データの管理活用を行うサーバはIT部門だけが必要なものではなく、モノづくり現場でも欠かせない存在となっている。日本マイクロソフトの特定用途向けサーバ「Windows Embedded Server」を例に、なぜモノづくり現場にサーバが必要か、考えてみよう。
オフィスにおけるファイルやプリンタの共有から、一般家庭のNAS(Network Area Storage)、Webの検索エンジン、製造現場でのデータ活用による品質向上、POSを利用した売り上げ・流通在庫管理システムなど、さまざまな分野でデータを集約、保存、共有して活用するためのサーバはもはや不可欠な存在となっている。ただ、サーバと一口に言っても、Web検索エンジンのような数億クエリを同時に処理する大規模なエンタープライズサーバから、家庭向けプリンタサーバのような小規模なサーバまで数多くの形態が存在する。
その中に「特定用途向けサーバ」というカテゴリがある。定義としては汎用の反対、「ある特定用途に向けて提供されるサーバ」となり、その製品はアプライアンスサーバとも呼ばれる。それらの製品には、より汎用的なサーバ製品と比較したとしても、選ばれるに足りる“理由”がある。ここでは日本マクロソフトの特定用途向けサーバOS「Windows Embedded Server」を例に、「特定用途向けサーバを選択する理由」を解説する。
まず大前提として、なぜサーバを導入するかを考えてみよう。Windows 8のような一般コンシューマ向けOSを搭載したPCでもネットワークを介したファイル共有機能などは用意されており、非常に小規模な範囲ならばそれだけも運用は可能だ。しかし、あくまでも機能としては一般家庭内での利用を想定したものであり、業務に耐えるだけの可用性や柔軟性、処理性能を得ることは難しい。そこで業務での使用と複数クライアント端末からの接続を前提としている、サーバを導入する必要性が生じる。
ではサーバならば何を導入しても同じかといえば、そうではない。導入する現場からの要求はそれこそ多岐に渡り、ある現場によっては導入コストの制約があり、またある現場では既存システムとの整合性が求められ、そしてまた違う現場では長期間にわたる長期供給が必要と、現場ごとの導入ケースにあわせた要求が存在するからだ。
そこで多岐に渡る要求を解決する手段として注目なのが、特定用途に向けたサーバ、アプライアンスサーバである。アプライアンスサーバは特定の用途で使われるように最適化の可能なサーバ製品であり、導入側にとっては非常にありがたい存在となる。その導入例は業種業界を問わず非常に多いが、例を挙げると、工場の生産ラインにおける製造機器のログ管理、防犯カメラの映像データ保管、POS端末のデータを管理するデータベース、医療現場における検査画像データ管理、CADにて作成したデータの管理などそれこそ列挙に尽きない。
前述した導入例については汎用サーバでも対応可能だが、特定用途向けサーバを導入した方がより多くのメリットを得ることができる。業務に用いるサーバに求められる要素は複数を挙げることができるが、代表的なものとして挙げられるのは「信頼性」「長期供給」「要求コストへの適合」などとなる。Windows Embedded Serverを例に、これらについて確認してみよう。
業務に用いる以上、信頼性は何よりも重要だ。信頼性にはメンテナンス(ダウンタイムの最小化)を始め、災害や誤用、外敵からの防御(セキュリティ)、パートナーの存在を含めたエコシステムが確立されていることなどさまざまな要素を内包するが、日本マイクロソフトは言わずと知れたOSベンダーであり、エンタープライズシステム向けサーバOSについても豊富な経験を持ち、高い信頼性を得ている。その日本マイクロソフトのサーバOSであるWindows Embedded Serverもまた、同社の信頼性を体現する製品であり、その導入は同社の信頼性を得るに等しい。
また加えて言えば、サーバ導入後にはそのサーバでアプリケーションを走らせることになるが、Windows OSには多くの開発者、ベンダーが存在しており、サーバ導入後の実務投入とメンテナンスについて心配がないことも特筆に値するだろう。
次に長期供給だが、特定用途機器は一般的なPCなどと異なり長期の利用が一般的だ。10年以上、同じ製品が使われるような状況で、すぐに同一モデルの提供が終了するようでは安心して導入、利用することはできない。その点、Windows Embedded Serverの製品ライフサイクルは汎用のWindows Serverより長く設定されており、製品発売から15年間が確保されている。例えば「Windows Server 2012 R2 for Embedded Systems」ならば、2023年までセキュリティ更新プログラムなどのサポートが行われ、2027年まで搭載製品が入手できる。
コスト(価格)面でも、Windows Embedded Serverにはメリットがある。特定用途向けに利用が限定されており、製品(ハードウェア)にOSがプリインストールされて出荷されるという条件がつく代わりに、ライセンス料が抑えて提供されるのだ。また、大規模なエンタープラズシステムから組み込み系の小規模システムまで柔軟に対応するデータベースである「SQL Server」もボリュームライセンスに比べて安価に設定されており、SQL Serverと組み合わせて導入することを検討するならば、コストメリットはさらに高くなる。
加えて言えば、社内LANなどのネットワーク上にストレージを配置した際に有用なiSCSI接続ストレージに必要な「iSCSIターゲット」や物理ディスクの削減に有効なストレージの仮想化・管理技術「シンプロビジョニング」、1台のサーバで複数のサーバを仮想化できる「Hyper-V」などをOS標準機能として備えており、導入に際しての工数を削減することができるのもコストメリットとして挙げられる。
また、Windowsファミリの1製品であることから、ユーザーインタフェースをおなじみのWindows OSと同様にして利用者の習熟負担を軽減可能なほか(GUIを含まないというインストールオプションも選択可能で、その際にはサーバマシンのハードウェアリソースを抑えることができる)、アクティブディレクトリへの参加が容易である、検索エンジン「Bing」やメッセージングサービス「Skype」、クラウドストレージ「OneDrive」などのサービスが利用しやすいことも、Windows Embedded Serverを導入するメリットといえる。
豊富な機能が用意されているが故に、どのような局面でWindows Embedded Serverを選択するべきかはイメージしにくいかもしれないが、実は発電所や送電システムという超がつくミッションクリティカルな箇所から、ノートPCサイズまで小型化したサーバで航空機内の機内販売システムにも導入されているなど、大規模エンタープライズから小さなローカルシステムまで対応できる柔軟性もまた、Windows Embedded Serverの大きな魅力だ。
「マイクロソフトの信頼性」と「柔軟性」を「低コスト」に入手できるWindows Embedded Serverは、パートナー各社からその搭載製品を導入可能だ。運用しているシステムあるいは、導入予定のシステムがあるならば、Windows Embedded Serverの導入を検討してみてはどうだろうか。
「SB2000」は、OS市場で高い評価を得ているWindows Server2012を採用し、データバックアップ、ファイル共有、遠隔地からのアクセスなど、安心かつ効率的な業務を実現する先進のサーバだ。増大するデータを安全に保管したい、そのデータをもっと活用したいという要望が高まっているなか、運用コストや管理の点で専任担当者を置けない中小規模オフィスにおいて最適な製品だ。サーバ自体が定期的に自己診断を行い、障害発生につながる事象を検知し、故障を未然に防ぐ「自己診断・通知機能」や、設置時から5年間の無償機器保証を付帯しているので導入後も安心して利用できる。
東芝産業用コンピュータは、社会インフラシステムや各種産業システムなど、ミッションクリティカルなシーンで幅広く採用されている。汎用コンピュータの技術をベースに、高温、振動、各種ノイズ、塵埃等の過酷な周囲環境に対する耐環境性、24時間連続稼動や複数年にわたる長期使用に対応する頑健性、障害発生時に早急な原因特定をサポートするRAS機能、早期復旧やメンテナンス時間の削減を目的としたフロントメンテナンス構造など、産業用途に求められる数々の機能を有している。また長期安定供給および保守対応により、長期間同一の機器でのシステム構築をサポート。ユーザーシステムの安定運用に貢献する。
長期連続使用の高度な要求に応える高信頼・長寿命
ハイエンドサーバモデル。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2014年11月28日
高処理性能に加え耐環境性能など多くが求められる産業用コンピュータ。そのフラッグシップモデルとなる、東芝の「FA3100SS model 1000」の特徴とは。