補充の自動化と基準の適正化で30%の在庫を削減!!過剰在庫や欠品と決別

多くの製造業・流通業が悩む在庫管理に対応すべく、需要予測と可視化を組み合わせた在庫管理・需給調整支援ソリューション「SynCAS 3.0」が登場した。SynCAS 3.0を使えば、需要予測と豊富な在庫分析や可視化の仕組みによって金額ベースで30%という在庫削減が実現できるというのだ。

» 2016年03月23日 10時00分 公開
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機能強化ポイントはリアルタイム・シミュレーション・ビジュアライズ

 マーケットが多様化するとともに要求がめまぐるしく移り変わる中、機会損失の発生を極小に抑えるべく多くの製造業では製品バリエーションも増加を続けている。このような状況で避けられないのがSCM(サプライチェーン・マネジメント)の多様化とDCM(デマンドチェーン・マネジメント)の複雑化だ。適正なタイミングで製品を市場に届けられない、もしくは過剰な在庫を抱えて無駄なコストが生じてしまう、といったリスクが増大している。そのため現在の製造業・流通業では、いかに早期に正確な需要予測を立て、それに基づいた効率的な量の在庫を維持し続けるかが大きく問われているのである。

 そうした課題を解決すべく、日立ソリューションズ東日本がこのほどリリースしたのが、在庫管理・需給調整支援ソリューション「SynCAS 3.0」である。SynCAS 3.0は、これまで同社が国内企業に提供してきた、実績豊富な2つのソリューションを密に結合して、あらためてパッケージ製品としてリニューアルしたものとなっている。この2つのソリューションとは、世界1万2500社の先進企業で採用されている需要予測支援システム「ForecastPRO」と、製造業・流通業向けに開発された在庫を徹底的に可視化するPSI(生販在)情報分析システム「SynCAS PSI Visualizer」だ。

「SynCAS 3.0」は「ForecastPRO」と「SynCAS PSI Visualizer」を統合した在庫管理・需給調整支援ソリューションとなる 「SynCAS 3.0」は「ForecastPRO」と「SynCAS PSI Visualizer」を統合した在庫管理・需給調整支援ソリューションとなる

 SynCAS 3.0が、今回のリニューアルによって機能強化されたポイントは、「リアルタイム処理」と「シミュレーション」、「ビジュアライズ」の3つになる。これらの機能強化よって、「実績情報を取り込んで将来の見通しを予測」、「複数のシナリオに基づいたデータシミューレーションにより結果を確認」、「情報を可視化しながら計画通りの対策が打てているかを素早く監視」といったことを実現しているのである。

日立ソリューションズ東日本 パッケージビジネス推進本部 本部長の内海由博氏 日立ソリューションズ東日本 パッケージビジネス推進本部 本部長の内海由博氏

 日立ソリューションズ東日本 パッケージビジネス推進本部 本部長の内海由博氏は「非常にパフォーマンスの高いシステムであるため、在庫補充計画のシミュレーションを、好きな時に何度でもやり直せるようになっています。シミュレーションのパターンを幾つも設定して検証したり、過去の結果と比較したりということが視覚的に行えるのも特徴です」と語る。

 SynCAS 3.0には、需給調整のプロセスに必要な全ての要素がそろっているといえる。在庫実績、販売状況を可視化し、需要動向と在庫バランスの状況が把握でき、そして適切な在庫補充方法を確認しながら対策が打てるのである。

実績豊富な2つのソリューションが連携、自動発注までもカバー

 SynCAS 3.0の機能の詳細について説明する前に、そのベースとなっているForecastPROとSynCAS PSI Visualizerの2つのソリューションについて簡単に紹介することにしよう。

 まずForecastPROは、前述のように世界1万2500社、国内でも400社の導入実績を誇るシェアトップクラスの需要予測支援システムであり、日立ソリューションズ東日本が日本へのローカライズを手掛けている。ForecastPROを導入して予測業務の自動化と高速化を実現し、需要予測はもちろんのこと、予測分析結果による販売特性の変化の把握や予測結果を使った補充計算などざまざまな業務の効率化を推進することが可能だ。

 ForecastPROは、過去2年分の販売・出荷実績を投入するだけで将来需要量を算出する容易さと、店舗数やキャンペーン、気温・天気、経済指標、営業日数などの外的要因の入力によるさらなる精度の高い需要予測、1分当たり1万SKU(在庫保管単位)のシミュレーションが可能という圧倒的な高速性を備えている。だからこそ、SynCAS 3.0ではさまざまなシナリオに基づいた在庫補充計画の検証が可能となっているのだ。

 一方のSynCAS PSI Visualizerは、PSI情報をまとめて可視化するだけでなく、単品ごとの可視化も可能なPSI情報分析システムであり、在庫の可視化、問題在庫の早期発見、在庫適正化の進み具合の見える化などを実現する。製品数が多い場合であっても、全製品の在庫推移を「Locator」と呼ばれる一画面で見える化できるようになり、数値のみによる管理と比べるとはるかに効率的な在庫管理が可能になる。

 また、全社在庫から製品単位までドリルダウンして確認できる機能も備えている。全社在庫から、倉庫別在庫、地域別在庫、製品グループ別在庫など任意のグループを設定して、そこから製品単位まで連続的にドリルダウンすることが可能となっているのである。設定は最大15階層まで行え、細かいグルーピングによる在庫推移の確認がワンクリックで実行できるようになる。「この2つのソリューションを連携させて、需給調整プロセスにおける自動発注のオペレーションまでを一気通貫でカバーできるようにしたのがSynCAS 3.0なのです」(内海氏)。

「SynCAS 3.0」による自動発注の効果が高い業種とは?

 SynCAS 3.0の対象となる在庫管理・需給調整業務は、サプライチェーン/デマンドチェーンに関わる顧客、販社/支社、本社、工場などのうち、本社の事業計画(予算)から工場に対する要求までをカバーするものだ。そのため需給調整や生産計画、SCMを管轄する部門での導入が見込まれている。

 内海氏は、「簡単に言えば、この商品はこれぐらい売れそうだから、いつまでにどれぐらい作っておこうとか、今の在庫がこれぐらいあるので、この先足りなくなるのはいつで、そうであればどの程度の補充が必要なのか、といった判断を支援するソリューションになります」と説明する。

 前述のような在庫管理・需給調整に携わる部門は、その立ち位置が特に難しいとされている。その理由は、消費者からの要求と、サプライ側からの供給回答といったように、サプライチェーン/デマンドチェーンの両側から要求と供給回答をバランス良く調整することが求められることにある。そのため、より素早く情報を収集・分析し、シミュレーションを繰り返しながら在庫補充計画を立てることが必要になる。

 しかしながら多くの企業では、これらの作業を表計算ソフト上で行っているケースが多く散見される。これだと膨大な時間を要する上に担当者の負荷も大きくなり、また精度的にも問題が生じてしまう。一部のERPにはこれらの機能を備えているものもあるが、その性質上、在庫管理・需給調整に関わる部門ならではのニーズに合わせるような小回りがききにくい。だからこそ、在庫管理・需給調整業務に特化して柔軟に利活用可能なSynCAS 3.0のようなソリューションが強く求められていたのである。

 内海氏は「業種や業態によってサプライチェーンとデマンドチェーンのバランス調整の特性はさまざまで、リードタイムも在庫を持つポイントもかなり異なってきます。そうした中SynCAS 3.0が特に効果を発揮するのが、家電・機械製造メーカー、小売業、卸売り業、消費財製造メーカー、家電・機械保守サービス業などです。リードタイムなどに関するサプライ側の制約がそれほど厳しくないとともに、需要変動に伴う調整頻度が高く、数千〜数万種類のアイテムを扱う業態になります。こうした業態というのはつまり、自動発注に向いた業態でもあるのです。もう少しシステマチックにやれば大幅に効率化できるのに、なかなか実現していない業種ですね」と述べる。

 このような業態の企業では、販売機会損失を避けるために在庫を大量に抱える傾向があり、生産量または調達量の反動幅も大きい。だからこそ自動発注の効果が高いのである。

「SynCAS 3.0」が効果を発揮する業種 「SynCAS 3.0」が効果を発揮する業種。リードタイムなどに関するサプライ側の制約がそれほど厳しくないとともに、需要変動に伴う調整頻度が高く、数千〜数万種類のアイテムを扱う業種になる

販売計画から補充計画、在庫バランス監視までの業務を支援

 在庫管理・需給調整業務の現場で、SynCAS PSI Visualizerがどのように使われ、何が可能になるのか、支援項目ごとに具体的に見ていくことにしよう。

販売計画支援

 販売計画を調整する際に、営業部門から入手した計画値や前年実績流用などの方法に加え、過去数年分の販売実績データを基に予測した統計予測値をリアルタイムに取り込むことができる。このため、需要予測と連動した販売計画の立案が可能になる。予測値は、商品別、商品グループ別、地域別など視点を変えてリアルタイムに参照可能。こうして統計予測値、過去実績、販売部門の販売計画値を確認しながら、担当者は販売計画を複眼的に調整することができるようになる。

補充計画支援

 将来の在庫推移見通しをビジュアルに示すことで、担当者の在庫計画を支援する。販売計画が確定すると、現在の在庫量と販売・出荷量から在庫補充量が計算されるのに加え、現在の在庫量でどの時点まで供給可能か、いつ欠品が発生するかも一目で確認可能となる。さらに、商品ごとの補充単位(ロット)や補充リードタイム、サービス率、補充方式などを指定すると、適切な補充量や補充時期が計算される。補充方式や補充単位の条件を変更することで、その影響をシミュレーションにより即座に確認できるようになるのだ。

 指定した補充方式を採用した場合の将来の在庫推移が、グラフにより視覚的に示されるとともにPSI値も表示され、結果に問題がある場合は補充方式の条件を変更して再シミュレーションしPSIのバランスを確認することが可能となっている。こうした仕組みにより補充量・タイミングの調整作業が大きく改善されることになる。

 またLocator機能を使うことで、在庫や販売を評価する各種KPIをX、Y軸に指定し、対象のSKUの分布状態を散布図で一覧し確認する。画面から、マウスで一定の条件の対象範囲を指定し、SKUを抽出してシミュレーションにかけることもできる。例えば、在庫が少なく販売実績の多い製品などを、表画面のX軸とY軸で範囲を指定すれば、その該当アイテムの過去の在庫推移と在庫の予測推移のグラフが一斉に表示されるのである。

問題検知支援

 需要予測による販売計画、さらに在庫補充計算よる発注・製造依頼を行って在庫量調整を実施したとしても、必ずしも計画通りの製造や販売が実施されるとは限らない。計画と実績のズレは完全には防ぐことはできないからだ。そのため、在庫の受け払い情報であるPSIデータによる在庫バランスの監視が欠かせないわけだが、SynCAS 3.0は需給調整作業と並行してPSIデータの可視化・分析が可能なので、過剰在庫や欠品の傾向が出た段階で迅速に異常を検知し対応することができるのである。

 また、システムが推奨する在庫水準に対してどれだけ乖離しているかを確認したり、最適な在庫水準に収めたりするためのシミュレーションも可能となっている。

在庫シミュレーションによる在補補充計画の見直しと自動補充を実現できる 在庫シミュレーションによる在補補充計画の見直しと自動補充を実現できる

在庫補充オペレーションが自動化し、総在庫が30%削減

 これまで説明したようなSynCAS 3.0の機能を活用すれば、ユーザー企業の担当者が朝出社したときなどに「どの製品を発注しないといけないか」といった在庫管理におけるアラートを、自動的にシステムが教えてくれるようになる。前日までの最新のデータと需要予測に基づいた販売の推移予測、あらかじめ設定した補充方式と安全在庫の指標などを基に、問題があればSynCAS 3.0が自動的にアラートを発信。そのため担当者はシミュレーションの結果を見ながら発注量調整を行うことで、在庫バランスに問題が生じる前に対応できるのである。

 需要側と供給側それぞれの状況把握から発注までの判断が極めて簡易化/迅速化されるので、販売機会の損失を防ぐとともに、在庫の最適化が実現できることだろう。そして急なイベントが生じても、さまざまな条件を想定してシミュレーションを繰り返しながら、速やかな計画の変更も可能になる。

 既に国内70社で導入されているSynCAS PSI Visualizerも在庫削減の実績は豊富だ。例えば、素材メーカーの大倉工業で20%、日用品メーカーのサンスターで28%、精密機器メーカーのオリンパスが30%という金額ベースでの在庫削減を達成している。SynCAS 3.0であれば、これらの先進企業と同様の効果を上げるオペレーションが、ほぼ自動的に行えるようになる。この点だけを見てもSynCAS 3.0の可能性の大きさがお分かりいただけるだろう。

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提供:株式会社日立ソリューションズ東日本
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2016年3月31日