMOVERIO Proから送られてきた映像が写る。内蔵カメラの解像度が高いため、ケーブルに貼ったラベルなどを読み取ることもでき、正確な作業指示が可能だという。
「作業位置までの誘導がスムースになり、位置に付いた後は、遠隔拠点に置いた監視端末で、ピンポイントに機器やケーブルを確認できます。監視端末の画面に機器を囲む図形などを描くと、現地技術者には、機器にオーバーレイ表示された図形が見えます。確実に指示が伝わるのです」(門野氏)。双方向の音声の他、現地技術者が短文を送ることも可能だ。
門野氏はMOVERIO Proを使う前から、各社のスマートグラスを評価しているという。「MOVERIO Proは映像表示部が跳ね上げ式になっており、ふだん眼鏡を掛けている技術者でも使いやすく、装着性が高い。両眼式を採用したMOVERIO Proは現場から『表示が見やすい』という評価を得ています」。
2016年度に各地の局舎へ導入することを目標にしているという。「局舎内で実績を積んだ後は屋外などにも利用範囲を広げ、さまざまな業務への応用を考えていきたい」(門野氏)。
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提供:エプソン販売株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2016年7月14日